Filmomoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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バンボーレ(1965年製作の映画)

4.1

①イタリア映画お得意のオムニバスで、どのエピソードも皮肉に満ちている。「バンボーレ」は「バンボーラ」の複数形で「人形」の意味だが、この映画を観ればその意味が「まるで人形のように振り回され、踊らされてい>>続きを読む

三つの恋の物語(1953年製作の映画)

4.4

①50年代ハリウッドが奏でる芸術性豊かなオムニバスの名品。1章と2章を『非情の町』のゴットフリード・ラインハルト、3章をヴィンセント・ミネリが監督している。第1章「嫉妬深い恋人」は、ジェームズ・メイソ>>続きを読む

シェーン(1953年製作の映画)

5.0

①監督のジョージ・スティーブンスは凝りに凝って『シェーン』を演出したことが知られている。(そのために製作期間は予定を27日オーバーした)“CODE OF HONOR”という2003年に米国で発刊された>>続きを読む

ヤング・ハワイ(1961年製作の映画)

3.9

①とるに足らない、とは「話題として取り上げる価値がない、議論に値しない」という意味だが、「ヤングハワイ」はつまらない映画ではない。今から57年前に作られた若者向けのこの映画は、今なお世界の旅行者の憧れ>>続きを読む

蜘蛛の巣(1955年製作の映画)

4.4

①タイトルは、劇中ウィドマークの台詞「我々が勝手な欲望と感情で織り上げた“蜘蛛の巣”に若者は掛かってしまった」から来ている。それはまさに猜疑心や嫌悪感、現実逃避や虚栄心から生まれた行為や行動で、病院の>>続きを読む

紅の翼(1954年製作の映画)

4.2

①本作はまるで日活アクションのような邦題がついているが、多くの登場人物の人間群像を描きながら、航空事故に直面した乗員と乗客を描く「空のグランド・ホテル」である。ジョン・ウェインの製作会社バトジャック・>>続きを読む

戦う若者たち(1960年製作の映画)

3.9

①これは戦争版『手錠のまゝの脱獄』である。だから、主軸は1小隊内の偏見や対立があり、憎しみが生まれるものの、生き残るためにはリーダーに従い、団結せねばならないというテーマを描くものである。ここにフォー>>続きを読む

ジプシー(1962年製作の映画)

3.9

①シネマスコープの画面いっぱいに映し出される舞台とオーケストラ・ピット。指揮者がタクトを振ると主題曲の演奏が始まる。(この場面はオープニングだけではなく、その後も劇中に、オーケストラ・ピット越しの舞台>>続きを読む

サン・スーシの女(1982年製作の映画)

4.0

①『サン・スーシの女』の最も特筆すべきシーンは、夫をベルリンに残して離れ離れになったロミー・シュナイダーが、パリのカフェで、養子の息子マックスにバイオリンの演奏をせがむ場面だ。マックスは目の前でナチの>>続きを読む

プレイボーイ(1962年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

①60年代のお気楽で、とてもキューバ危機が起きた年の映画とは思えない呑気さだ。郊外に住み、都心部まで列車通勤している独身貴族のジェームズ・ガーナーと妻帯者の同僚たちが、共同出資して部屋を借り、そこに美>>続きを読む

ウォーキング・トール(1973年製作の映画)

4.0

①実話の映画化ではなく、実在した人物をモデルにした話で、ノー・スター映画で典型的なB級アクションだが、観客の心を鷲掴みにして、怒りとその解消を繰り返し、感情を揺さぶる。『狼よさらば』(74)、『処刑教>>続きを読む

殺し屋とセールスマン(1973年製作の映画)

4.8

①ホテルの5階、証人を暗殺しようとする殺し屋(リノ・ヴァンチュラ)と、女房に逃げられ自殺しようとするセールスマン(ジャック・ブレル)が隣り合わせの部屋を借りる。殺しの準備中に、セールスマンが水道管に紐>>続きを読む

追われる男(1954年製作の映画)

