あさのひかりさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.0

観始めてすぐ胸糞な印象があって、それはそのうち絶望になって。最後まで観てこの映画のメッセージの真っ直ぐさと重さに悲しみとも怒りとも何ともいえないものが積み重なる。この現実が少しずつでも変わっていきます>>続きを読む

ベルリン コーリング(原題)(2008年製作の映画)

3.4

ベルリンのクラブミュージシャンでDJがドラッグ中毒になる話。トレインスポッティングぽかったけど、あそこまでガツンとくる感じじゃなくて、常にもやーっと淡々と鬱な感じ。

主人公のミュージシャンは自業自得
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.5

BSでやってたので再観賞。これを劇場で観た頃はまだフィルマーしてなかったから、当時のここの雰囲気を改めて知れたのもなんか良い。

2回目だけどだいぶ忘れてたのもあって、前半は「ああ、この違和感何だっけ
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ハッピー・ニュー・イヤー(2014年製作の映画)

3.7

これは「いつか正月に観よう」とずっと思ってたの。題名の割にはお正月要素少なめだけど、ミッションインポッシブルやオーシャンズ要素もある、頭空っぽにして観るタイプのド派手なザ・インド映画。これお金かかって>>続きを読む

ミスター・ピッグ(2016年製作の映画)

3.7

養豚業を営んでいた老人が、最後の1匹をメキシコに売りに行くことから始まる物語。この最後の1匹をとても大事にしている。ハワードって名前もつけて話もしてもはや相棒のよう。そんな老人を心配した老人の娘も途中>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.5

話そのものは全然好みじゃないし、あとで冷静に考えてみるとたいした話じゃない気もする。だけど、観てるときは全然面白かったし、すごく分かりやすく入りやすくて、3時間弱観た、っていう疲労感も全然なくて、そん>>続きを読む

ことりのロビン(2021年製作の映画)

3.8

ネズミの家族として育った小鳥が、本当はネズミじゃない自分の姿を知る話。「みにくいアヒルの子」を思い出したけど、あれよりずっと優しくてあたたかい話。違う他者をコミュニティの中で受け入れることや、本来の>>続きを読む

グリンチ(2000年製作の映画)

3.3

グリンチの作品はアニメも含めこれが初めて。なんか色々もったいないような。ジム・キャリーの演技も、細かいところまでかわいい世界観も、浮かれてプレゼント送るだけがクリスマスじゃないってテーマも、好きになる>>続きを読む

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)

4.0

これも確か映画館で観損ねてたの。ルース・ベイダー・ギンズバーグについて全然知らなくて、ポップで力強い感じの予告が印象的で、勝手にもっと強烈な感じの人の話かと思ってたけど、ご本人は芯は強いけど、物静かで>>続きを読む

スコア(2001年製作の映画)

3.7

話は普通だし地味な感じするけど、安全に泥棒稼業を行うための地味な下準備が逆に面白かった。これぞプロの泥棒って感じ。でも、ここまでしてこんな危険さらさなきゃいけないなんて逆に割に会わなそうな気もするな。>>続きを読む

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.2

覚悟はしてたけど思った以上に胸糞。見ごたえは十分あったけど辛すぎて一気見は無理だった・・・。

差別以前の問題として、確実に特定できる物証もなく、曖昧な証言と住民の世論だけで犯人と断定され、死刑宣告が
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ツリーから離れて(2021年製作の映画)

3.9

「ミラベル~」との同時上映で観賞。家族のあり方、という意味ではテーマが近いのかも。伝えられた大切なことはそのまま伝えながらも、悲しかった思いは連鎖させないこと。短い時間、セリフなしで美しい画面だけのミ>>続きを読む

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ミラベルがいい子過ぎて、応援せずにいられないから、ミラベルとあと、人が良いのに除け者扱いみたいなブルーノが家族の中で居場所を作ることができてホッとしたけど、あれで良かったの?と思う気持ちも。魔法はみん>>続きを読む

スリーブラザーズ&ベビー(2015年製作の映画)

3.5

ドイツでブティックを営むトルコ系移民2世の3兄弟が、テナントを手放す危機に直面するうえに、兄弟のひとりの元カノの赤ちゃんを世話する羽目になってしまうことから始まるドタバタコメディ。

もう赤ちゃんの表
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

4.5

賛否があることは観て納得しながら、私にとっては、生きにくさを抱える人達への苦い苦い愛の物語としてとても心打たれました。

エヴァンの行動は許されることではなかったかもしれないけれど、そんなエヴァンに対
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ロンドン、人生はじめます(2017年製作の映画)

3.8

今年配信だけどイギリスの番組で、ローンなしでマイホームを手に入れるっていうのを見たの思い出した。船やコンテナやガレージやトラックやバスや・・ありとあらゆるものを知恵と工夫とDIYで素敵なマイホームにす>>続きを読む

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い(2015年製作の映画)

4.4

この作品をいつか観ようとなんとなくDLしたまま1年近く経っていたけれど、まさかこんな形でタイムリーな作品になってしまうとは。

2014年のウクライナ騒乱を、実際に抗議活動に参加した人達の視点から描く
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.1

この作品の原作者、津村記久子の「この世にたやすい仕事はない」という小説読んだばっかりで、これが面白かったので気になって観賞。こっちは仕事探しするアラフォー女性の話で、全然違うかと思ってたけど、割と共通>>続きを読む

ムタフカズ(2016年製作の映画)

