MKさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.5

『戦争は平和なり 』
『自由は隷従なり 』
『無知は力なり』

言わずと知れたジョージ・オーウェルの「1984」の一節が繰り返し想起される映画だった。

作品は二つの家族の脱北をせざるを得なかった事情
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21世紀の資本(2017年製作の映画)

3.5

足知者富…

「資本とイデオロギー」が平積みになっているのを見かけて、ボリューム少なめな寄稿や書籍は拝読しているものの、その分厚さにヒヨってまだ読めてない本棚で待機中の「21世紀の資本」を読まねばと思
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

『紅だーっ』
『終始裏声が気持ち悪いです。』
笑ったー。

カラオケ好きのブラック企業のカラオケ大会でビリになると社長から一生消えないお絵描きを身体に刻まれる罰ゲームあり。
そんな罰ゲームを回避するた
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.5

癒された。。

朝ドラと24時間テレビのドラマを足して2で割ったような爽やかさ。文化庁が絡んでるのかと思うくらいに。

メタモルフォーゼ…変化、変身。

歳を重ねた女性と人生を歩み始めたばかりの少女が
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.5

人生の最期に想いを馳せる感慨深い二時間になった。

自分の人生が曲だとして、もうアウトロに差し掛かっているとしたら…とは邦画『辻占恋慕』にあったやり取り。
Stevie wonderのisn't sh
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くれなずめ(2021年製作の映画)

4.2

観たいなぁと思ってて観てなかった映画を鑑賞…ダメだどうにも泣けた。

生涯の友だちと信じてやまない人たちがみんなこの世にいてくれることに感謝しかないひと時だった。


自分たちにしか分からない価値観、
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.6

パニック系社会派ヒューマン・ラブストーリー…何だそれ?

盛りだくさんなのか自分が捉えきれなかっただけなのか、なんとも感想が散らかる映画だった。

日本の住宅公団のような戦後の高度経済成長期のマンショ
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トンマッコルへようこそ(2005年製作の映画)

4.5

宝くじの不時着…がきっかけという何ともよく分からない動機で再鑑賞…めっちゃ泣けて仕方なかった。

朝鮮半島の未開の地にでもあるらしいトンマッコル、子どもような純粋な村という名前。日本でいったらペンギン
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宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.5

あー笑った。 

ハナ〜奇跡の46日間〜を思いっきり不謹慎にした感じ?

といっても南朝鮮の兵士が拾ったロトくじの当たり券が北朝鮮に舞い込んでしまい、拾った兵士が当たり券と知り賞金を山分けしようと画策
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ティル(2022年製作の映画)

3.5

リンチ(私刑)
・国家ないし公権力の法に基づく刑罰権を発動することなく、個人または特定集団により執行される私的な制裁。
・社会的な非行を行った者に対し、法的手続なしに加えられる集団的な暴力的制裁。
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映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021(2021年製作の映画)

3.5

尺の短さと童心を取り戻すべく鑑賞。
ほっこりした。ただ不朽の名作とされていたのは鉄人兵団だったのか…ちょっと残念。

とある惑星の戦争に子供達が急に協力すると言うありえないシチュエーションとすんなり受
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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.2

とても良い作品との噂は知っていて、サービスのラインナップにあったので鑑賞…落涙。

プーさんの実写版にも通ずる、子供のイニシエーション、モラトリアムを忘れ去られた人形たちを通じて描いた物語かな。

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TENET テネット(2020年製作の映画)

5.0

毎度の超長編に身構えてしまい、ようやくの鑑賞になってしまったけれど、観終わってみれば納得の満足感。
意識構造にまで踏み込んだ視覚世界のインセプションとはまた違う、エントロピーの可逆性にフォーカスした時
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

年内最後は機内にてマリオブラザーズ!
上映時、意外?に人気で鑑賞を断念していた本作に、コロナ後初の海外旅行の機内で観られるなんて本当に感激。

キャスケット?にオーバーオール、ヒゲを蓄えた背の小さな兄
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そらのレストラン(2019年製作の映画)

3.2

「しあわせのパン」での大泉洋と原田知世の夫婦像と物語が好みでふたたびそんなものを味わいたくて鑑賞。

北海道の美しい風景と美味しい食材、悪意のなさそうな愉快で素敵な人たち…とまではしっくりきてたのだけ
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市子(2023年製作の映画)

2.5

個人の不在と周囲の証言で一人の人物を浮き彫りにしていく構成?
しかも浮き彫りにされていく人物は決して幸福とは言えない…というより個人の幸福感なんて他人がとやかく言うものではないと訴えかけてくるような物
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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.9

『おめでとうございます』
『ありがとうございます』
『死にに行くんだよ?』
『使い方間違ってんじゃん… 』

現代の、進路にも人生にも葛藤する18歳の高校生が太平洋戦争、敗戦間際の日本にタイムスリップ
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.5

軒並み高評価のなか、逆説的なことが言いたいとかはないけれど、個人的に没入感はそこまでではなかった。

たぶん自分のこういった歴史的な人物を描く作品への既成概念が古いのだと思うけど。。

天才的軍人、果
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縁の下のイミグレ(2023年製作の映画)

