NUZOOさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット(1993年製作の映画)

3.9

ブルース・キャンベル(アッシュ役)の文字通りコミカルな演技がずっと愛らしい。ジム・キャリーとかなり似てる。小人版アッシュやアッシュの分身など、姿は同じだが別のキャラクターというのを顔やテンションで演じ>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.1

ほぼ人が動かない話でも演技と編集による演出でここまで映画にできるという面白さ。あらゆる人々の顔芸的な顔演技のすごみがある。
ジャンヌ対男たちという構図はフェミニズム映画にも見えた。

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.4

最高だった。
やむを得ず追い出された形ながら、社会から逸脱することの豊かさが丁寧に描かれてる。

女二人の関係性と旅を経ての変化の描写が本当に素晴らしい。特にテルマが最高。車も愛おしい。
彼女らの邪魔
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死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

4.4

ホラー映画にかける情熱に感動する。
ヒロインが最速で死に、そこから先はゴア描写・ホラー描写のオンパレード。1の面白いところだけを発展させ詰め込んだような作品だが、なぜかディズニーランドなんかのライドア
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編笠権八(1956年製作の映画)

3.5

適度に短く適度に面白い。
見たいものがちゃんと映る的確なカメラとロードムービー感がよかった。

卑怯さと内輪揉めで勝手に相手が死んだに等しいのに、理不尽に仇討ちの対象になってしまった権八郎が、逃げる旅
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僕だけの先生~らせんのゆがみ~(2016年製作の映画)

3.7

ミニマムな作りのわりに面白かった。
湊莉久と和田みさがほんの少しだけ似た顔なのがあとあと効いてくる。
終盤まで適当に見ちゃってたけど全体に雰囲気があってカメラとか結構いい。
全てが終わった最後の方の展
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スーパー!(2010年製作の映画)

3.7

00年代っぽいこの画調がそんなに好みではないけど、演出やストーリーは期待通り面白い。
ただ、ジェームズ・ガン作品の明るさが好きなので(ジャンルムービーっぽいグロさ・豪快さと明るさの両立が楽しい)ちょっ
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独立愚連隊(1959年製作の映画)

4.2

めちゃ面白い。
練られたストーリーと魅力的なキャラクターと的確なカット割。脚本と演出がどちらも高水準。

軍を転々とする新聞記者が、不遇な役割を押し付けられている独立愚連隊を訪れて見習士官の死の謎を解
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戦国自衛隊(1979年製作の映画)

3.5

千葉真一と夏木勲の、『ロッキー3』などを思わせるブロマンス的ないちゃつきが見どころ。そっくりなシーンもある。

合戦のシーンの大規模な撮影には興奮したし、生命力の強い俳優たちの演技もよかった。

自制
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.2

ラティーノのカルチャーと歴史を詰め込んで移民の葛藤と団結を描いた快作。ベタめなラブストーリーにも引き込まれる。
ラテン系をリプリゼントした映画をアジア系が撮るというのは『ワイルド・スピード』のジャステ
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いつだってやめられる 7人の危ない教授たち(2014年製作の映画)

3.4

イタリアの不景気を反映したっぽい『ブレイキング・バッド』的な犯罪映画。
映像は『ブレイキング・バッド』とは全然違って、テンポが軽くて色がどぎつくてあくまでコメディ的。
キャラの行動が破滅的すぎて破滅の
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.2

もともと知ってるアーティストも初めて映像を見るアーティストも素晴らしかった。
マへリア・ジャクソン、スライ、ニーナ・シモンなどが白眉で、その他にも素晴らしいシーンがたくさんあり、オーディエンス(みんな
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78回転(1985年製作の映画)

4.0

全てのものが回転していて画面が移り変わっていってそれだけでずっと気持ちいい。

雨月物語(1953年製作の映画)

4.0

ちょっと説教くさい話ではあるけど、幽霊話らしいファンタジックな演出の部分が特に面白かった。

シグネチャーの長回しは少ない。ただ、大胆なカメラの移動を伴ういくつかのシーンはどうやって撮ったんだろうと思
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大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)

3.5

半魚人の造形が大変素晴らしいし、水中でスーツを着て泳ぐ撮影など難しそうなシーンも多くてすごい。
水中のシーンの怖さや半魚人のかわいさもたまんない。

76分だが全然過不足なくて、こういう怪物ホラーはシ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ポップさを失わずにシリアスなテーマを描き切っていて、内容からも女版『ジョーカー』的な作品だと思った。

オープニングのダサい男たちの腰つきからしても、この映画は男女の表象の反転や、差異の強調を一貫して
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死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.7

途中までは「まあそこそこ…」と思ってたけど(それでもちゃんと怖い)、終盤の腐敗死体の描き方の本気度にやられた。
あんな手の込んだアニメーション仕立てのグロ描写見せられたらたまらんわ。

