TaiRaさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

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「ウチら会ったことあるよね?」ってナンパの常套句じゃんね。

体力的にヤバい状態で観たので案の定うつらうつら。でもそういう状態で観る今作は逆に没入感増して変な感じだった。観てる映像が夢か現実か分かんな
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

5.0

この映画をジェニファー・ジェイソン・リーは観たのかな。どうなのバームバックさん。

グレタ・ガーウィグ主演作以外のノア・バームバック作品は大体自伝的な要素入ってるけど、今回が一番自己批判度高い。前妻と
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楽園(2019年製作の映画)

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吉田修一の短編2つ組み合わせた「やっぱ田舎は最悪」っていう話。

少女失踪事件に絡む移民の青年・綾野剛と失踪した少女の親友・杉咲花、限界集落で暮らす男・佐藤浩市の三者の境遇を見つめて日本の厭なとこを描
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

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傑作。腕に「ゆり子フォーエバー」って彫っても良いレベル。一番凄いのは桜井ユキ。

「最初の夜」から主人公二人の間に徹底して挟み込まれるマネージャー桜井ユキの存在感が終始物語を引っ張る。福山雅治と石田ゆ
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さらば青春の光(1979年製作の映画)

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とりあえず劇場にモッズファッションの人はいなかった。

ザ・フーのロックオペラ映画化だけど『トミー』と違ってミュージカルじゃないし、ザ・フー以外の楽曲もいっぱい使っててテイストは違った。あとイーサン・
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ジェミニマン(2019年製作の映画)

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Dolby Cinema/3D+in HFR (120fps)で観ましたよ。もうなんのこっちゃですよ。

1秒間に120フレームだから異常に滑らかな動き。それに加えドルビーシネマのやたら綺麗で鮮やかな
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クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

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2010年代最高のワニ映画だぜ。他にワニ映画あったか思い出せないけど。

クレジット場面のセットアップが良いよね。水泳選手として奨学金貰って進学したらしい主人公がスランプに陥ってる。クロールする姿に被
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ザ・ミッション 非情の掟(1999年製作の映画)

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久しぶりに観たけどやっぱ面白かった。ジョニー・トー作品の中ではかなりリアリズムなんだよな。これでも。

改めて観てもテーマソングがヤバ過ぎてギョッとする。集められた男たちのヒエラルキーとか関係性とかキ
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

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話の風呂敷広げたおかげで荒唐無稽さと異常性が高まってて面白かったけど、こっちはもっとソリッドなの期待してんだよな。

このシリーズって大して時間が飛ばないで次回作に行くので、ジョンの犬が殺されてからこ
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

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原作未読だしこういう世界に接点もないので純粋に一本の映画として観た。立場としては音楽を信仰する人間として。だから傑作だと思う。

これ音楽版『CURE』だ。砂浜歩く鈴鹿央士が萩原聖人に見えるよ。花粉媒
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赤線玉の井 ぬけられます(1974年製作の映画)

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溝口の『赤線地帯』とセットで観たいね。女の見せ方ハードボイルド。

売春防止法で赤線が消える最後の年、最後の正月の娼家、女たちの群像。監修も務めた滝田ゆうの挿画が良い。宮下順子とヒモの蟹江敬三の「女と
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宵待草(1974年製作の映画)

5.0

こんなにちゃんと和製ニューシネマやってたんだ。姫田真佐久の撮影が死ぬほど美しい。

大正時代のアナーキストたちはニューシネマと相性良いな。警官の銃奪う為に交番襲撃して返り討ちにあう横移動ワンカットの楽
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

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『ホテル・ルワンダ』みたいなドラマより『エレファント』に近かった。死が徹底してドライに描かれていて怖い。

2008年に起きたムンバイの同時多発テロ。ムンバイは特殊部隊が配備されてないから一向に助けが
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HELLO WORLD(2019年製作の映画)

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なんかどっかで見たことある話や展開ばっかだなぁって思っちゃった。

途中でツイスト入って二部構成みたいになってるけど、その構成が判明しても意外性とかないんだよな。前半パートへの信頼度が低すぎるから。こ
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真実(2019年製作の映画)

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軽く撮ってる時の是枝って感じで嫌いじゃない。一番良いのはやっぱ子供。

カトリーヌ・ドヌーヴがまんま本人だったりして笑っちゃう。息をするように悪口言ってんの。ジュリエット・ビノシュもイーサン・ホークも
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Girl Asleep(原題)(2015年製作の映画)

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ウェス・アンダーソン系のオシャポップなやつ。元が演劇だし監督も演劇畑の人。

主演の子が凄いかわいい。平面的な画作り重ねてて演劇とか絵本とかに近いな。ウェスよりもっとガチガチに。背景がカオスで、意味不
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クリシャ(2015年製作の映画)

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いかにも若い監督が作ったって感じ。親戚の集まりの居心地の悪さがリアル。

ワケありのババアが親戚の集まりに久々に顔出すけど、やっぱ色々問題あってめっちゃ空気悪くなるってだけの話。話っつうか出来事はそれ
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All This Panic(原題)(2017年製作の映画)

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ブルックリンで暮らす10代女子たちの3年間を記録。監督がファッションフォトグラファーなのでめっちゃ画キレイ。

