otomさんの映画レビュー・感想・評価 - 69ページ目

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雨月物語(1953年製作の映画)

4.8

久々の鑑賞。欲深さから生まれる天国と地獄。現代にしっかり通じている古典であり、実に素晴らしい。しかし京マチ子は妖艶な役が良く合う。傑作。

吶喊(とっかん)(1975年製作の映画)

4.3

ようやくの鑑賞。敵の様な味方の様な君と僕。なんとも爽やかな戊辰戦争最中の性春。重苦しい題材なのに岡本喜八のテンポのお陰か実に気持ちが良い。ついでに“赤毛”が観たくなってきた。更には千波恵美子なる女優さ>>続きを読む

アメリカの友人(1977年製作の映画)

3.8

何故か観てなかった作品。殺しの後のブルーノ•ガンツとデニス•ホッパーの清々しい事。お断り申し上げる友情の形もあるもんだと感心してしまう。ニックス•ムービーの先に観ておくべきだった。傑作。これで31歳か>>続きを読む

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

4.6

久々の鑑賞。混乱の沖縄。新藤兼人脚本だからか、岡本喜八色はやや薄い今作。しかし混沌とした沖縄の歴史を垣間見るには十分である。日本人ならば、そこらの戦争映画を観るより今作を観るべきである。天本英世の台詞>>続きを読む

人魚伝説(1984年製作の映画)

4.0

やたらダイナミックな作品だった。原発誘致のゴタゴタに巻き込まれて殺された旦那の復讐をする海女•白都真理。主導権とりまくりの水中戦はまさに人魚の如く。そして同情心も吹っ飛ぶキ印認定レヴェルの無差別殺人は>>続きを読む

ツイステッド・ナーブ 密室の恐怖実験(1968年製作の映画)

3.6

このご時世で上映するには色々と問題ありな一本。生い立ち故の悲劇性をかなり訴えてくるが、それと同時に精神博弱を装う主人公のクズっぷりが実に不快である。障害者と健常者の境はなんだろねと考えてしまう映画。良>>続きを読む

ヒドゥン(1987年製作の映画)

3.6

Twin Peaksのボブ+クーパー然り、カイル•マクラクランって男はどーも憑依系が似合います。グロ注意なエイリアン(見た目は人)がカーチェイスにガンアクションと大活躍。このグロエイリアンはフェラーリ>>続きを読む

の・ようなもの(1981年製作の映画)

4.0

久々の鑑賞。最後まで淡々と進んで大した山場もなく終わっていく作品。まだ何者にもなりきれていない若者の宙ぶらりんな状態が良く分かる。共感しちゃいけない歳だが共感してしまう。ジャンゴ•ラインハルトが流れる>>続きを読む

いんちき商売(1931年製作の映画)

4.3

観る物がなかったので、DVDボックスを引っ張り出してきて鑑賞。水が流れかの如く実にスムーズに動く。ネイティブばりに英語が分かればもっと楽しめる筈で、それだけが残念。しかしハーポはいつ観ても完全に変質者>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

5.0

2023年3月27日
序盤の“Can't Take My Eyes Off You”大合唱のとこが見たくて。ロシア系がアメリカ国民として代理戦争に赴くって云う設定からして絶妙。で、かつての日々は失われ
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ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)

3.5

ついつい鑑賞。突っ込みたい所は山程あるが、普通に術中にはまってウルっときちまった。完全に“北の国から”化してますね。訛りの抜けない堀北真希は至高。

ガタカ(1997年製作の映画)

4.5

久々の鑑賞。生まれながらにして不適正者の烙印を押されても不可能を可能にする男•イーサン•ホーク。かっけぇ。喝采を受ける12本指のピアニストも非常にアクセントになっている。“僕に何ができるかを決めつける>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.0

ここまでハンク•ウィリアムズが流れまくるとは思わなかったが、作品に非常に合っている。キューブリックばりのシンメトリーとやたら明るい色合いのウェス•アンダーソンワールドで安心して鑑賞できました。断面図を>>続きを読む

さよなら子供たち(1987年製作の映画)

4.5

最近で云えばエヴァQばりのピアノ連弾と少年たちの笑顔が暗く寒い冬に輝いている。この場合よ見ちゃいけないのに見てしまう子供の描写はなんとも辛い気持ちになる。派手な演出なしに淡々と物語が進み、最後の再び出>>続きを読む

ポーキーズ(1981年製作の映画)

3.7

くだらねー。American Apparelみたいな格好をした欲望まみれの男子高校生どもが終始いきり立った一本。下ネタ連発の末、酷い目に遭わされた“ポーキーズ”に陽炎座ばりの仕返しを敢行し、意外と良い>>続きを読む

ニックス・ムービー/水上の稲妻(1980年製作の映画)

3.8

久々の鑑賞。死期の迫ったニコラス•レイを現実とフィクションが入り乱れた映像で見せるかなり重い一本。病の苦痛を目の当たりにして、自らを責めるヴェンダース。“出口”を求め続けた映画人2人の答えは、“映画は>>続きを読む

悲しみの青春(1971年製作の映画)

3.5

穏やかな庭の世界からジリジリと暗い時代になって行く。テンポが自分にはいささか合わなく、“ひまわり”程の衝撃がなかった。が、ヌードシーンのドミニク•サンダの強烈な目力には参りました。これは繰り返しちゃイ>>続きを読む

夏の妹(1972年製作の映画)

4.0

俺の妹がこんなにxxなわけがないって事で、微妙な家族関係と本土復帰後の沖縄をテーマにした一本。個人的には栗田ひろみより、超天使りりィの方が好き。本土人•殺される側の殿山泰司と沖縄人•殺す側の戸浦六宏と>>続きを読む

