jocxさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

jocx

jocx

映画(746)
ドラマ(0)
アニメ(0)

市民ケーン(1941年製作の映画)

3.5

アメリカではこの映画はベスト1の映画ということで、今まで観たことがなかったので初鑑賞。モノクロの映像とラストの「薔薇の蕾」には心にくるものがありました。内容は分かりやすく、オーソン・ウェールズの鬼気迫>>続きを読む

ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)

3.8

この映画は子供向けということで安心して観られた。しかし、父親がナチスから追われているので、いつ捕まるか分からない緊迫感はあった。主人公が子供の頃読んだ『おちゃのじかんにきたとら」の絵本作家だったとこの>>続きを読む

パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

3.7

調香師(パフィーマー)という仕事、香水だけ見ると、とても華やかに見えるが、それだけではない。華やかなのは一握りで、別な角度から見れば匂いを嗅ぎ分けたり、時には嗅ぎたくないものを嗅いだりしなければならな>>続きを読む

劇場版 奥様は、取扱い注意(2020年製作の映画)

3.8

テレビシリーズからの続編、このPanasonicコンビはとても息があって面白い。やっぱり2人のアクションシーンが見どころ。新たなキャラクターも出てきて、テレビシリーズで第二弾をやる感じ。話の内容はあり>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.2

予告を観て面白そうで、このメンツなら何かありそうだと思って観ました。私はとても楽しんで観ました。一番の騙されは、もうこれでラストだろう!と思った時、なかなかラストに辿りつかない事。おもちゃを取られたま>>続きを読む

MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.8

遅ればせながら長澤まさみさんのアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞後の鑑賞。心が騒つく作品、特に母親ならこれほど「女」に固執できるのかと、情けなく悲しく、そしてイラつく。そんな誰からも嫌われそうな女性秋子>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.7

成田凌のカメレオン俳優ぶりには驚かされる。今度はこうきたか…と彼の演技を観ているだけでも楽しい。台詞や設定は面白く「普通」という言葉が何度も出るが、果たして「普通」とは何ぞや?と己にも問いかけてみる。>>続きを読む

朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

河瀬直美監督らしい自然と心の揺らぎが一体化した映像、それと私たちが表面しかなぞっていない出来事を、私たちの心の機微にそっと届ける。もともと辻村深月さんの原作だが、それを身近にしてくれる。派手ではないし>>続きを読む

ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

3.9

予告を観て面白そうだと感じたし、春馬が出でいるなら観なければ!と行きました。コミックを知らなかったので、ある意味想像を裏切られた作品でした。正直、もっとコメディ要素が強いと思っていたので、冒頭のシーン>>続きを読む

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)

3.8

医食同源という言葉がピッタリの映画。食事は体だけでなく心も豊かにする。中国人のチェンとフィンランド人のシルカ、国籍も環境もまったく違う2人が、かけたものを補うように、お互いを必要とし、思いやる。そして>>続きを読む

ステージ・マザー(2020年製作の映画)

4.0

母親ってなんて凄いんだろう、と思う。自分の息子を理解することなく死なせてしまった事は一生彼女が背負う十字架なのだろう。そのかわり、息子と同じ境遇のドラァグクイーンの人たちに寛容と慈愛で親代わりになる。>>続きを読む

43年後のアイ・ラヴ・ユー(2019年製作の映画)

3.5

年を重ねても忘れられないものがある。そしてそれには優しく寛容になれる。殆どプロモーションで想像通りなのだが、往年の名俳優がコミカルで、淡々と演じている。若い人には優しさを壮年には希望を与えてくれる映画>>続きを読む

スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(2019年製作の映画)

3.9

政府のマニュアルだけが正義のような、何処の国でもある事実を知ることになった作品であった。プロモーションではもっとコメディに近いと思っていたが、実際は想像以上に過酷な作品であった。もちろん、面白く描いて>>続きを読む

シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!(2018年製作の映画)

3.9

全国で長く演じられている舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』それがどのようにしてできたか?初日まで三週間という中でのドタバタ劇、ワガママ女優に借金塗れの主演俳優、口うるさいスポンサー、しかし、幕が上がっ>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

3.7

全体的に面白い作品だった。登場人物同様、出演者も松坂桃李中心に仲が良さそうな感じが伝わってきた。オタクの世界観や当時のモーニング娘のアイドル人気がよく分かり、その時代を生きていてもその世界を知らないと>>続きを読む

ニューヨーク 親切なロシア料理店(2019年製作の映画)

3.6

たまにどうしてこんな邦題にしたのか?と思うことがあるが、これもその1つである。原題『The Kindness of Strangers』直訳すると「見知らぬ人の親切」なのだがよっぽどこの直訳の方が納得>>続きを読む

ファーストラヴ(2021年製作の映画)

3.6

予告と番宣と役者で、かなり期待して観たのだが、原作も読んでいなかったので、何も知らずに観た。想像したより根深く、個人的にあまり気持ちは良くはなかった。幼少期のトラウマや父親との関係性、母親への想い、自>>続きを読む

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

3.8

真っ先に一人暮らしの母のことを思った。映画から伝わってくる老女の寂しさ。それを田中裕子(桃子)が背中で見せてくれる。人と触れ合いたいけど、自分自身の意地なのか、なかなか距離感が掴めない。若い頃の桃子が>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.2

『すばらしき世界』このタイトルに触れた時、サッチモが歌う『Wonderful world 』を思い出した。刑務所にいた年月、取り残された自分、しかし空は広く青く、星は美しい。なのに世間はこんなにも無情>>続きを読む

