みなみしまさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

みなみしま

みなみしま

映画(419)
ドラマ(0)
アニメ(0)

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.5

マッドマックスの「レメンバーミー」の方が良かった。

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

3.3

中盤以降、誰がなににどれぐらい困っているかがイマイチ不明なまま物語が展開するのでカタルシスはさほど感じられない。女性と海の満ち引き、球体の月、豊穣あたりの組み合わせはわりと伝統的に映った。あとはトトロ>>続きを読む

検察側の罪人(2018年製作の映画)

3.5

それぞれが作り上げたストーリーを信じて疑わない都合の良さによって、本作で展開する政治問題と戦後史のコラージュそれ自体も一つのストーリーに過ぎないと告発されてしまう日本社会を蔓延する二重の都合の良さを憂>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.4

夢のような時間に生きる麦と別れた朝子が亮平と被災地を何度も訪れる場面が重要。朝子は被災地と亮平の重なりに麦を見てはいないか。帰りの車内、朝子は案の定寝てしまう。なぜ、ごめんと謝るのか。それは束の間、麦>>続きを読む

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

2.0

「メアリと魔女の花」鑑賞。炎上、逃亡からメアリ登場までの落下4連発まではよかったです(開始20分?)その後は雑な展開で退屈。メアリの父母は?夜間飛行の由来は?フラナガンの過去は?(自らも変身させられた>>続きを読む

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

3.9

父親が突然リストラされるように貴は米軍に入隊し、母親が強盗に襲われるように健二はピアノの天性を見出される。それは現実も夢であるという夢想的な物事の連関ではない。私たちは善/悪の価値判断よりも手前で未然>>続きを読む

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

3.4

「夜空はいつでも最高密度の青色だ」底が抜けた街渋谷、男と女は90年代の残像だろうか。予見なく訪れる死のように世界は連関を失う。さながら無意味のスクラップアンドビルド。見れば分かる、最高密度の青色とは何>>続きを読む

そうして私たちはプールに金魚を、(2016年製作の映画)

3.8

映画『そうして私たちはプールに金魚を、』無意味を無意味として空転させることは若さの特権なのである。ではなぜ最後に彼女はカラオケルームで泣き出したのか。それは狭き街の青春が処女喪失によって?あるいは意味>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

3.4

だれも流れゆく時間に逆らうことはできない。

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

2.0

ぼくらのような頭空っぽの人が見ると、たのしくて、おもしろい。でも、それは高校や大学の学園祭の盛り上がりと同じ。それ以上でもそれ以下でもない。ただ、それがこの作品に求められている水準ではあるので、それだ>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

3.8

妙なテンポ感と終わり方はシャロンが死に際に見る走馬灯を思わせる。というのも構造上、売人になったシャロンはフアンと同じようこれから死を向かえることになるからだ。おそらく最後に触れた愛する人に呼ばれ、再開>>続きを読む

アナと雪の女王(2013年製作の映画)

2.5

余白のない教科書のような疲労感。完結した世界観の窮屈さに耐えられない。

FAKE(2016年製作の映画)

3.5

観客は画面に映る森達也と監督である森達也の二重の立ち振る舞いに敏感でなければならない。画面に映るものは佐村河内であれ、飼い猫であれ、すべて等しくフェイクであるが、森は特権的な振る舞いを見せている。
>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

抜群の色彩表現と巧みな言葉遊び。例えば、恋破れる秋はfall、キャストを勝ち取る冬はwin ter。圧倒的な冒頭はゴダールかロシュフォールか。ハリウッドへの中東資本の流入を仄めかすシーンもさりげない。>>続きを読む

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

3.5

シンプルで高評価。シンゴジラが天変地異に対応する官僚組織内部の話だとすれば、サバイバル・ファミリーは逃げ惑う市井の人々の話。それは電気インフラこそがナショナリズムというか国家意識を人々に発生させるから>>続きを読む

愚行録(2017年製作の映画)

3.8

これは悪ではなく、愚かさについての映画。一度目は悪として、二度目は愚かさとして。親は悪として、子は愚かさとして。
悪を悪と知りながらなしてしまう構造こそが愚かさなのだ。演技面で言えば、終盤、満島ひかり
>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.5

ドラン特有の顔のクローズアップはそのまま他者の顔の晒し合いが起きる家の絶望と憎めなさを演出する。その証拠に帽子を被ってきたルイは家に入れば顔を晒し、そして帽子を被り家を出て行く。帽子には物語的な必然性>>続きを読む

アルゴ(2012年製作の映画)

3.8

様々な伏線が物語のカタルシスに寄与しながら、華麗に回収されていく。全体に抑えられた演出にリアリティが浮上する。

カスパー・ハウザーの謎(1974年製作の映画)

3.9

イエスキリストの物語。ゴダール同様、マンテーニャの死せるキリストを思わせる構図も。

園子温という生きもの(2016年製作の映画)

3.4

冒頭、泥酔した園監督を撮る大島監督。大島新が園子温に映画とは何か、表現とは何かを学ぶ。修行のようであり、自己啓発であるような映画。

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

3.5

ビートルズを否定し、デュランデュランのMVに熱狂する主人公はそのままこのMVのような映画の観客に重なる。あのステージ前のエキストラは知らないバックトゥーザフィーチャーを観客は知っている。その意味で、私>>続きを読む

新宿スワンII(2016年製作の映画)

2.8

中野裕太を見に行ったが、期待通りの演技だったので、相変わらずでよかった。園子温が新宿スワンという商業映画、つまりあらゆる規制、要求の中で映画制作をすることは、自由制作であるひそひそ星との対で考える必要>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.8

「沈黙」鑑賞。原作通りに、イエスキリストの受難と自らの境遇を重ねる傲慢さと『カラマーゾフ』大審問官の問いかけに対する苦闘。映画的表現としては序盤の霧描写は異国の言語・文化の不透明さのメタファーになって>>続きを読む

MERU/メルー(2014年製作の映画)

3.5

映画「MERU」鑑賞。登山家には常識なのだろうが、エベレストが最難関の山ではないということ。そして何より彼らは自己実現とともに、失った誰かのために登るということ。それは生き残ってしまった人間の罪悪と贖>>続きを読む

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.7

綾野剛はもちろん、ラッパー、芸人など多ジャンルの俳優陣が光る良作。ミイラ取りがミイラになる基本的な構造。ピエール瀧のその後の消息について仄めかしがあるとなお良いか。