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本作の公開は1955年。戦後10年という節目の年であり、冷戦の影響もあって世界中で核に対する危機感が高まり始めたのもこの時期からだろう。こういった時流を日本の一家族の物語に落とし込み、正気と狂気とは何>>続きを読む
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恋愛をしない寅さんは初めて見たかもしれない。それでも今まで『男はつらいよ』シリーズが描いてきた人の温かみを今作からも存分に感じることができた。人は何のために生きるのか。それは生きていて良かったと感じる>>続きを読む
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『Happy Birthday』『ゴンドラの唄』。どちらのシーンも涙なしでは観ることができない。渡辺が死に向かっているにもかかわらず、活き活きしていく姿にどれだけ多くの人が勇気づけられただろう。世の中>>続きを読む
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昨日観た『幕が下りたら会いましょう』の監督の過去作ということで鑑賞。扱っている題材は悪くないものの、シナリオと演出にかなり難があるように感じた。
シナリオに関しては、登場人物たちが抱える嫉妬の描き方>>続きを読む
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なぜこんなにスコアが低いのか私にはわからない。私は別にアイドル好きでも何でもないが、単純にこの映画が好きである。何故かと問われれば、その問いに対しても私は「わからない」と答えるしかない。なぜなら、私に>>続きを読む
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本日観た4本の映画のうち偶然にも3本がミュージカル映画だった。どの作品にもそれぞれにそれぞれの良さがあるのだが、本作を観てディズニーがいかに質の高いミュージカルを作っているかが良くわかった。映画である>>続きを読む
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『Encanto』の上映前に流れた台詞のない短編アニメーション。久しぶりにディズニーの手書きアニメーションを観た。作画のクオリティの高さは今も健在で、初期のディズニー作品を思い出した。
子どもが親か>>続きを読む
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もともと観る予定だった映画と映画の間が2時間ほどあったので上映開始のタイミングも尺も丁度良さそうな本作を観賞した。正直あまり期待はしていなかったのだが、わりあい良くまとまっていた作品だったように思う。>>続きを読む
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ロンドン時代、幾度となく劇場の広告を目にした本作。ロンドンでは終ぞ観ることを知らなかったミュージカルを映画館で観る日が来るとは夢にも思わなかった。それだけに期待値はかなり高く、どれだけ面白いものかと観>>続きを読む
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前回にも増して味のある本作。往年の名画に出演してきた数々の名優たちが登場していることだけでも感動的であり、特に三船敏郎と淡路恵子の共演には目を見張るものがあった。
しかし、そんな名優たちが出演する本>>続きを読む
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物語と演出は面白いのだが、それ以上でもそれ以下でもないように感じた。私の中で理由は明確で、単に登場人物たちの言動(もちろん無言も言葉のうちだから、感情の仔細な変化も含む)の裏にあるモチーフの描写が弱い>>続きを読む
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賛否両論ある本作。個人的には恋愛をする無邪気な寅さんから恋愛を教える大人な寅さんへと変化していく過渡期を抜け、グッと作品に味が出た感じがして好きである。多くの過去作で登場した座長が亡くなったこと、タコ>>続きを読む
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うーん、いまいちどこが「素晴らしき」なのか良く分からない。ケシモクを吸わなくなったことで主人公の心情の変化、つまり戦争によって自らが貧しくなったことと向き合い、前を向いて生きていくことの決心を描こうと>>続きを読む
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本作、まずタイトルが好き。私の愛してやまない007シリーズの『ロシアより愛をこめて』から名を取ったということで、タイトルが出た瞬間から今回の話にも期待してしまう。
それに『二十四の瞳』のオマージュ。>>続きを読む
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一期一会。
誰と出会い、
何が起こるかなんてわからない。
だから人生は面白い。
今回はそう強く思える回だった。
寅さん自身が恋愛する色
みたいなものは薄れてきたけど
コーチに回った寅さんも面白いし>>続きを読む
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本日11月23日は樋口一葉の命日である。ちょうど原作のほうも読み終わり、頭の整理がついたところだったので、映画も観ておきたいと思い鑑賞するに至った。享年25歳。今の私と同い年で女流作家の大家となり、亡>>続きを読む
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顔は三枚目でも心は二枚目。
こんな言葉がこれほど似合う男もいない。考えてみればこういう味のある演技をできる役者って本当に少なくなった。誰もが二枚目ばかりを目指して、結局二枚目にはなり切れず、中途半端>>続きを読む
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地の映像はドキュメンタリー調で長回し、一方の劇中劇は細かくカット割りしハリウッド風に。本作は映画を愛してやまない映画監督による、映画に関する映画である。撮影現場や撮影期間中のトラブルなど、多少の誇張は>>続きを読む