ブリング・ミー・ホーム 尋ね人(2018年製作の映画)

3.8

子どもの失踪、しかも何年も。どんな思いなんだろう。必死で探す夫婦、それに漬け込む輩。夫まで亡くしたこの母親を心配し、同情するふりをしている義弟夫婦。職場での軽い発言、みな人ごとだ。その中で最悪な人間た>>続きを読む

ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)

3.9

後からじわじわと沁みてくる作品だった。その時代にある闇や障害、特にナチス政権下での美しい叔母が少年クルトに教える芸術の素晴らしさ、そしてその叔母が精神を患った末路。命を扱う産科医が出産を左右する手術を>>続きを読む

海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

3.6

大林宣彦監督の遺作ということで思いの詰まった作品です。争いごとの大きい小さいなんて関係なく人を貶め命を奪い合うことはいけない。ましては何も関係ない人が巻き込まれる戦争、恐ろしいのは強い者、立場の上の者>>続きを読む

喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

3.4

このキャラクターに尽きるのかもしれない。情け無い夫と強気な妻、とにかくパワーが凄いのだ。あのスレンダーな水川あさみが、どこにでもいそうな、だらけた身体の妻を演じている。そして罵声のオンパレード。チャン>>続きを読む

名も無き世界のエンドロール(2021年製作の映画)

3.5

匂わせの強い映画なので、どこに着地点があるのか楽しみだった。過去と現在を行き来して、ラスト20分のどんでん返しは想像がついてしまった。ストーリー的にはありがちだけど、親の愛を知らなかった子供が精一杯寄>>続きを読む

さんかく窓の外側は夜(2021年製作の映画)

3.5

全体的に明確に色で識別されている。まるでお葬式のような世界、そこにある異質な赤、心の闇が映される世界線。霊を見る三角、除霊師の冷川、不思議なヒウラエリカ。それなりに楽しめた。消化不良の部分は次回持ち越>>続きを読む

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.6

愛情の形は人それぞれだけど、こんなにも形が変わっていく愛は、時に残酷な程美しい。大倉忠義演じる大伴恭一が情けないほどずるく、成田凌演じる今ヶ瀬渉が色っぽく悪魔的である。BLは苦手な分野だったけど、こん>>続きを読む

マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

4.8

辞書を作る作業はどの映画を観ても大変だということが分かるが、日本統治下で、日本語しか話せない状況であると、尚更だと思う。字を読み書きできることは生きる力を持つことで、書けることで思いを伝えることができ>>続きを読む

どん底作家の人生に幸あれ!(2019年製作の映画)

3.3

チャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・カッパーフィールド』の話しなのだが、自身の朗読から始まり、とても早いテンポで進む。特徴ある人物とイギリスの労働者階級の背景がよく描かれている。ただ、映画のコンプ>>続きを読む

約束のネバーランド(2020年製作の映画)

3.3

アニメを実写化する時にどれだけ寄せるかがポイントだが、今回は北川景子のママイザベラと渡辺直美のシスタークローネはよかったけど、浜辺美波は年齢的に無理があったと思う。原作より年齢を上げたが、ノーマンとレ>>続きを読む

おとなの事情 スマホをのぞいたら(2021年製作の映画)

3.5

全体的に面白く、役者も違和感がなかった。ほとんど一室の撮影なので舞台を観ているようだった。この7人が集まる理由が災害なのだが、気薄で物足りなさを感じてしまう。思い出話しで終わってしまうには、あまりにも>>続きを読む

博士と狂人(2018年製作の映画)

4.0

『博士と狂人』題名の通り、ここにいる博士は実は狂人と紙一重なのかもしれない。辞書編纂に全てを犠牲にしているマレー、殺人者で精神疾患のウィリアム。言葉を通じて2人の友情が深まる。そして精神疾患故に殺して>>続きを読む

新解釈・三國志(2020年製作の映画)

3.5

少しでも三国志の好きな人は、本気で観ない方がいい。福田雄一作品を観に行くのなら、それはそれでありだと思う。今回はこれだけの役者を揃えていたが、あまり笑えなかった。福田作品の笑いに慣れたのか、プロモーシ>>続きを読む

天外者(2020年製作の映画)

3.9

五代友厚という日本経済の礎を築いた人間を知ったのはそう昔ではない。当時、破天荒な考えを持ったこの男を三浦春馬が演じる。どのように演じるのか?大刀廻り、表情、やっぱりこのひとの笑顔は最高だ。映画の内容は>>続きを読む

ザ・プロム(2020年製作の映画)

4.0

このキャストでこのクオリティー、とても楽しく見られました。ミュージカル好きには堪らないです。gleeを踏襲しているので、馴染みがある人はジリジリのベルが懐かしい。そしてLGBTQを主題とした問題。そし>>続きを読む

赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

3.6

目に見えることが全てではないことは政治の世界では当たり前だが、こんなにも中央と地方が違うのはないだろう。方や贅沢をし、酒池肉林三昧、そして雪に覆われた地方ウクライナでは人の道に外れた日常、遺体を食べた>>続きを読む

剣の舞 我が心の旋律(2019年製作の映画)

3.6

芸術に政治が絡むと失われるものも多いが、生まれて来るものも素晴らしい。有名な「剣の舞」がどのように生まれたか。曲は有名だけどハチャトリアンの生き様は知らなかった。当時のロシアを知って、益々この曲の素晴>>続きを読む