恋の罪(2011年製作の映画)

4.3

ようやくの鑑賞。いやはや、圧倒的なお下品さ。汚い中で時折流れる美しいマーラーの調べは非常に印象的。園子温監督の様な清々しいまでのストレートな表現をできる人もなかなかいない気がする。カフカ的なラストもニ>>続きを読む

ああ爆弾(1964年製作の映画)

4.2

久々の鑑賞。伊藤雄之助の顔芸と岡本喜八の鬼編集の一本。狂言や念仏でこれだけのリズムが生み出せるのは凄い。が、他の作品に比べると後半にやや失速する気がしなくもないが、面白い事には変わりない。バキュームカ>>続きを読む

コニャックの男(1970年製作の映画)

3.6

フランス革命を駆け抜けて最後は皇帝にまでなってしまう、ベルモンドな訳だが、ドタバタの緩急がないせいか、観ている間にちょっと飽きてしまった。が、細かい所で面白い所も沢山あった気はする。

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

5.0

先日の肉弾に続き久々の鑑賞。今作の裏で肉弾だと思うと尚更、岡本喜八の凄さを感じる。現在の日本がある事と宮城事件のこの一日の出来事はまさに歴史の重さそのものを感じさせる。しかしこの頃の東宝はとんでもない>>続きを読む

マイ・マザー(2009年製作の映画)

5.0

どうにも上手くやっていけない思春期のイケメン息子と母親のお話。黒歴史感MAX。息子と母親のリアル過ぎるフラストレーションの描き方が絶妙過ぎる。劇場未公開なのが納得できない程、良い作品。

肉弾(1968年製作の映画)

5.0

2021年9月18日
久々。世にもドラマチックな因数分解と索漠の図。細部に至るまで隙なし完璧。

2013年1月26日
一生のうちに何回観るのだろうってくらい岡本喜八作品の中でもダントツで好きな一本。
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恋人たち(1958年製作の映画)

4.7

まだマモー化していない美しいジャンヌ•モローがひたすらアンニュイである。倦怠から抜け出したとしても何やら色々とスッキリしないご様子。確かに実際はこんなもんなのかもしれない。若干26歳で人間の微妙な心理>>続きを読む

東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語(1970年製作の映画)

4.0

久々の鑑賞。ひたすら描写される東京の風景、そして無名の役者(棒)。一時代の挫折者達の虚無感と言ったらない。何だかホラーな話の筋で武満徹のサイケな音楽も良く合っている。レクイエム感は半端ない一本です。良>>続きを読む

サロメの季節(1984年製作の映画)

3.7

何だか良く分からんが、色々と強烈な一本であった。最後には麻痺しちゃって有難くもなんともなくなるヌーディストビーチでの一夏の出来事が描かれている訳だが、話の筋よりも豪快にぶった切られる音響効果やカメラワ>>続きを読む

斬る(1968年製作の映画)

5.0

2023年3月21日
久々。脂の乗ってる頃って具合でテンポも隙も申し分ない感じ。砂埃から始まり、荒廃したあれやこれを染み渡らせるかの様な雨で終わらせる素晴らしい出来。色んなタイプの『斬る』宣言がなされ
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黄線地帯(イエローライン)(1960年製作の映画)

3.5

色々面白かった。バラバラの要素が繋がりそうで繋がらず、そして繋がり最後はカオスな展開に。やっぱり石井輝男は狂っとる。昭和がてんこ盛りの良作です。しいて言えば殺し屋稼業の素質がゼロな感じの天知茂の存在が>>続きを読む

U・ボート(1981年製作の映画)

5.0

10年振りくらいの鑑賞。数ある兵器の中で潜水艦と云う地味な題材ではあるものの、それが気にならないくらいに良くできている。これでもかと閉塞感を表現した映画であるが、浮上した時の開放感はさすがにファルコン>>続きを読む

私が、生きる肌(2011年製作の映画)

4.5

ようやくの鑑賞。予想の斜め上を行く凄い作品。アルモドバル監督お馴染みのモニターシーンもしっかりある。登場人物間の拒絶と受容を軸にタブーの世界をほじくり返す。傑作。

ゴールキーパーの不安(1971年製作の映画)

4.0

久々の鑑賞。殺人を犯したゴールキーパーがぶらぶらと逃亡している映画な訳ですが、人の心理ってものは他人からはなかなか見えないもので、ゴールキーパーの心理とは裏腹に淡々と描かれる日常的な風景は殺人などなか>>続きを読む

きっと ここが帰る場所(2011年製作の映画)

4.3

ロバート•スミス風のメイクをしたシワシワゴスなショーン•ペンが引きこもり生活から亡き父親の敵討ちでナチスの残党を狩りに行くロード•ムービー。ハムラビ法典ばりの復讐劇を果たした末のコレじゃない感で最終的>>続きを読む

カストラート(1994年製作の映画)

4.3

久々の鑑賞。一応、実話らしいですがやっぱり創作な部分が多いのでしょうね。ハンデを負った者同士のシンパシーを演出する少年や要所の場面展開など良くできている。失神レベルのアイドル映画と考えるといささか軽い>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

4.5

久々の鑑賞。カフカの“城”を彷彿させる人間的に融通の効かない未来のお話。主人公の夢に見た自由の結末はなんとも切ない。威圧感ありまくりの美術は、リドリー•スコットが手掛けた昔のAppleのCMの様。個人>>続きを読む

火の森(1970年製作の映画)

3.9

やたらイケメンのレイモンド•ラヴロック主演のサイケホラー!!!な一本。自由を求める若者が最後には自由を放棄してしまい、笑撃のラスト。世の中には色んな魔力があるのでしょうが、やっぱり色仕掛けが最強な様で>>続きを読む