3.8

冒頭もなぜか追われる女性、そのシーンが終わると、あんまりパッとしなさそうな黒い頭の少年と、ガイコツ頭の少年ふたりがまた追われる。それぞれ追われる理由ありそうに見えなくて「何で?でもなんか頑張って逃げて>>続きを読む

風が強く吹いている(2009年製作の映画)

4.0

オンボロな寮に住む十人の大学生が、寮での世話役みたいなハイジの思いに圧されて箱根駅伝を目指す話。

ちょっと狂気に近い箱根駅伝への思いを持つハイジ役の小出恵介の癖ありそうなさわやかさも、走り方も体型も
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荒野にて(2017年製作の映画)

4.5

これ映画館に行けなかったのだけど、やっぱり行きたかったな、画面綺麗だからスクリーンで観たかった。時々辛くて観るのつらい、ってなることもあるけど、すごく好きなのだった。

唯一の身寄りである父を失くした
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ジングル・ジャングル 魔法のクリスマスギフト(2020年製作の映画)

3.9

クリスマス気分先取りしたくて、楽しそうなクリスマス映画が観たくて観賞。色鮮やかでかわいいミュージカル映画だったからそれだけでもう好み。

話やイメージ的には「グレイテスト・ショーマン」と「パコと魔法の
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.4

最後まで観て、ふむ、なるほどそうか、とは思ったのだけど、話に嵌まらなかった、ってのが正直な感想。嫌いじゃないし最後までどうなるか気にはなったけど。主役とその話にそこまで思いが行かなくて、それより、スペ>>続きを読む

リスペクト(2021年製作の映画)

4.1

久しぶりにFM聴いたらこの映画の話題と関連の曲ばっかり飛び込んできた。とりあえず通はアレサじゃなくアリーサって呼ぶこと(映画観てこれ納得!)と、ジェニファー・ハドソンがこの役のために彼女本来の発声じゃ>>続きを読む

1000ルピー札(2014年製作の映画)

3.9

思いがけない形で1000ルピー札をもらった貧しい生活のおばあちゃんに起こるあれこれ。インド映画に慣れてきてから「インドマジかよ・・まあインドだし(日本じゃ考えられないけど)・・」って思うこともあって、>>続きを読む

ムンバイのバイオリン弾き(2016年製作の映画)

4.6

静かで美しくてすっと心に残る・・みたいなのを期待してたらそんな甘いもんじゃなくて脳天ぶち抜かれた。とりあえずめちゃくちゃ美しいことには違いないし、めちゃめちゃ好みの作品。

私も形は違うと思うけど、密
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.9

見終わってめちゃくちゃすっきりした!話が心に残る感じじゃないから、むしろ忘れた後でストレスたまった時に見返してまたすっきりしたい感じ。

男の後ろ楯のない、あるいはなくした女達の戦い。自分を守るため成
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窓の向こう(2013年製作の映画)

3.6

短編。複雑な家族の状況に心の揺れる少年が、隣家の窓から見えるダンサーに目を奪われて始まるお話。

少年の繊細な表情良かった。画面も美しく繊細な作り。ダンサーの姿や存在に彼は何を投影してたのか。ふたりが
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クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的(2016年製作の映画)

3.8

好みは分かれる作品だと思うけど私はかなり好き。オープニングの画像は強烈だけど、シュールな現代アートにも見えたしそんなに嫌いじゃない。でもこれが無理って人は本編もきついかも。

バーの外に出ると殺される
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ワタシが私を見つけるまで(2016年製作の映画)

4.0

面白かったし、女性ならきっと観て損はないと思う。通った道はだいぶ違えど、アリスが最後に出した結論って、私も何年も前にたどりついたことでもあるので、懐かしい!と思ってしまった。

何よりアリスのお姉さん
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アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)

4.1

映画観る前からある程度の覚悟はしてたけど、やっぱり目を背けそうになるし、心もえぐられた。

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で実際に起こったジェノサイドを、国連の通訳として働く現地の女性アイダを中心に描く
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ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)

4.1

今年観た映画でいちばん元気もらえた。失礼なセクハラ面接を甘んじて受けていたペトルーニャが、だんだん自分の主張をするようになって、警察での不当なはずの取り調べに異義を訴えていく姿が印象的で。やりとりがど>>続きを読む

パチャママ(2018年製作の映画)

4.0

ネットフリックスオリジナルのアニメ。パチャママを信仰するインカ帝国の村で、村の宝であるワカを役人に奪われ、取り戻すべく村の少年と少女が冒険をする物語。

神話の世界を絵本にしたみたいなアニメーションが
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ムーミン谷とウィンターワンダーランド(2017年製作の映画)

3.6

ムーミン一家とムーミン谷のみんなのある冬のお話。冬やクリスマスがテーマの映画だけど、秋の冬支度から始まるから、今観るのもそれはそれでタイムリー。ああ、もうすぐ冬だね、って気持ちだけでも冬の心構え。>>続きを読む

サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)

3.7

学生時代の本当に仲良い友人と会った時って、もう「懐かしいー」なんて言葉が出るまでもなくあの頃に戻っちゃう。大人になってからの今生きてる場所でのキャラなんて、周りの要求なりキャラ設定なりに合わせてて、本>>続きを読む

映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ(2021年製作の映画)

3.8

前作に思いがけずはまってしまったので観賞。いい話だけど、観てる時には前作のようにガツンとはこなくて、まあ、本来子ども向けの作品だし。子ども向けの作品としてはちゃんとメッセージあっていい作品だけど、大人>>続きを読む