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悪魔のいけにえ2のNUZOOのレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ2(1986年製作の映画)
3.9
前作より美術が作り込まれているし、前作の面白い部分を踏襲した上でさらにそこを掘り下げたような作品。
その分前作の荒削りで意味不明で奇跡的なエネルギーが少し控えめになった印象もある。

前作では例の家族が出てきてからが特に面白かったが、今作ではそこに割く描写が多くて面白い。家もすごいことになっているし、おじいちゃんのヨボヨボさも健在。
ヒッチハイカーは以前より明らかに人間離れした見た目に変貌していてそこは多少怖さの種類が変わっている(1では普通の人間だがどこかおかしいというのが怖かった)。
今作ではチェーンソーが一家を象徴するものとされていて、セックスの代わりとしてチェーンソーをふるうことが示唆されているのが興味深い。彼ら一族全員が思春期にこじらせたまま歳だけとったような存在として見えてくる。理解不能の怖さが面白い作品としては、彼らの人間味の部分がすこし出過ぎているのかもという気もした。特にレザーフェイス。

はじめから彼ら一家と戦おうとしているという、前作にはいなかった種類の人間として配置されるのがデニス・ホッパーなのが絶妙。真面目な顔で馬鹿馬鹿しいことをやるという狂い方を表現するのにはぴったりな俳優だと思う(この作品を見ながらデニス・ホッパーはオーウェン・ウィルソンにそっくりだなと気づき、オーウェン・ウィルソンもまた馬鹿馬鹿しく狂う役が合う俳優だと思った)。

全体を通しての白眉は、捕まった主人公が、同じく先に捕まっていた死にかけの相棒と対面するシーンで、ここだけトーンの違う演出が感動的でもありかなり笑えもする不思議なシーンだった。

最後のシーンも前作のラストを意外な形で踏襲するもので最高の終わり方だった。
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