一さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

一

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二十歳の息子(2022年製作の映画)

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男が引越しをしている。新居は古そうな2DKのアパート。男は東京拘置所を訪れる。そこに勾留されていたらしい青年と2人で新しい家に帰宅する。青年・渉は児童養護施設で育った孤児であり、男・網谷はゲイであり、>>続きを読む

夜はいじわる(1961年製作の映画)

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おもしろーい。老舗鰹節問屋の長女・山本富士子の所謂“恋とのれん”型ラブコメ。番匠義彰特集以来こういうの大好物なので嬉しい。お相手役・船越英二の全然なびかなさそうなかんじもいいけど、密かにお富士を想う営>>続きを読む

ドコニモイケナイ(2011年製作の映画)

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観ている間ずっと心がざわざわする。この映画の主人公である吉村妃里のなんだか嘘っぽい明るさ、彼女がアカペラで歌い上げる「元気でいこう~」という自作曲の薄ら寒さ、自分が主人公として映されていることの喜びが>>続きを読む

地獄の刺客(1962年製作の映画)

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傑作。島流しの囚人70人を江戸から佐渡へと護送する一種のロードムービーなのだが、序盤からものスゴいテンポで話が展開するし、次から次へとアクションが押し寄せ、敵と味方の境界も無いままにものスゴい勢いで人>>続きを読む

スーパードキュメンタリー前衛仙術(2003年製作の映画)

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素晴らしい。金井勝のアイドル性の高さを思い知らされる。金井勝の映画は元気が出る。

王国(1973年製作の映画)

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2021/2/7
『王国』金井勝
めっぽう観念的だが、物語としては実は一貫している。時間に閉じ込められた男が、学び工夫し、クロノスから時間をスリ抜く話。ただその論理が大胆(乱暴)すぎるだけなのです。何
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の方へ、流れる(2021年製作の映画)

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徹底して非感情的な台詞回しによる男女の散歩会話劇。しかもそれを演じるのが唐田えりかなわけで、竹馬監督は濱口病にでもかかったのかと思わないでもないけど、プルースト『失われた時を求めて』から始まる、ロマン>>続きを読む

今、僕は(2007年製作の映画)

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23歳の監督第一作。撮り方もテーマも、言ってしまえばほとんどダルデンヌ兄弟の模倣なんだけど、20歳引きこもりニート青年(監督自身が演じている)が主人公なわけで、10代後半から20代前半を引きこもりニー>>続きを読む

愛の三分間指圧(1968年製作の映画)

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なにやらTV番組の撮影をしているとおぼしきスタジオで、浪越徳次郎大先生が延々と指圧のやり方を説明してくれる実用的映画。かなり挑戦的な、というか趣味の悪い企画には違いない。全裸のマリリン・モンローに指圧>>続きを読む

性生活の知恵 第2部(1961年製作の映画)

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2倍はホームドラマ仕立てになっていてそれなりに見ていられる。

性生活の知恵(1961年製作の映画)

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大映プログラムピクチャーのハウツー本映画化路線。地味な役者しか出てこない、夫婦・恋人のセックスにまつわる小話のオムニバス。松村達雄のナレーションが無駄に味わい。

2022/11/21
井上芳夫『銀座
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名づけてサクラ(1959年製作の映画)

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主人公サクラは米黒人と日本人の混血児(劇中では半クロとも言われている)で、会ったことのない産みの母に会おうと、孤児院からもらわれていったアメリカの養父母の元を逃げ出して一人で日本に密入国する。ガッツあ>>続きを読む

感傷夫人(1956年製作の映画)

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おちんちんのせいで誰も幸せになれない王道メロドラマではあるが、流石にどうにかこうにかしてほしいので、ラスト、宍戸錠と香月美奈子の結婚披露宴に身重の北原三枝が乱入してハイヒールで安井昌二を踏み殺していた>>続きを読む

東京の人 前後篇(1956年製作の映画)

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子連れ再婚家庭のホーム&メロドラマ。父は失踪、母は若い医者とデキちゃって、娘&息子はそんな両親に幻滅して家を飛び出す。一度一家が離散したら最後には綺麗事風ハートウォーミングにまとめてもいいような気がし>>続きを読む

