楽しい!テクニカラーの色彩が綺麗だ。イースターという春の晴れやかな祝日を題材にしているところが気分を浮き立たせる。冒頭のアステアがプレゼントを買う場面ですっかり引き込まれた。
ダンスと歌が満載。アス>>続きを読む
「リトルダンサー」でも出てきた有名なミュージカル映画。ロンドンで舞台化されて、昨年、来日公演したのを先に観た。舞台は舞台でとても華やかだったが、モノクロの映画も素敵だ。
楽曲が有名で馴染みがあり、楽>>続きを読む
恋するときめき、友情と羨望、踊る喜びを、せつなくもコミカルな演技と歌とダンスで綴る。
憧れの女性スターの相手役というビッグチャンスを、はからずも親友である相棒に、譲ってしまうことになる主人公(フレッ>>続きを読む
覚悟はしていたつもりだけど、手強い。オリヴェイラ監督が82歳ぐらいの時に公開された作品。
「精神を病む人の家」という表札が掲げられた美しい邸宅が舞台。アダムとイヴやイエス・キリストをはじめとする聖書>>続きを読む
17歳のマリアが端々しい。言葉が少なく、諦めなのか、悲しみなのか、 いつもどこか 満たされない表情を浮かべている。しかし、瞳に力がある。彼女の身体の内で燃え盛る熱いマグマを映し出しているかのようだ。>>続きを読む
実際にあった中国の児童誘拐事件を題材とした人間ドラマである。中国社会が抱える様々な問題を鋭く突きながらも、人の心を丁寧に、情感豊かに映し出す。カメラワークも巧みで、映像が胸に焼き付く。
冒頭に酷くこ>>続きを読む
エリザベス女王が週に一度首相に謁見して報告を受ける場面を描いた舞台劇。「オーディエンス」とは、謁見の意味であるそう。
20代で即位されてから60年。その間に12人の首相と謁見を続けてこられた。劇では>>続きを読む
二人が互いに惹かれ合う、繊細な心の動きを、丁寧に描写している。二人の鼓動が伝わってくるようで、胸が苦しい。ああ、恋をするって、こういうことだなぁと、忘れていた気持ちを思い出した。テレーズがキャロルに惹>>続きを読む
ユダヤ人強制収容所で、虐殺に関わる行為を囚人が担わされていることを知らなかった。何度か映画でも描かれているようだ。その任務を負う囚人たちを「ソンダーコマンド」と呼ぶ。数ヶ月ごとにメンバーが変わり、任務>>続きを読む
冷戦期に捕らえられたスパイの交換という、実話をもとにした重厚な政治ドラマであるのだが、ユーモアも織り交ぜられていて愉しませる。台詞が洗練されていて、肝心な場面では心揺さぶられ、随所で笑わせてもくれる。>>続きを読む
とても幸せな気分にしてくれる作品だ。脚本が洒落ていて、笑わせてもくれる。なんとも心地好い。
夫を弔ったばかりのマドレーヌと、長年勤めた仕事を定年退職したばかりで妻との関係がぎくしゃくしている息子のミ>>続きを読む
邦題は「悪党に粛正を」といかにも西部劇らしいのに、原題は「The Salvation(救済)」。Salvationは、とりわけキリスト教文化圏では聖書的な意味を想起してしまう単語であろう。復讐劇のタイ>>続きを読む
ネブラスカに行ったことはないが、アメリカの中西部の町を訪れたことがある。メインストリート沿いに、ほんの数ブロックだけの間に、銀行や郵便局やカフェが集まっている、こじんまりとしたダウンタウン。そして町を>>続きを読む
ぎゃああ。子どもの頃から、教会学校のお話しとして繰り返し聞き、親しみのある「ノアの箱船」の物語が、おっそろしいことに!!!
