むっしゅたいやきさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

むっしゅたいやき

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シナのルーレット(1976年製作の映画)

4.0

逃避と救い。
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。
各々不倫をしている夫婦の、結婚生活の欺瞞と惰性、逃避を描いた作品である。

ファスビンダーのフィルモグラフィに於いて、中期に位置する作品である。
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.0

日本の風刺。
ウェス・アンダーソン。
ドライヤー作品にて頭が固まった私が次にチョイスした作品である。
…が、正直全くハマらなかった。
極端に振り過ぎたか─。

個人的に、アンダーソン作品の魅力は、一見
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城の中の城(1954年製作の映画)

3.0

カール・Th・ドライヤー。
海峡の通行税の徴収の為に造られたクロンボー城と、その礎となった中世クローオン城の紹介作品である。

デンマーク文化映画の発案で、ドライヤーが撮影した。
ナレーションによる構
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ストーストレーム橋(1950年製作の映画)

3.5

カール・Th・ドライヤー。
長大橋讃歌。

海を渡る橋が大好きである。
島と島を“繋ぐ”と云う意味合いもそうであるが、何より壮大で、渡る爽快感の有るのが佳い。
山口の角島大橋、沖縄の古宇利大橋も気持ち
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トーヴァルセン(1949年製作の映画)

3.3

カール・Th・ドライヤー。
ホルンの音色から始まるこの作品は、デンマークの彫刻家、ベルテル・トルヴァルセンの作品紹介映画である。

この作家の、シンプルで白さと優美さの際立つ作品群は、コペンハーゲンの
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彼らはフェリーに間に合った(1948年製作の映画)

3.8

カール・Th・ドライヤー。
交通安全に関する広報作品。
原作はノーベル文学賞作家、ヨハンネス・イェンセンによる同名小説。
港から約70km離れたフェリー乗り場へ急ぐカップルの行く末を描いた作品である。
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癌との戦い(1947年製作の映画)

3.0

カール・Th・ドライヤー。
癌早期発見への啓蒙作品。

デンマーク政府コミッティー発の癌予防広告映画である。
政府による圧力の有る教育映画にも関わらず、作品内に時間の流れが存在し、ドライヤーの作家性と
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村の教会(1947年製作の映画)

3.5

カール・Th・ドライヤー。
デンマーク田圃部に於ける教会の建築様式の変遷を辿る作品である。

一般に本邦でも、時代を下る程に寺社仏閣は華美にごてごてしくなる傾向が有るが、北欧デンマークも同様で、原初期
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田舎の水(1946年製作の映画)

3.0

カール・Th・ドライヤー。
水質に関する公衆衛生の在り方。

田園地帯に於ける井戸水の水質汚濁に関するドキュメンタリー作品。
『母親支援』と同じく、デンマーク政府企画の広告・講習様映画である。

矢張
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母親支援(1942年製作の映画)

3.3

カール・Th・ドライヤー。
デンマークの公的機関、母親支援に就いてのドキュメンタリー作品である。

本邦にも母子生活支援施設に代表される各種児童福祉施設が有るが、その運営は地方公共団体や民間に委託され
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.5

遠くのものを近くに見る魔法。
ウェス・アンダーソン。

先日、この監督固有の鑑賞方法をマスターしたと自認している私が、二匹目のドジョウを狙って鑑賞した作品である。
…ふっ、遂にウェスの鑑賞方法までマス
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.3

街に生命を吹き込む行為。
ウェス・アンダーソン。

『ダージリン急行』の頃から、私はウェス・アンダーソンがとても苦手である。
彼の何を言いたいのか曖昧模糊とした作風、テンポの良過ぎる飄々とした構成も然
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白い酋長(1951年製作の映画)

4.0

カビリアの存在感。
フェデリコ・フェリーニ。
フェリーニの初単独クレジット作にして、ローマを訪れた新婚夫婦に起こる価値観の相違と修復を描いたコメディである。

久し振りのフェリーニである。
彼特有の白
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鏡の中の女(1975年製作の映画)

3.8

自己内面への眼差し。
イングマール・ベルイマン。
一人の女性の病状変遷の描写を通し、其の心因─根源的な死の恐怖や孤独、憎悪、責務と抑制、過去のトラウマ─と、どう向き合い、折り合いを付けて行くべきなのか
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用心棒(1961年製作の映画)

4.5

桑畑三十郎。
黒澤明。
ユーモアとペーソスの塩梅が丁度良い、傑作娯楽作品である。

本作に関しては、考察を放棄する。
ただ“漢”の血を滾らせて、三船の殺陣を愉しむのが良かろうかと思う。
仲代達矢がめっ
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ミカエル(1924年製作の映画)