やっぱどこの国、どこの街でもティーンってそれなりにダサいんだなって思う。未完成な感じが全
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キング・ジャック(原題)(2015年製作の映画)

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暴力とセックスくらいしかやることない田舎で、イジメられっ子の童貞は生きづらいという話。

チャーリー・プラマーってこういう役多いな。生き場所ゼロ系少年。ナメられない様に精一杯イキってる姿が滑稽で愛らし
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

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映画としては傑作だと思うんだけど、原作ファンでもあるから色々とね、解釈の違いを感じちゃうよね。(以下ダラダラ長文)

まず『宮本から君へ』を映画化する上でこのメンツが集まったのは幸福な事だし、各々がベ
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ヘルボーイ(2019年製作の映画)

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超面白い。『トランスフォーマー/最後の騎士王』級の超ハイスピード・エンターテインメント。とにかく全てが速い。狂気的な編集。

デル・トロ版は週末の朝やってるアニメとかジブリ作品みたいなムードと面白さあ
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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

5.0

最初から最後まで泣きながら笑って、笑いながら泣いて観てた。娘にもお父さんにも同じくらい感情持ってかれて休む暇がないよ。

学年投票で「一番無口でしたで賞」もらっちゃう様な、学校に居場所も、友達も、楽し
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マーウェン(2018年製作の映画)

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かなり好き。『ジョーカー』観た翌日だったのもデカいかも。表裏みたいな関係だった。

ヘイトクライムの被害者でPTSDを抱えながら生きる人形写真家マーク・ホーガンキャンプの実話。彼の想像力が彩る人形たち
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ジョーカー(2019年製作の映画)

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0点満点で0点取ってきた傑作って感じ。いや、褒めても貶してもないよ。

バットマン関係ないどころかアメコミ映画でもないしジョーカーの映画でもないよね。アンチ・ヒーローでもない。言ってしまえばアンチ・ハ
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

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有名な部分だけは観てたけど全部観たの初めて。めっちゃ面白い。

資本主義とか機械化への皮肉とか露骨なのは割と前半だけだった。ベルトコンベアの単純作業やってると気が狂うってのは現代でも通ずるし、今日もど
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ラ・パロマ(1974年製作の映画)

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愛憎劇としては何を言ってるのかさっぱり分からないが、映画自体があまりに異常で面白かった。

全然予備知識入れてなかったので始まった瞬間から、ファスビンダーっぽいなーって思ってたけど、友達なんだね。ファ
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

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連作になってる追加エピソード2話分をまとめて劇場公開したという感じだから、あんま一本の映画としては観なかった。

「外伝」とあるくらいなんでヴァイオレットの代筆業はあまり出て来ない。貴族の娘の教育係を
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ウエスタン(1968年製作の映画)

5.0

世界一面白い映画ですわ。全シーン全カット完璧だった。

死ぬほどカッコイイ画の連続で時間どんだけ掛けても全く退屈させない。シネスコいっぱいに顔面の超アップ、カメラを引けばフレーム内の登場人物の立ち位置
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

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韓国オリジナルも中国リメイクも観てない。日本映画の中では珍しいくらい真っ当にサイコスリラーやってるし面白かったよ。ワンちゃんかわいい。

盲人が主人公のサスペンス、スリラーはたくさんあるし、過去のそう
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惡の華(2019年製作の映画)

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まず玉城ティナ、飯豊まりえ、秋田汐梨が可愛く撮れているので傑作。特に玉城ティナ。変態青春映画の系譜、つまり正統派青春映画。

原作は読んでいないけどざっくりとした流れ、終わり方は知っている。中学生編と
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

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大概の人間は望まずとも親に似る病に罹患している。否定すべき親が目の前にいないとなると厄介で、親の幻影に引きずられ続ける。その親の所在を知ったなら会いに行かなければならない。宇宙の果てだとしても。

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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

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格差と差別についてこの角度から描いたの、実はあんまない気がする。

脚本書いてる主演二人がまず地元オークランドのダチで、そのリアルな関係性が映ってて良かった。スパイク・リー以降の、ヒップホップ映画とし
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アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

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『アナベル』シリーズの新作であり『死霊館1.5』みたいな。そういえば一作目で娘ちゃん酷い目遭ってたな。全然覚えてない。

ジェームズ・ワンが飽きてんのか段々緩くなって来た死霊館ユニバース。前作の『死霊
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フリーソロ(2018年製作の映画)

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これ、高所恐怖症の人が観たら死ぬんじゃないか。手汗びしゃびしゃになったわ。

命綱なしで断崖絶壁登るフリーソロ・クライマーのアレックス・オノルドの挑戦。975mのエル・キャピタンを登る為の入念な準備、
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SHADOW/影武者(2018年製作の映画)

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映画の帰り道、雨降ってたから傘クルクル回して帰った。

鉄刃傘(もしくはアンブレラソード)の戦闘描写は妙ちくりんで大変愉快なのだけど、如何せん出番が少なくて残念。登場時間長ければ長いほど傑作だったのに
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

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ラストカットにおける恒松祐里のモーションが完璧だった。ペデストリアンデッキ映画。

原作モノで脚本にクレジットもない今泉作品って事で、いつもよりストレートな感じがした。台詞の温度とか人物への距離感とか
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