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雨のシーンも多く、どこか湿っぽい雰囲気の今回。満男の進学や朱美の結婚、、どうしても年月があまりにも早く過ぎていくのを感じずにはいられない。それは寅さんも例外ではなく、いつからか物語の中心は寅さん自身の>>続きを読む
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全編、吐き気との闘い。昨日オリジナル版を観たからか、まだそのシーンにもなっていないのに性描写に暴力描写がフラッシュバックし、心拍数が上がりっぱなしだった。流石に観賞後は疲れで身体がフラフラである。>>続きを読む
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本作はありのままに生きようとするひとりの少女(「ありのまま」と言っても、エゴイズムとすり替えて使う者の多い「ありのまま」とは全くもって性質が異なる)と、それを全力で支えようとする家族の物語である。「人>>続きを読む
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作品の雰囲気もさることながら、その質においても初々しさの残る映画だった。言い換えれば、良いところと良くないところが混在しているため作品にムラがあり、そこが他のレビュワーの方も指摘している「ツッコミどこ>>続きを読む
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時系列の倒錯や映像の編集が作品の捉え方にどのような影響を与えるかの勉強を兼ねて、STRAIGHT CUTとオリジナルカットを観ることにした。性描写や暴力描写の多い作品は観て良い思いをしたことがないから>>続きを読む
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本作を観て、Artistは職業でも生きる糧でもなくて、生きることそのものなのだとつくづく感じた。作品を作っている間は辛く、苦しく、嫌で嫌でたまらない日々が続くのだけれど、作品が世に届いた瞬間また作りた>>続きを読む
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なんか今回は寅さんの恋に加えて、肉親同士愛するがゆえの喧嘩、若者たちの淡い恋などなど、このシリーズの良いところがてんこ盛り。「寅さん、駅まで送ってって」このショットには本当に痺れた。
それに今回もタ>>続きを読む
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元来、はぐれ刑事モノの作品は好きなのだが、どうも本作は肌に合わなかった。法の正義を振りかざす権力者側と人間としての正義を振りかざすはぐれ刑事側。ふたつの矛盾する正義がぶつかるのはお決まりのパターンだが>>続きを読む
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退屈の一言に尽きる。
とある殺人事件を
きっかけに生まれる愛。
殺してしまいたいほどに
愛するふたり。
それでも理性が
ふたりを盲目にさせない。
愛に対する価値観がありきたりゆえに、本来であれ>>続きを読む
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今回は寅さんの恋模様というより、寅さんとはるみの孤独が際立っていたように思う。寅さんは誰をも愛し、誰からも愛されるが、どこか満たされない孤独な存在である。それは、はるみも同じであり、そのふたりが旅先で>>続きを読む
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霧の立ち込める蜘蛛巣城址。ひとたび晴れれば、かつての城が立ち現れてくる。そこで起こった栄枯盛衰の物語が描くのは、人間の欲望の恐ろしさと愚かさだった。William Shakespeareの戯曲『Mac>>続きを読む
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なんか今回はいつもと違って
艶っぽくて湿っぽい、
大人な寅さんを観た気がする。
まさに紫陽花の季節にふさわしい。
紫陽花と言えば「移り気」だとか
「団欒」といった
花言葉があるとのこと。
これま>>続きを読む
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久しぶりに観直した。映画の仕事を始めてからはまだ観たことが無かった。しかし、こうして観てみるととんでもない映画である。鬼も逃げ行く人間の狂気。美しくもあり、醜くもある。見方をひとつ変えるだけで、意味が>>続きを読む
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こういう映画、嫌いじゃない。ラブロマンスを軸としながら、脱走兵の主人公から見た生きることの苦しさが重厚感たっぷりに描かれている。
本作が描こうとしたのは「愛することとは何か。愛されることとは何か」と>>続きを読む
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大学院時代の卒業制作として作られた本作。頑張っている同世代のパワーをもらおうと劇場に足を運んだ。しかし、私が苦手な黒沢清の影響を受けているだけあって、本作の画作りもまた自分の肌に合わないものだった。特>>続きを読む
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映画というと主人公たちが何をするのか、なぜそれをするのかという「過去」を描くのが定石だが、本作は今その瞬間に起きていることを描こうとする映画にしては珍しいタイプの作品だ(こういう作品は演劇の世界で「不>>続きを読む
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全体的にあっさりしている印象。
でも最後のシーンは泣けたな。
妹を愛する兄。
兄を愛する妹。
自分にも妹がいるから
兄が妹を心配する気持ちは
本当によくわかる。
最近は家族じゃないとか言うけど、>>続きを読む
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やはり女性にとっての幸せを問うた成瀬の映画は絶品である。夫婦の間における幸せと自分自身の幸せ。現代であれば同じものなのかもしれないが、当時の結婚の仕方、女性の生き辛さからすれば、もって異なるものだった>>続きを読む