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テルマ&ルイーズのNUZOOのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
4.4
最高だった。
やむを得ず追い出された形ながら、社会から逸脱することの豊かさが丁寧に描かれてる。

女二人の関係性と旅を経ての変化の描写が本当に素晴らしい。特にテルマが最高。車も愛おしい。
彼女らの邪魔をしたり変化を与えるきっかけになったりするそれぞれの男たちの描き方も幅があっていい。
背景を深く掘り下げることはしないのに、余白によって彼女らや周りの人々の人生を感じさせられる。

州を跨ぐ逃避行だったり風景や風土の変化など、国の広さがあってこそ成り立つ物語だったので、アメリカのでかさを強烈に感じた。

斎藤潤一郎『死都調布 ミステリーアメリカ』(という漫画)のリファレンスとなった映画なので観たけど、何度か出てくる下品なトラック運転手はまさに斎藤潤一郎作品に出てくる中年男そのものだった。彼が痛めつけられるシーンはこれまた『死都調布』的で最高。
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