むっしゅたいやきさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

むっしゅたいやき

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グッドモーニング・バビロン!(1987年製作の映画)

4.3

D.W.グリフィス、畢生の大作『イントレランス』。
「不寛容」をタイトルとしたこの作品が公開された際、W.W.Ⅰへの参戦気運の高まっていた米国内で、興行的に大失敗となってしまった事は、シネフィルならば
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.3

弘前・長岡・会津若松・水戸へのひとり旅の帰途、立ち寄った映画館にて鑑賞。
同日公開されていた、ラバキーやイオセリアーニは、我が味噌県への巡回も予定されているとの事、悩んだ末に見逃していた本作に決断。
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サン★ロレンツォの夜(1982年製作の映画)

4.0

サン・ミニアート村の虐殺、戦争の寓話。
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ。
イタリア、トスカーナ地方の牧歌的な雰囲気の中、無残に起こる逃避行と悲劇とを描いた作品である。

ヴィットリオ自身の体験から
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西鶴一代女(1952年製作の映画)

4.0

溝口健二。
封建社会、男性優位社会での女性の浮き身と其の浮華を、滑稽さを以て描いた作品である。
ちょっと吃驚するくらい、出て来る男が父親を含め、腐れている。
溝口らしい、ドリーと長回しを多用した極めて
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ホース・マネー(2014年製作の映画)

3.8

ヴェントゥーラ、─男、移民。
其の記憶の旅。
ペドロ・コスタ。

カーボヴェルデ共和国。
アフリカ大陸西沖に位置するこの島国は、1975年にポルトガルより独立した若い国である。
其の位置からも分明な通
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何も変えてはならない(2009年製作の映画)

4.0

鑑賞初のペドロ・コスタは、ドキュメンタリーから。
パヴリコフスキ『COLD WAR』に出演していたフランスの歌姫、ジャンヌ・バリバールのレコーディング風景に焦点を当てた作品である。

ドキュメンタリー
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ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区(2012年製作の映画)

3.8

ブラガ、ギマランイス。
2001年、ユネスコに由る世界文化遺産として登録された、ポルトガル王国揺籃の地である。
本作は2012年、欧州文化都市事業のプログラムとして制作された、四人の監督に由るオムニバ
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コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

3.3

鑑賞記録。

主題も主張も全く見えない作品である為、「第七芸術」としての“映画”では無く、“演劇”としての評価となる。

「狂人の真似とて大路を走らば 即ち狂人なり」。

高評価が多い中恐縮であるが、
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サムライ(1967年製作の映画)

4.3

鑑賞記録。

「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」。
ジャン=ピエール・メルヴィル。
女性に「男の人って、こういうのが好きなんでしょう?」と問われれば、「はいっ!大好きですっ!」─と胸を張って答える
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.0

風船と、針の一突き。

『恐怖分子』─、中国語で「テロリスト」の意。

ほんの些細な出来事、テロルとすら言えない様な小さな悪意が、殺伐とした都会に生きる人々へ破綻と破滅を齎す様を描いた群像劇である。
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

4.0

残された者達。
トート・バルナバーシュ。
声高に何かを主張するでもなく、ただ切々と、大切な人々を失った哀しさを訴えかける作品である。

本作の舞台は1948年、大戦が終わり、スターリニズムと夜警国家へ
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軍旗はためく下に(1972年製作の映画)

4.5

鑑賞記録。

深作欣二。
本作はテーマも明快、語るよりも戦地の実状と云った重みを感じるべき作品である為、レビューを割愛する。

黄金のウナギ(1979年製作の映画)

3.8

鑑賞記録。

カレル・カヒーニャ。
ナチス統制下、銃後に暮らした或る少年の物語。
父に教わったウナギ釣りをしている時、彼は父と共に居る心地であったのであろう。
淡々と映し出される日々の暮らしの中、一抹
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復活(2001年製作の映画)

4.3

人は、自らをも欺いて生きるべきなのか。
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ。
原作はトルストイ三大長編の掉尾を飾る同名小説である。

原作小説は、冒頭に挙げた疑義を、革命前夜のロシア帝国を生きる主人公
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夜顔(2006年製作の映画)

3.5

鑑賞記録。

マノエル・ド・オリベイラ。
嫌な男は、年経ても厭な男である。

世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)

4.0

ポーの世界。
三人の監督が、各一話を担当したオムニバス形式の作品である。
三名の監督夫々、原作との向き合い方と云ったドラマツルギーからその表現のマチエールまでもが見事に異なっており、作者を一にする作品
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(1990年製作の映画)