キリスト教界では、賛否が分かれていると聞くこの映画。具体的にどういう賛否の>>続きを読む
「それが結婚よ」
失踪した妻が怖い女であることは、観る前から既に耳に入っていて、映画の中でも割と早い段階で明らかにされる。後は、妻がどのように夫を追い込んでいくのか、夫がどのように抗うのかの展開を見>>続きを読む
日本公開時に人質事件で渦中だったアルジェリアを舞台とした映画。アルジェリアが舞台の映画は、おそらく初めて見た。やはり政治的、社会的に複雑な歴史を背負った国なのだ。アルジェリアに行く機会はないと思うので>>続きを読む
ウェス・アンダーソン監督ならではの奇想天外な世界に魅せられる。
正直なところ、ストーリーにはあまり入り込めない。登場人物の背景もよく理解できず、共感しづらい。それでも、錚々たる俳優陣が個性豊かな人物>>続きを読む
雪崩の場面を映像で観るまでは、男だって怖いのは仕方がないし、反射的に逃げたからって、責めるのは気の毒だと思っていた。だけど、映像で観てしまうと、こりゃぁ禍根を残すなぁと理解した。
雪崩にびびった夫が>>続きを読む
辛い話だ。ロシアの海辺の荒涼とした土地を舞台に、この世に普遍的な不条理を、容赦なく辛辣に描いている。終始曇天で映像は暗めだ。しかし、陰鬱には感じない。岸壁に打ち寄せる荒波、浜に打ち上げられた巨大な鯨の>>続きを読む
伝説と呼ばれるスターの伝記映画としては、きわめてオーソドックスなストーリーだと思う。華やかな人気を誇るスターが、実は果てしない孤独を抱えていた、などという話はよく耳にするし、幾度となく映画にも描かれて>>続きを読む
「人生を導くのは偶然だ。残酷さと思いやりと幻惑的な魅力にあふれている」。
邦題の通り、まるでリスボンに吸い寄せられるかのごとく、偶然と衝動に導かれて、初老の教師ライムントはリスボンを訪れる。ライムン>>続きを読む
映画が始まって早々に、チョルベンちゃんが海にどっぼーん。ヨーゼフみたいなでっかいわんちゃん、水夫さんが救出するのだが、ずぶ濡れのチョルベンちゃんがかなり重そうで、笑っちゃう。チョルベンちゃんの言う通り>>続きを読む
幼いころ、自転車に乗れないがゆえに、姉に置いてきぼりにされて悔しかった記憶がある。自転車は、私にとって、子どもの頃からおばちゃんとなった今も、行動の範囲を大きく広げてくれるとても重宝な「文明の利器」で>>続きを読む
男友達から「Undateable (非モテ)」と言われても、全然、へっちゃらのフランシス。だって、その言葉には、異性としてではないものの愛情がこもっているじゃないか。それに、フランシスが切実に欲してい>>続きを読む
タイトルから連想するような法廷劇というよりも、親子の物語だ、というコメントを観る前に見聞きしていた。観てみると、確かにそうだなと思う。けれども、やはり、ザ・ジャッジというシンプルなタイトルが、この映画>>続きを読む
1001グラム。実は愛おしくも切ない重さなのである。
キログラム原器を題材とした映画。滅多に考える機会もないシロモノであるがゆえに、とても興味深い。題材に合わせてか、精緻に計算し尽くされた映像が愉し>>続きを読む
いつか自分も孤独に死んでいくのかもしれない。それは、仕方がないことだと、死が現実味を持っていない今は思える。しかし、いざ、孤独な死が間近に迫ってくると、やはり、惨めな死に方は情けないとか、自分の人生は>>続きを読む
思っていた以上に切なかった。
もちろん一世風靡したスーパーヒーローの境地は想像するしかないのだけれど、誰しも人から認められたいし、愛されたい。なのに自分の存在なんか無意味だと思ってしまった瞬間がある>>続きを読む
ルディの歌声がたまらなくせつない。
♪Come to Me♪
母親が薬物保持で逮捕されて置き去りにされてしまったダウン症の少年マルコと、ゲイであることを隠して働く弁護士ポールにあてて、♪I need>>続きを読む
出生時の子どもの取り違えといえば、今の日本では「そして、父になる」(未見)が思い浮かぶが、「もうひとりの息子」は、同じ題材でも、民族、宗教、政治が絡み、より繊細で複雑なテーマを扱っているように思う。>>続きを読む
原爆で息子を喪った母親が主人公の物語であるのに、とても軽やかだ。もちろん、すさまじく凶暴な科学技術の産物に、一瞬で愛する者のいのちを奪われた憤りや悔しさもじんじんと伝わってくる。しかし、何よりも死んだ>>続きを読む
「わたしがこの子にやさしくすると、この子も他の人にやさしくなるの。だから、世界を平和にする、母親は偉大な仕事なのだ」
すてきな言葉だ(正確には記憶できなかった)。もちろん、世界を平和にすることは、そ>>続きを読む
ドイツとトルコを舞台に3組の親子の人生が錯綜する。
鍵となっているのがイスラム教の祭典の一つである犠牲祭。神の命令に従い、愛する息子を生贄に捧げようと、心を痛めながら山を登る父親の信仰を認めて、神が>>続きを読む
サッチャー政権下の炭鉱労働者ストライキ。彼らの闘いに共感した、同性愛者たちが、ストライキを支援することを思いつく。その柔らかな発想と、行動力に励まされる。
LGSM
Lesbians and Gay>>続きを読む
杉浦日向子さんの著作も読んだことがなく、アニメーション映画もほとんど観ないが、映像が美しそうであること、葛飾北斎の娘に興味を持ったこと、そして実写映画「はじまりのみち」が印象的だった原恵一監督の作品と>>続きを読む
クリスマスの時期にアメリカ人が家族で見る定番の映画として有名だけれど、初めて鑑賞した。善良な主人公が、窮地に陥るも、最後はめでたし、めでたし。大まかなストーリーはタイトルから想像した通りではあるのだが>>続きを読む