4.0

芸術家故の孤独。
カール・Th・ドライヤー。
登場人物達の吐く紫煙が、強調された室内の巨大であるが真っ暗な虚空へ消える様が物悲しい作品である。

本作のレビューに於いて、カメラワークや視線劇に関しては
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

3.3

鑑賞記録。

辛辣な評価となり恐縮であるが、個人的に嗜好に合わなかった作品である。

ブラックユーモアや山椒と云ったスパイスは、平凡な中に在って小粒でぴりりと辛いのが佳いのであって、大掛かりになればな
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夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)

3.5

白夜のロマンス。
イングマール・ベルイマン。
ベルイマン一流のロマンス・コメディであり、素直に気を張らず楽しめる作品である。

本作は4組の男女のロマンスを描いた作品である。
プロットは練られており、
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あるじ(1925年製作の映画)

4.0

“汝、妻を敬うべし”。
カール・Th・ドライヤー。
何とも直接的なタイトルである。
原作はスヴェン・リンドムに由る同名戯曲。

本作に就いては、語るべき処は少ない。
筋もテーマも至ってシンプルでストレ
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蛇の卵(1977年製作の映画)

3.5

不気味な、併し確実に見える未来。
イングマール・ベルイマン。
ナチス台頭前夜のインフレが進むワイマール共和国を舞台とし、ユダヤ人への迫害や、後のナチスの優生思想へと繋がる社会全体の傾倒を表した作品であ
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倫敦(ロンドン)から来た男(2007年製作の映画)

4.5

長回しの可能性。
ベーラ・タル。
『メグレ警部』シリーズを著したジョルジュ・シムノンの同名小説を底本とし、クラスナホルカイ・ヤースローとタルが脚本を著した作品である。

本作の概要や粗筋と云ったアウト
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グロムダールの花嫁(1926年製作の映画)

3.5

“形式”の必然性に疑問を呈した寓話。
カール・Th・ドライヤー。
ドライヤーがノルウェーに於いて短時間で撮影したメロドラマである。

本作の筋は簡単で、其れのみを追うならば「小作人の息子と地主の娘のラ
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牧師の未亡人(1920年製作の映画)

3.8

“haunt you(取り憑く)”と云う事。
カール・Th・ドライヤー。
ドライヤーの長編第二作。
彼には珍しく、鑑賞者へユーモアを以て箴言を与えてくれる寓話である。

寓話をだらだらと語るのも不粋か
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裁判長(1918年製作の映画)

4.3

裁判官の良心。
カール・Th・ドライヤー。
ドライヤーの長編第一作にして、静かに染み入る様な余韻を残す名編である。

ドライヤーはその撮影スタイルに捉え処の無い、興味深い監督である。
彼のフィルモグラ
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大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院(2005年製作の映画)

4.5

祈りと沈黙、詠唱。
曇天の空を舞う雪片。
フィリップ・グレーニングによるドキュメンタリーである。
三時間弱の尺となるが、我々は鑑賞を通し、彼等と同じ静謐で実り豊かな時間を共有する。

Je suis
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ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.3

野良犬のダンス。
ベーラ・タル。
脚本は小説『サタンタンゴ』を著したクラスナホルカイ・ラースロー。
『サタンタンゴ』撮影の時間と予算に折り合いが付かなかったタルが、先に撮影した作品であり、姑息な臆病者
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アウトサイダー(1981年製作の映画)

3.5

ベートーベンの様な“自分自身”になれなかった男。
ベーラ・タル。
写されない雨と映されない棺が、青年の何処か非現実的で夢想的な、空漠とした世界観を表す作品である。

タルは、その作品に物語性を求めては
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家族(1970年製作の映画)

3.8

覚悟のススメ。
山田洋次。
同監督による民子三部作の第一作。
長崎の寒村から北海道の開拓村へ移住する一家族を描いたロードムービーである。

私が個人的に敬愛し、魅力にマイっている爺様(何れも故人)が、
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桃色の店/街角 桃色の店(1940年製作の映画)

4.0

多幸感溢れるクリスマス・イブ。
歯切れの良い男女の掛け合い、テンポ良い展開、そして甘いストーリーと、スクリューボール・コメディのお手本の様な作品である。
エルンスト・ルビッチ。

個人的な事であるが、
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恐るべき子供たち(1950年製作の映画)

4.3

何処へも通じていないホール。
ジャン=ピエール・メルヴィル。
ジャン・コクトーの代表作を底本とし、コクトー自身がナレーションをも担当する。
思春期の姉弟と、彼等を取り巻く男女の愛憎、欲の行く末を描いた
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殺し屋(1956年製作の映画)

3.5

事件前夜。
アンドレイ・タルコフスキー。
タルコフスキーが全ソ国立映画大学三年生の在学時に作成した作品である。
底本はアーネスト・ヘミングウェイの短編、『The Killers』。
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