曖昧な未来、黒沢清(2002年製作の映画)

3.2

本など読んで思い描いていた黒沢清像とそう違わない印象。

内面の描写を嫌い、登場人物については運動で示したいというのをはっきり言っていたり、だからこそ抽象的で意味的な演出指示はほぼ行わずに具体的な行動
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

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公開時以来に見たけど意味わからないところが多いし話はほぼ進まないのね。
エヴァはとにかく見終わった時に内容を覚えてられない…

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.1

似た題材を扱う作品では『レディプレイヤー1』の数倍良かった。

タッチは軽いけど示唆的で、モブキャラに観客がちゃんと感情移入してその先のメッセージまで到達できる作りになっている。
現実とフェイクの世界
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ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.4

ワイスピってこんなもんだよな〜って感じ。全編を通して都合がよくないシーンがないというくらいご都合主義のかたまり。それを楽しむ映画なのでいいんだけど。
初期作ではターボ万能説をもとに話ができてたけど今作
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.0

気まずくリアルな会話の連続で長い時間を見せたり、ゆったりとした時間感覚で臨場感を出す濱口竜介印はここでもしっかりあったが、いたく感動した『PASSION』や『親密さ』に比べると、登場人物たちの悩みがよ>>続きを読む

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

3.7

江戸を舞台にしたホラーは初めて観るのでそれだけでも新鮮だった。
幽霊が出るのは最後の方だけで、中盤までは伊右衛門と直助のクズなエピソードが積み重なるのでストレスが溜まっていく感じ。
だからこの話では怖
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暗黒街の顔役(1959年製作の映画)

3.6

白黒かと思ったらカラーだった。色がいい感じ。
今作はキレキレとまではいかないけど、カメラの置き方とか動かし方でわくわくできるので見てられる。

主演二人、鶴田浩二と宝田明の顔が似てて兄弟役も納得。どち
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.3

面白いシーンがテンポよく盛られてて最後までダレずにいくのがいい。そのうえなんともいえんエキゾ感も感じた。
この内容をこの長さでちゃんとおさめる点でディパーテッドより偉い!

殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.7

面白いシーンはたくさんあったけどめちゃくちゃ眠かった。
話は分からないことはないけど、説明を省いているところを想像してまで分かりたいとも思わせない感じで、映像が楽しめればそれでいっか、という気にさせて
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.1

面白かった。どこを映しても山と海という小豆島の悠々とした景色が印象に残る。

子供たち(ほんとに生き生きしていて素晴らしい)とのほのぼのとした交流を描く一方で、貧困や戦争など当時の生活のリアリティも描
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.8

正方形に近い珍しいアスペクト比と白黒の美しいフィルムの映像、そして難解で象徴的な話が印象深い。役者の好演も記憶に残った。

孤島に閉じ込められた二人の男が権力をとりあってもつれあうなかで、ジェンダー役
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ラフ・ナイト 史上最悪! ?の独身さよならパーティー(2016年製作の映画)

3.6

つまらないわけはない。
普通に面白い作品ではあるけど、パーティを舞台にしたコメディを女性版としてやったという意義を超えるほどのものでもないという塩梅。
男たちの描き方が秀逸。

どぶ鼠作戦(1962年製作の映画)

4.2

かなり面白かった。
戦後民主主義的な戦争観が存分に反映された戦争映画。
戦争というモチーフでここまで楽しませながら軍国主義の悪を訴える両面性は当時の人にどう写っていたのだろか。

話の筋だけで言えば格
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悪魔のいけにえ2(1986年製作の映画)

3.9

前作より美術が作り込まれているし、前作の面白い部分を踏襲した上でさらにそこを掘り下げたような作品。
その分前作の荒削りで意味不明で奇跡的なエネルギーが少し控えめになった印象もある。

前作では例の家族
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幕末太陽傳(1957年製作の映画)

4.4

めちゃ面白い。この映画を見てフランキー堺を好きにならないことが難しいというくらいフランキー堺の佐平次が魅力的だった。

群像劇らしく相模屋の中を色んな人々が動き回るその様が楽しくて、なかでも佐平次の生
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ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)

3.8

ドキュメンタリックな題材でも、美しい光と構図でカメラを固定して撮ることでどんな作りなのかわからなくなるというのが興味深かった。あきらかに演技じゃない咳(とか咳しすぎの嘔吐とか)がより撹乱させてくる。>>続きを読む

ベルヴィル・ランデブー(2002年製作の映画)

4.2

(もろにレイトン教授シリーズに影響を与えまくった)美術とデフォルメのセンスがたまんないけど、それがなんの違和感もなく動くのもすごい。
ほとんどセリフを介さず、動きと音楽と美術とで表現される物語のドタバ
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