TaiRaさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

飛行士の妻(1980年製作の映画)

5.0

出て来るやつ、ろくでもない人ばっか。でもそんなもんか。パリだし。

学生くんが年上の女と付き合って、経験も浅けりゃ思慮も浅くて、いつもウザがられていて、女の元カレは既婚者の飛行士で、突然いなくなったと
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名もなき生涯(2019年製作の映画)

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マリックが自分の為だけに映画作ってた時期すら喜んで観てたくらいなので、これはちょっと物足りないぞ。

スコセッシの『沈黙』と併せて観ると良いんじゃないかな。二人ともカトリックでテーマも近いし。いつもの
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ルカじいさんと苗木(1973年製作の映画)

5.0

めっちゃ傑作。ロードムービーの最高峰だし、ジイちゃんと孫の映画としても最高。

梨の木が枯れてしまい落ち込んだルカじいさん、孫と一緒に梨の苗木を求めて町へ出る。最初、描かれてる田舎の暮らしぶりから、時
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

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10年ぶりくらいに観直したけど、ちゃんと意味分かんなかった。話は分かるのにね。

記憶してたよりカッコ良さとは縁遠い宍戸錠と記憶通りカッコいい真理アンヌ。これに尽きる。ハードボイルドよりナンセンスなテ
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嘆くな!(1970年製作の映画)

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ダネリアって「おもしろうてやがて悲しき」な作風で好きだな。

開業医の主人公が町にいるデタラメな奴らと酒呑んで、歌って、踊ってどんちゃん騒ぎしてる話。陽気な前半と寂しい後半の対比を春から冬にかけて、四
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抱きしめたい(1978年製作の映画)

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の雷って使い回しだったんだな。ゼメキスがこれ撮ったの26くらいなのね…。

記念すべき最初の「製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ」映画でもあって、もうこの時期から
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

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観客が一斉に3Dメガネかける瞬間とタイトル出た瞬間が一番面白かった。

一作だけで判断するのも可哀想だからあれなんだけど、ビー・ガンはあんまだね。普通に映画としてつまんないし、アート映画としても凡庸で
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スケアリーストーリーズ 怖い本(2019年製作の映画)

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ジュブナイル・ホラーとしては近年で一番良いんじゃないか。良く出来た『イット』みたい。

前作の『ジェーン・ドゥの解剖』ほど怖くないけど、恐怖描写はちゃんと工夫もあるし楽しめた。ジリジリと距離を詰められ
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ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)

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冒頭10分くらいで映画らしい部分が終わっちゃう。だけど楽しい。デ・パルマだから。

刑事二人が犯人を追う冒頭の場面が如何にもデ・パルマ。『めまい』の冒頭部分だけ真似するんだっていう。この場面でもそうだ
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

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よく考えたらコロナショックで株価急落してるタイミングで観たのちょうど良かったのかもな。

『グッドフェローズ』フォロワーの作品って大量にあるけど、一番肝心な「選曲の良さ」を踏襲出来てるのは滅多にない。
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

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前作も今作も家族に起こる悲劇を描いた場面は良いんだよな。そこ以外はいつも微妙だけど。

まず長いよ。映画にして語りたい事とそれに適した時間を見誤ってる。これかなり単純な物語だし、最初から言いたい事はっ
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

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ながら見程度でいいかなと思ったけど、割りかし笑えたのでちゃんと観た。

ストレートにコメディやってる前半は結構楽しい。やっぱ具体的な地名出されるギャグは笑ってしまう。「西葛西」とか爆笑しちゃった。東京
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テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

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『ロスト・イン・ラ・マンチャ』観た上だと完成しただけで良かったねぇってなる。

2000年当時に作ろうとした『ドン・キホーテを殺した男』とは話の内容も変わっていて、今となっては元の話がどんなだったかも
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ロスト・イン・ラ・マンチャ(2001年製作の映画)

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映画作る人間にとってはこんな怖い映画ないだろうな。

『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』観る前にやっぱこれはマストかなと。『ドン・キホーテを殺した男』が完成しなかったメイキング映画。もうプリプロダク
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his(2020年製作の映画)

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ドラマは観てないけど別に問題なかった。他人の脚本でやってもちゃんと今泉映画にするよね。

学生時代に別れたゲイのカップルが数年後に再会して云々という話だけど、これあまりLGBTであるかどうかは関係ない
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犬鳴村(2020年製作の映画)

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前半はそれなりに楽しめたし三吉彩花は美しかったので充分です。というか主演女優が綺麗に撮れてたらそれだけで良作だよ。

冒頭のPOV場面からしっかり基礎固めて来てる感じが好感。「人のようなもの」が近付い
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

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ロジャー・ディーキンスのショーケース映画として観ればそれなりに楽しめる。あとサム・メンデスってやっぱ演劇の人なんだなってのは改めて思った。

全編ワンカット、じゃなくてツーカットだった。長回しワンショ
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

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主題は如何にもイーストウッド的で、彼の考え方とか言いたいことがもろに出ている作品。ただ、この話ってあんま映画化に向いてないんじゃないかな。