4.0

①赤狩りの影響下でニコラス・レイ監督が撮った『大砂塵』(54)の次の作品『追われる男』も赤狩りの影響を受けている。ジェームズ・キャグニーは無実の罪を着せられ牢獄に入っていた。さらに新天地を求めてやって>>続きを読む

マンハッタン物語(1963年製作の映画)

4.8

①大人になりきれていない男女の通過儀礼的な恋愛を描いている。マックィーン扮するロッキーは、楽士でその日暮らし、風の吹くままに生きているような無責任な男。ナタリー・ウッド扮するアンジーは、昔気質の母と、>>続きを読む

七人の無頼漢(1956年製作の映画)

4.8

①ラナウンサイクルの1作目と言われているが、製作にハリー・ジョー・ブラウンはかかわっていないので、一連の作品の、バッド・ベティカー監督×バート・ケネディ脚本×ランドルフ・スコット主演の傑作西部劇シリー>>続きを読む

ザーレンからの脱出(1961年製作の映画)

3.6

①政治犯ユル・ブリンナーが砂漠を越えて国境へと逃げるというだけの物語。劇中一度もフラッシュバックが使用されず、現在進行形の中でのみ人物が語られる。台詞も少なく、たいていは車に乗っているシーンである。冒>>続きを読む

ファンダンゴ(1985年製作の映画)

4.9

順位の付けられない私の大好きな映画です。私の大好きなシーン①グルーパーズのメンバーがジャド・ネルソンのキャデラックで、結成当時にメキシコ国境の山に埋めたドンペリを探しに行く最中に、ベトナムに従軍するし>>続きを読む

芝生は緑(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

①「芝生は緑」という題名は、隣の庭の芝生の方が緑が濃く見える、隣人の方が良く見えるが、太陽の光が隣人の庭だけを照らすわけがない、得てして何でも他人のものの方が優れているような気になるものだという意味で>>続きを読む

戦略空軍命令(1955年製作の映画)

4.0

①ジェームズ・スチュワートは米空軍大佐の肩書を持ち、SAC(戦略空軍)を視察した時に感銘を受け、SACの重要性、その使命を国内外に広く知らしめることが平和均衡に役立つと考え、パラマウントの幹部に企画を>>続きを読む

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

順位のつけられない私の大好きな映画
私が大好きな点①まだ大学生だった頃、東映の映画館でオールナイトのカルト映画企画上映に行きました。今では考えられないけど、ほぼ満席でした。プログラムは、「ビデオドロー
>>続きを読む

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

順位のつけられない私の大好きな映画です。
私の中ではベティとゾーグは永遠に生きています。私の大好きなシーン①ゾーグとベティがペンキ塗りの仕事を、砂浜近くの家でやっています。その近くでサックスを吹いてい
>>続きを読む

赤い砂塵(1959年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

①ジェフ・チャンドラー演じるルークという悪のカリスマが本作のポイントになる。フェス・パーカーは本来なら復讐する仇のはずのチャンドラーに逆に惹かれてしまう。しかもフェスはチャンドラー逮捕の密命を受けて一>>続きを読む

赤い矢(1957年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

①「憎しみ」を巡るドラマ。北軍と南軍の同族の憎しみ合い、合衆国と先住民の民族間の憎しみ合い、個人と個人の憎しみ合い。ブライアン・キースの台詞「スー族になっても憎しみは消えない」の言葉通り、この映画で憎>>続きを読む

ペティコート作戦(1959年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

①初出航を前にして爆撃を受け、かいなでしただけの修理で潜航開始した潜水艦シーウルフ号が、度重なる「珍事」に遭遇しながらなんとか目的地へ辿り着く。その騒動を初代艦長ケイリー・グラントが航海日誌を読みなが>>続きを読む

人間の絆(1964年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

①サマセット・モームの長編小説のうち、青年に成長してからの主人公フィリップのストーリーに絞り映画化しているが、冒頭の子供の頃足の不具合のためにいじめられた場面がずっと印象に残る。この短い場面があるだけ>>続きを読む