新潟の映画野郎らりほうさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

新潟の映画野郎らりほう

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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

3.8

【50年代米の鬱に対する考察と資本主義社会盲目従属者への批判】


カプリオとウィンスレットの演技といい メンデスの演出といい テーマといい堪能した。

私的印象はひじょうにネガティブなホームドラマ。
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スーパーチューズデー 正義を売った日(2011年製作の映画)

4.2

【大統領とは当代随一の役者である】


選挙参謀の若者が(私達観客と共に)目撃する 米大統領選のからくりと倫理危機を描いたサスペンス。
選挙戦のキモは理念と正直潔白ぶりなぞに無く、周辺根回しとイメージ
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リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?(2005年製作の映画)

4.0

【しゃ~こら~!】


「赤ずきんちゃん」を大胆に新解釈し タイトル通り「犯人は誰だ?」を主軸に展開するCGアニメーション。

それぞれの証言を合わせる事で全体像が徐々に浮かび上がる構成がかなり良く~
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スパイダーウィックの謎(2008年製作の映画)

2.9

【「ごっこ遊び」を思い起こす、ちびっこ向け娯楽作】


ちびっ子に大変解り易い作りの作品。

バトルシーンが結構あって またテンポもかなり良好。 『ここからこっち側は侵入不可で大丈夫!』ってモチーフ
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おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

2.5

【細田よ、芋=子=観客 に手をかけすぎてはいけないんじゃなかったか?】


子供を半獣半人の[狼]にした事で 躍動的自然の娯楽性・映画的ケレンを獲得しつつ、同時に[人と狼の相容れぬ二者択]の中に、[親
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クローズド・ノート(2007年製作の映画)

3.0

【筆記者への共感と反共の果てにある自らの心の飛翔】


ファンタジーと現実の中間を着地点とした様な作品だ。

ノートを読む事で 想像と思考の深みに降りてゆく沢尻を、空気感を大切にした丁寧な描写で捉えて
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ボクたちの交換日記(2013年製作の映画)

1.1

【この映画「嫌です」】


「普段言葉に出来ぬ本音を交換日記でやり取りする」らしいが、日記内容は全て台詞によって読み上げられる為 映画的には普通の会話劇と何ら変わりないとゆうアホ臭さ。 また、実生活上
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クローバーフィールド/HAKAISHA(2008年製作の映画)

3.5

【インスパイアード911、モンスターオブデジタルエイジ】


手ぶれキャムのリアリズム手法自体は別に珍しくはないが ブロックバスター級の大作で行われているのが新鮮。

とは言え[大局を少数の限定視野で
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バンテージ・ポイント(2008年製作の映画)

3.0

【リテラシー~自分以外の視線の必要性】


一事象を複数視点から観る事で[本質への接近と 更なる後退]を生み、それを繰り返す果てにようやく真実が現れる。

場面間整合は一応取れている印象だが、複数いる
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劇場版 稲川怪談 かたりべ(2014年製作の映画)

1.2

【パチンコ用動画】


「稲川淳二の怪談に基づき撮影されたものの 諸般の事情で公開を見送った曰く付きのパチンコ用動画。その撮影時の不可思議な事象群と、出演者及びスタッフの証言映像」とゆう触れ込みの 実
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アウトロー(2012年製作の映画)

3.5

【トムクルーズ版ダーティハリー】


高所狙撃で幕開くオープニング。 人質をとられての採石場での決闘。 劇中「ゴースト」とも表現されるアウトロー・流れ者のモチーフ。 そして社会正義と個人正義との相剋。
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愛の流刑地(2007年製作の映画)

3.0

【社会倫理と個人価値観の相容れぬ相剋】


ラブストーリー。
トヨエツが最初に寺島しのぶを見て恋に落ちる瞬間の鮮やかさ。 愛 そして性欲に溺れる事に恐れる寺島の少女の様な 恐れ戸惑い。 主人公が「作家
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青い鳥(2008年製作の映画)

3.0

【本気の言葉】


「KY」~は集団に同調していない事を揶揄する 少し前の流行り言葉だが、集団からの逸脱を極端に恐れるあまり 個々の気持ちに無配慮、自己の考えすら見失い、集団同調を優先する危険な側面も
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ヘラクレス(2014年製作の映画)

3.0

【プロレスリングチャンピオンの真の実力】


「伝説・英雄譚とは、記述と伝聞により誇張・演出されたもの」 ~ ヒロイックファンタジーでありながら自らアンチテーゼを唱える異端なヒロイックファンタジー。
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1408号室(2007年製作の映画)

3.0

【超常現象ルポライターの恐怖体験】


こわい- {{ (^-^υ }}…ブルブル…

予告もCMも見た事無くて ポスターイメージだけで観賞したけど… けっこう恐かった-υ

内容は『超常現象ルポライ
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デンジャラス・ラン(2012年製作の映画)

4.1

【男映画、男泣き映画】


無理解と誤解に屈せず己の矜持と正義を貫き通す男達のドラマを、映画的彩美性や外連味こそ乏しいものの、ハイレベルな緊張と焦燥で彩り その最期に一筋の[男の涙]を誘うハードボイル
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

5.0

【America~正/負の印象】


既に半世紀を過ぎたクラシックでありながら 常に時代のコンテンポラリーであり続けるバーンスタインの楽曲群。 そのビートとブリッジを血肉化/可視化し 楽曲意匠を二倍
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きみにしか聞こえない(2007年製作の映画)

5.0

【昇華~本当のfantasyへ】


離れた見ず知らずの人と繋がる ~ 突飛な設定だが実はブログ・SNS等現代ネット社会の集約でもあり 実存コミュニケ-ション能力への問い掛けだ。

全編に渡り多様され
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コンチネンタル(1934年製作の映画)