『牛泥棒』に影響受けてキャリア初期から冤罪と私刑の話ばっか
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

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久しぶりに観たらこんなにミラベル可愛かったっけってなる。レネットはやっぱウザくておもろい。

かなりデザインされた「対照的な女の子ふたり」が偶然出会ってマブダチになる可愛い話。四つの挿話で成り立つ映画
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満月の夜(1984年製作の映画)

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初見時に爆睡かましたので再見したが、半分以上初めて観るシーンだった。寝過ぎ。

ロメールの中でもかなり登場人物への共感性低い、というかどいつもこいつもバカ野郎じゃないか。郊外で同棲してるソクバッキー(
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音楽(2019年製作の映画)

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割と好きだし結構笑えた。間の取り方とか90年代っぽい。

音楽知識ゼロの不良がバンドやる初期衝動系の話かと思ったら違った。どちらかと言うと本当の名前を知るみたいな、自分の声を取り戻すみたいなそういう話
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

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まずシンプルに子供の顔が良い。クソガキ感丸出しの顔。

映画の前に監督の経歴がデタラメで凄い。無実の罪で捕まって投獄されてたとか。戦争直後のソ連の田舎町が舞台。雪と泥まみれでまぁ凄い。場所の持つインパ
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フルスタリョフ、車を!(1998年製作の映画)

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『神々のたそがれ』より観やすいけど充分にカオティックでグロテスク。

話は途中でよく分かんなくなったけど、まぁスターリン体制末期のムードさえ把握出来ればいいのかな。一応、史実にある事件を扱ってるそうだ
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

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ポン・ジュノって最初からずっと変わらないんだなって。ポン・ジュノ受賞おめ。

ほぼ団地だけで繰り広げられるそこそこシュールな珍騒動。アバンタイトルがほとんど台詞も使わず犬殺しに挑戦する主人公を描写して
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

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ライアン・ジョンソンを『ブリック』の監督として認識し続けた人間なので、そうそうコレコレ!って感じ。シリーズ化も嬉しい。

ミステリだけど謎解きや犯人の究明に力点が置かれている訳ではなかった。推理開始時
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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

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「リアル」の捉え方が違えば評価も変わりそう。こうやって修復された映像は「リアル」を獲得するのか喪失するのかっていう。

単純に第一次世界大戦中の塹壕で兵士たちがどのような作業をし、どのように過ごしてい
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サヨナラまでの30分(2020年製作の映画)

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オリジナル脚本の青春音楽映画をちゃんと作ってる事に好感。萩原健太郎は今後も重宝されると思う。

最近こういう映画よく見るな、と思うがそれらは全部アニメ映画だったりする。孤独に音楽を作る青年が異人と出会
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mellow(2020年製作の映画)

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やっぱ今泉力哉はオリジナルが良い。爆笑した。ともさかりえ最高。

胸に秘めた気持ちを一方的に伝える事の緩やかな暴力性を氾濫させた喜劇。相手の事を考えようが考えまいが、私の、この想いを伝えなければ気持ち
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

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タイカ・ワイティティって良い人なんだろうなぁってのは分かった。

終始エモーショナルな直球ストレートを投げられる様な映画。かわいい子供と美しい台詞、感動的な場面、笑える場面、悲しい場面、そられがそのま
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

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これを観るとオリジナル劇場版って不思議な作りだなって。改めて。長ければ長いほど良いタイプの映画。

原作にあった、主にリンさんのエピソードを追加した増補版。で、もはや新しい映画。あぁ、すずさんってこん
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ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

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テン年代ポップカルチャー総括ラブコメになってて30年後くらいに観たら味わい深そう。

具体的な引用もある『プリティ・ウーマン』はじめ、数々のロマンティックコメディで描かれた男女間の役割を逆転させた作り
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ラルジャン(1983年製作の映画)

5.0

思えば最初に観たブレッソンこれだったな。当時も普通に楽しめた気がするし、観直して更に好きになった。

不良少年が小遣い少ないからと偽札を使った所から波紋が広がる様に悪意や不幸が伝染して行く。トルストイ
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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

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再見。ブレッソンの手法と内容が一番シームレスに繋がってる。ディティールを映す事や感情を表に出さない事とか。

多くは語らないが生きる意味について問うている。それに辿り着くまでに長い回り道。男は仕事もせ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

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最初に「コント、トリクルダウン!」って叫んでも成立する。または「こんな新自由主義はイヤだ」。

ハリウッドを通過したポン・ジュノって感じ。寓話的でありながらジャーナリスティックで、尚且つサスペンスフル
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

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久しぶりに「アメリカ映画」の新作を観た気がする。IMAX必須。

開始早々、車映画の最高峰はクロード・ルルーシュの『ランデヴー』だ、という前提が車の主観を見せるカメラ位置の低さに出ている。地面すれすれ
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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

5.0

2020年入ってやっと映画観た。『メタルギアソリッド』ハードモードを初見ノーミスクリアしなきゃいけないみたいな映画。宇宙一面白い。

ブレッソンのミニマルなスタイルが、その物語/モチーフを描くのに最も
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