4.5

黒澤個人の精神世界。
黒澤明。
八編の掌編から成るオムニバス形式の作品であり、奇譚集、とでも呼ぶべき物語集である。

旧いフォロワーの方はご存知であろうが、私は重度の幻想怪奇小説マニアである。
『科学
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レック(2007年製作の映画)

3.0

鑑賞記録。

発症迄の個体差と言い、バチカン絡みの発生源が、何故か殺意を持って向かって来る事と云い、凡てがご都合主義では無かろうか。
と、言うか、ゾンビ化しているのに被害者は痛がるのか?
ゾンビとなっ
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.5

鑑賞記録。

“ブルー”と云うアイコンの存在意義を無くした作品。
鑑賞者の思い出補正に頼った構成。
前作同様、パークのエピゴーネンに過ぎぬ様に思われる。

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.5

鑑賞記録。

噴火と云うファクターを加えても、子供の暴走と其のフォローが主体と言う点では全シリーズの焼き直しでしか無い。

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

3.8

鑑賞記録。

イングマール・ベルイマン。
五時間版。
2023年のニューイヤーシネマに選んだが、徹底的な舞台美術や哲学性と云った長所よりも、冗長さが目立つ。
─そもそもファニーは余りストーリーに絡まな
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小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

4.3

小さな恋の物語。
男の子グループと女の子グループが、共に相手を意識し始める頃。

私にも、こんな頃が有ったなぁ、と、年の瀬に。

歩みつつ垣間見た美しい時の数々(2000年製作の映画)

5.0

分与される思い出。
夜を通し、ずっと眺ていた。
ヨナス・メカス。

作品を描き出すカット、其の作画法に関しては幾つも在ろうが、メカスの其れは、点描で抽象絵画を描くのに似る。
彼は短いカットを繋ぎ合わせ
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カオス・シチリア物語(1984年製作の映画)

4.8

鈴の音が呼び起こす、四つの寓話。
憧憬と郷愁に満ちた、オムニバス形式の作品である。
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ。
劇作家ルイジ・ピランデルロの編んだ、未完の短編集『一年間の物語』より。
劇伴ま
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Kobieta samotna (孤独な女)(1981年製作の映画)

4.3

70年代ポーランド、見捨てられた人々。
監督は後に『ソハの地下水道』を著すアグニェシュカ・ホランド。
ポーランドの戒厳令と検閲により、公開を1987年迄遅らせられた、社会派ドラマ作品である。
尚、撮影
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阿賀に生きる(1992年製作の映画)

4.0

新潟県阿賀野川流域。
川に寄り添い、身を寄せ合いながら生きる人々を捉えた、ドキュメンタリー作品である。
佐藤真。

本作は全国の有志による、寄付のみで撮られた作品である。
また、撮影スタッフが三年もの
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さよなら、また明日(1960年製作の映画)

3.8

鑑賞記録。

ヤヌツ・モルゲンシュテルン。
スカした感じで良い味を出す、ツィブルスキィ目当てで鑑賞。

併し私の目は、ヒロイン役のテレサ・トゥシンスカに釘付けである。

…か、可憐だ…。

「何だ、こ
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SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

4.8

佐藤真。
素晴らしい。
「牛腸茂雄という写真家がいた─」。
こんなダイヤログから始まる本作は、西島秀俊と、カセットテープに残された牛腸本人の肉声を当てたポートレート集である。
彼の幾千枚、或いは幾万枚
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.5

鑑賞記録。

空の王座と、ダモクレスの剣。
満州国皇帝の浮華、盈虚。

『暗殺の森』もそうであったが、ベルトルッチらしい、イメージカラーを多用した、豊かでエモーショナルな画が多く見られるが、私には少々
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永遠の人(1961年製作の映画)

4.3

芒の穂の揺れる路。
荘厳で雄大な阿蘇山麓を背景に、他者が過去に犯した過ちへの寛恕と赦しを丁寧に描いた年代記である。
木下惠介。

本作の舞台は、1932年から太平洋戦争後1961年迄の約30年間を背景
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アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.3

ヴィム・ヴェンダース。

綺羅星の様に居並ぶニュージャーマンシネマの旗手の中でも、色合い、光の遣い方、それに何と言っても情感は、初期ヴェンダースが頭一つ抜けている様に思われる。
フィルタを使用し空を赤
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縛り首の縄(1958年製作の映画)

3.5

ヴォイチェフ・イエジー・ハス、長編デビュー作。
ハスは第二次大戦後ポーランドの第三世代、所謂「ポーランド派」として知られるが、ポーランド派主流に戦争を総括した作品が多い事に比べ、普遍的なテーマを以て活
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