5.0

【Angel】


床突き刺さるタップ。 作為的にバランスを崩したスピンに見られる驚異的バランスの証明。 圧倒的技術力を有した上で尚 余力を感じさせるダンスが醸し出す至高のElegance…。
だが詩
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

5.0

【FINAL FANTASY-究極幻想】


-輝く夢は欠け離れた者が、癒しへの希望は絶望の淵に居る者だけが目にする事が出来るのか-。

想像の翼を拡げる子の美しさと、内戦の恐怖が子の心に及ぼす影響
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ある日どこかで(1980年製作の映画)

5.0

【幻想-恋愛の果て-】


恋愛の至福・陶酔が幻想に例えられるなら、この作品はその極みだろう。

リーブ演じる主人公が恋焦がれる対象は 既に失われたものであり[残り香]とも言える。 だがリーブは強い想
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天然コケッコー(2007年製作の映画)

5.0

【子への愛/子供時代への愛】


原風景の様な田舎では 些細な変化が大きく映る。 その事に着眼した繊細にして愛おし過ぎる奇跡的傑作。

田舎讃歌/自然回帰を掲げつつ 子の成長とゆう小さな変化を 皮肉/
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キャンディ(1968年製作の映画)

5.0

【エロバカエベレスト】


エロバカ最高峰級。 エロバカの頂。

バートン、ブランドら数々の名優達の渾身の馬鹿ップリが驚愕。 彼等は馬鹿を演らせても大迫力・一級品である事を証明した。 他リンゴスター、
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

5.0

【自己主張無き状況順応男】


娯楽性と社会的訴求を兼ね備えた最高のパッケージングだ。

物証が残らぬ程の屍骸処理や 強権支配による洗脳等、ベースラインには「北九州監禁殺人事件」へのインスパイアが伺え
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すーちゃん まいちゃん さわ子さん(2012年製作の映画)

4.7

【あなたを応援しています】


アラサー・アラフォー女子の 日常の何気ない焦り、苛立ち、悲しみ、そして喜びを、軽快なリズムで綴ったとても心地好い作品。


世間に迎合し従属する不自由な生き方に疑問を持
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4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

5.0

【強固体制下の市民意識】


強固体制下を生きる市民意識は、《モラルを欠いた個人主義》が支配する。

当事者でありながら非協力・嘘・無神経のガビツァ、 自己の正当性を徹底論説する男等 共産政権=全体だ
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軽蔑(2011年製作の映画)

5.0

【猥雑の中の純愛】


冒頭、高良と鈴木がバーから逃げ、手を繋ぎ夜の街を疾走してゆく。 二人を追うキャメラは激しくブれ 夜の街のネオンは残像の長い帯を引く。 二人の周りの世界が「歪んで」しまったかの様
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告白(2010年製作の映画)

5.0

【告白/らりほう】


[ネットに依存しきった自己知識に万能幻想を抱く稚拙な自己陶酔]。 [己の得たい情報のみ無批判的に受け入れ 不快情報は一切受け入れぬ盲信/自己本位]。 [善意/天然/鈍感をエクス
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

5.0

【21世紀のモノクロームサイレント】


「一難去って直ぐ一難」な矢継ぎ早 延々危機連結のスリル。 浮遊・接近等、主題レベルで必然化された3D技術。 キュアロン×リベツキの刻印であるロングワンカット
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ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

4.3

【鬼を討つには悪魔に】


一人の女性分析官を焦点に、CIAの約10年に渡るビンラーディン追跡・暗殺作戦を追ったリコンストラクションドラマ。

世界各地で頻発するテロを防げぬ無力と苛立ち。 莫大な予算
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永遠の0(2013年製作の映画)

1.8

【説明過剰の果ての諧謔喜劇】


特攻で逝った零戦パイロットの祖父の想い-戦時-と、それを理解し掬い上げようと奔走する孫世代-現代-とが錯時交錯するドラマ。

戦争当事者が孫世代に話し聞かせる構成の為
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ハロー!純一(2013年製作の映画)

4.2

【愛すべきラフスケッチ】


脚本、演技、構図、ロケーション等々 全てが驚くほど「ラフ」。 適当なところでロケして適当に構図決めて一発で撮ってハイおわりみたいな。 だから台詞の聞きにくい箇所がかなりあ
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グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札(2014年製作の映画)

4.0

【たかが…映画…】


いったいどこまでが現実でどこまでが映画だったのだろう…

幾度も鏡に鏡写される「虚像」。 窓枠や部屋間開口越し構図多用による「フレーム内に納まる人物」の強調。 テラスから臨む外
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ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)

2.5

【決意を祝福するエグゾースト】


70年代的映像の色味と質感だとか、強烈なクローズアップが印象的な迫力あるレースシーンだとか、確かにそれなりには楽しめたのだが、やはりなんでもかんでも台詞で全てを説明
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

2.5

【ズゥビドゥビラパンパンな三時間】


顔の濃い出演者達が 露骨な表情演技とパントマイムを駆使し、ベタな友情物語を 歌い踊り騒ぎ ズゥビドゥビラパンパンし、「うまーく、いーく」を唱え続ける三時間。
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劇場版 HUNTER×HUNTER The LAST MISSION(2013年製作の映画)

3.0

【過ちへの悔恨と未来への希望】


[ジャンプ連載の少年漫画の劇場版]とゆう情報のみの原作未読予備知識ほぼ0の状態で臨んだが、それが良かったのか。 相当楽しめた。

人物相関等は大体解る程度だったが
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