3.5

エンターテイメント作品としてはどうだろう?とは思ったけど、特定技能外国人制度、外国人技能者制度を取り上げた作品。

マギーのコント感がジョビジョバを彷彿させてくれたからそこは楽しめたかも。

上がらな
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斬、(2018年製作の映画)

3.5

西洋の騎士は刀と盾を持っているのに日本人は両手に刀…とある方のツイートより。

保身、逃げ出すことに対する恥の意識とか死と対峙したり、受け入れることの美学とでも言うのか、この国の美しさには危うさや無謀
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ほかげ(2023年製作の映画)

4.3

斬、を観ていないけど野火以来の塚本監督作品。観終わった直後の余韻は野火よりもある意味強烈だったかも。

こちらも戦争映画と呼ぶことがふさわしい気がする。戦闘も殺戮もなかったけれど、体験した人々、送り出
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(2023年製作の映画)

2.5

最近は予告編にミスリードされてしまうことが多いなぁ…加瀬亮クンのヘタレなヤカラ感に戦国時代版アウトレイジ、そんなものを安直に期待していたけど、衆道と言うらしい当時のBLと、ゆるいお笑いまじりで自分的に>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

3.8

監督のことをあまり存じ上げない私が、ジャケットの空色、白抜きのタイトル、パステルカラーの子どもの美しいジャケに一目惚れして観てしまった。。。

架空カナダのS14とか18とかいう法案に冠する前情報があ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

シン・ゴジラはちゃんと観たものの、オリジナルゴジラは音楽や破壊シーンだけでちゃんと観たことがなかった。

そんななかでの-1.0…面白かった。 

ゆうてもゴジラだしなぁ…というブレーキと観終わっての
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.8

配役をエサに肉体関係を迫られた若手俳優が、冤罪を逆手に取ってのし上がったのだが…な20世紀初頭のフランスを舞台にした皮肉たっぷりの痛快コメディ…私的に。

フランスのコメディってハリウッドと比べてギャ
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人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした(2023年製作の映画)

4.0

楽しかった。
ビリギャルとかそんな感じの安心して観ていられる、大したことの起きない好きな感じの邦画だった。

主演の深川麻衣さんは好きな今泉力哉監督のパンバス出てたり、これまた好きなground Yと
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コロニアの子供たち(2021年製作の映画)

2.5

「オオカミの家」鑑賞後のお勉強として鑑賞。なんかタイムリー過ぎて怖くなる。。


『永遠のおじ様…私は死後も永遠に君たちのそばにいる』

『君ももう大人だね…アレは嫌だ』

閉ざされた共同体、コロニア
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Winny(2023年製作の映画)

4.0

公開中、タイミングがあわなくて見逃していた作品を動画配信で鑑賞。

10年前にwinnyを作っても誰にも理解されなかったし、10年後に作っていたらありふれた技術でしかないと思う…とは作中の金子氏の言葉
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.6

泣いた…佐藤浩市が素敵過ぎるんだもの。
…前半は後半に向けて必要なものと理解。

一年も父からの電話に出ないコロナ禍で映画監督人生いきなり正念場の末娘と父、兄二人と消えた女こと母の物語。

石井裕也監
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.4

35年間、母親により家の中に幽閉?されていたバビー。そんなバビーがひょんなきっかけで外、社会に出ていく話、両親と猫を殺して。

今の自分の経験や知識でバビーを見遣ると、甚だ狂っていているけれど、道徳心
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旅するローマ教皇(2022年製作の映画)

2.5

尊厳は伝染する、風邪よりも早く。

教皇なんて名前と変な帽子ぐらいしか印象にない不遜な自分なのでこの映画を観れば少しは教皇のことがわかるかと思い鑑賞。

動機がゴダール監督の時のそれとあまり変わらない
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弥生、三月-君を愛した30年-(2020年製作の映画)

3.0

波瑠ちゃん観たさに鑑賞。
高校時代に親友を亡くした男女の三十年に亘る恋物語。

自分も10年近く恋煩った好きな子がいたからちょっと共感。

人生のステージも巡り合わせもあるし、タイミングや前向きではな
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アナログ(2023年製作の映画)

3.5

観たのが木曜日なことに気づきびっくり。

北野武原作ということとニノ、自分のなかで久しぶりの波瑠ちゃんの主演ということで鑑賞…綺麗な映像と綺麗な物語で気持ちが晴々した。

過去に似たような物語沢山ある
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オオカミの家(2018年製作の映画)

5.0

映像がとにかく凄い…と聞いて観に行った作品。
それなりに期待して観に行ったけれど、期待値を上回るもの凄い世界観だった。

前情報がなかったのでなんとなく昔の作品の修復版なのかと思って見始めたら「えっ!
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ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

4.5

笑わせてもらったー、やっぱクドカン最高。ドラマも見るんだったな…。
ドラマを知らなくても楽しめるという、レビューを観てお休みの日に鑑賞。

ゆとりがどうのというより絶妙な会話の応酬と小ネタ満載の気の利
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よだかの片想い(2022年製作の映画)

3.8

フラっと入った喫茶店のコーヒーが美味しくて残りの1日がちょっと幸せ…みたいな気持ちになれた。
週末にあまり期待せずに観たせいもあってとっても良かった。

かの48人組のことはあまり知らないけど、透明感
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