危険な関係(1957年製作の映画)

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冒頭から梅次監督のスピーディー&洒脱な演出。そして月丘夢路のバカみたいなサングラスも梅次みがあって◎。ドンファン金子も柳沢・マン・真一もセックスドクター三崎千恵子も良いキャラしてるけど、北原三枝が今ま>>続きを読む

青春の気流(1942年製作の映画)

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日米開戦後という厳しい時期の作品とはいえ、主人公が技術者(旅客機の設計士)であることが、結構普遍的なモノ作り映画としてこれを成り立たせている。それ以上に特に捻りの無いラブストーリーでもあるのだけど、好>>続きを読む

喜劇 男は愛嬌(1970年製作の映画)

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新宿芸能社シリーズの『喜劇 女生きてます』では橋本功が家内をスッチャカメッチャカに破壊し、『女生きてます 盛り場渡り鳥』では山崎努が大黒柱をガシガシ揺すって家自体をぶっ壊そうとしていたわけだが、それら>>続きを読む

断絶(1971年製作の映画)

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劇場でかかるとなったら観に行かないわけにはいかないだろう。『コックファイター』とは対照的に、車のハンドルを握りながらあることないことベラベラ喋り倒す道化役のウォーレン・オーツ。寂れたスタンド(この映画>>続きを読む

運河(1958年製作の映画)

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売れない絵描きの金子・ヒモ・信雄と月丘・女社長・夢路というアンバランスな夫婦と、夢路にとっては義娘の浅丘・ちゃっきり・ルリ子。夫婦&母娘モノとして、なさそうで実はあったキャスティングの妙が抜群である。>>続きを読む

人情馬鹿(1956年製作の映画)

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キャバレー歌手・角梨枝子に入れあげて詐欺横領を働き捕まった男を救うために、その女自身が何の言われもなしに奔走する。男に好意があるのか、責任を感じているのか、ただ彼女が口にするのは「良いことがしてみたい>>続きを読む

ソングス・フォー・ドレラ 4Kレストア版(1990年製作の映画)

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ルー・リードとジョン・ケイルが出会ったことの奇跡に感謝ですマジで。ウォーホルを介して再び出会い直した二人の演奏はひたすらストイック。無観客のホールのステージ上、鍵盤越しにリードを眺めるケイルと、ケイル>>続きを読む

喜劇 女の泣きどころ(1975年製作の映画)

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2回目。ストリッパー映画の、そして女性バディ・ムービーの傑作です。同じ男に惚れて同じように捨てられて同じときに同じ場所で自殺未遂して同じ救急車の中から始まった二人の旅。強いわけでもズルいわけでもなく、>>続きを読む

ノベンバー(2017年製作の映画)

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無機物に魂が吹き込まれ、死者は肉体を持って蘇り肉を食う。疫病が人間の姿をして現れ、人間は狼に変身する。霊と魔がナチュラルに混じり合う奇怪なマジックリアリズムの世界で、出てくる人間たちが、昔の松竹映画に>>続きを読む

すれすれ(1960年製作の映画)

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もっと下品に露悪的に罰当たりなスケコマシの話にしてくれてたら「夜の青春シリーズ」っぽくなりそうだけど、これではぬるい…ぬるいぞ…。川口浩は辰っちゃんよろしくがんがんモノローグで喋ってたけど。ただ弓恵子>>続きを読む

楽日(2003年製作の映画)

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受付係の女(チェン・シャンチー)が映写室に桃饅頭を届けに行くとき、技師(リー・カンション)の姿は映らない。女が再び映写室を訪れたときも、そこに技師はいない。上映中に起こる2人のディスコミュニケーション>>続きを読む

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

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ポストモダン小説の傑作とされているデリーロの原作を読んでから観たかったけど、刊行予定の新訳はまだか?他人の原作であっても中年の危機と夫婦と家族についての物語を描き続けるのは相変わらず、しかしバームバッ>>続きを読む