TaiRaさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

ホワイト・ボイス(2018年製作の映画)

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不思議系オフビート風刺コメディかと思ったらシンプルにどうかしてる映画だった。

『ゲット・アウト』とか『アトランタ』とかアフロ・アメリカンの不思議なコメディセンスって全盛期の松本人志っぽさあるよな。今
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I Am Easy To Find(原題)(2019年製作の映画)

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The Nationalの新作に併せて作られたショートフィルム。

ひとりの女性の生まれてから死んでいくまでをアリシア・ヴィキャンデルが全て演じる。25分で描かれる一生。世界を認知して行く過程と変遷。
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ミスター・ロジャースのご近所さんになろう(2018年製作の映画)

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教育テレビの人気番組を手掛けたフレッド・ロジャースのドキュメンタリー。

聖職者を目指していたフレッドが当時新興メディアだったテレビに進路変更。フレッドが当時から一貫して批判するテレビの在り方が今の日
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タッカー(1988年製作の映画)

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コッポラとルーカスの映画としてドンピシャな題材。誇大的な天才、クラシックカー、アウトサイダー。

40年代に実在した起業家・発明家のプレストン・トマス・タッカーが考案・製造した自動車を巡る話。シートベ
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

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ちゃんとフェルナンド・メイレレスの映画だった。カメラが忙しない。

前教皇のベネディクト16世(ヨーゼフ・ラッツィンガー)と現教皇のフランシスコ(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)が議論する映画。ベネディク
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

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振り返って考えてみると、シークエルを作る動機ってビジネスしかないもんね。最後まで「スター・ウォーズを作りたい人」が一人もいなかったプロジェクトでした。

ジョージ・ルーカスの構想通りのシークエル(ウィ
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雪の断章 情熱(1985年製作の映画)

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斉藤由貴の映画キャリア、一歩目から狂ってて凄いな。相米慎二が最高にどうかしてる時代。

まぁ、オープニングの狂気的な長回しだよね。約14分のワンカット。厳密にはタイトル出る前に一箇所繋いでるから擬似だ
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明日に別れの接吻を(1950年製作の映画)

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キャグニーの映画初めて観た。小さい男は怖い。

法廷で7人の被告を紹介し、証言から回想して行く導入部が洒落てる。キャグニーの刑務所脱走から始まって怒涛の様に重ねる犯罪の数々。息を吸うように犯罪を犯すキ
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映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!(2019年製作の映画)

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今回はSF映画ネタで溢れかえってる。音楽とかそのまま使うしバカバカしいけど、それがアードマン。

宇宙人が地球で迷子になったからショーンが助けてあげる話。完全に子供の世話役になってるショーンの姿は『ト
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映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~(2015年製作の映画)

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アードマンの映画で一番好きだな。『ひつじのショーン』って実質サイレントなのね。

牧場主を乗せたトレーラーハウスがどんどん転がって暴走しちゃう流れずっと最高。ビッツァー急いでる時も二足歩行なんだって思
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

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『2010年』と『ドクター・スリープ』によってキューブリック映画の続編はストレートに燃える映画になる法則が出来上がりましたね。

キューブリックの『シャイニング』では脇に追いやられた超能力要素をガッツ
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

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イントゥジアンノオオオォォォンンンッ!(レリゴーより好きです)

文化盗用が生業のディズニーが時代に合わせて最低限のマナーを守ろうとしたら子供置いてけぼりのポリティカル・アニメになっちゃった感じ。そう
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悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)

5.0

ダグラス・サークってあらゆる面で凄いですわ。映画監督は全員この映画好きなんじゃないかってくらい色んな映画を想起させる。

59年は公民権運動真っ盛りな時期だし、人種差別への関心も高かっただろうけど、こ
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あした晴れるか(1960年製作の映画)

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メガネっ娘萌えの古典。芦川いづみ可愛くて5割増し。

石原裕次郎が青果市場から飛び出して、トラックの荷台でスーツに着替えるオープニングのノリがなんか良い。めっちゃポップ。軽い。ご都合主義な偶然が頻出す
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ジーザス・イズ・キング(2019年製作の映画)

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映画としてどうとか、そういう作品ではないな。カニエの「意識の流れ」観るみたいな。

サンデー・サービス自体はコーチェラの中継と最近のやつ部分的に観たくらい。少なくとも今回の映画はああいった音楽ショーと
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真田風雲録(1963年製作の映画)

5.0

初劇場で再見。人生ベスト。ヌーヴェルヴァーグ時代劇。

隕石が落ちて来て超能力者になった猿飛佐助(中村錦之助)が仲間と出会って真田幸村と共に大坂の陣へ向かう、というSFミュージカル時代劇。なんか雰囲気
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フラワーズ・オブ・シャンハイ(1998年製作の映画)

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よくよく考えたら凄いしょうもない話なのが素晴らしい。めっちゃ眠れる映画なのでちゃんと寝た。

清朝末期、高級遊郭に集まる高級官僚たちと遊女たちの愛憎劇。ワンシーンワンカットでカメラはふわふわと浮遊する
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

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『グッドフェローズ』や『カジノ』と並べるより『沈黙』の横に並べたい、スコセッシ終活シリーズ。

2019年のアメリカ映画でいくつも描かれた「男の終焉」の一本。「有害な男性性」についての辛辣な。もしくは
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緋牡丹博徒 お竜参上(1970年製作の映画)

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凄い殺伐としているし残酷で怖い。シリーズ三作しか観てないけど異色な気がする。

加藤泰が監督の三作目に登場した少女のその後を追うお竜さん。賭場で出会った菅原文太と藤純子が身の上話するだけの冒頭場面が、
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緋牡丹博徒 花札勝負(1969年製作の映画)

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加藤泰のローアングルは賭場映すのにピッタリだな。

藤純子が子供助ける冒頭からして何か凄い。スーパーヒーロー化してる。ニセモノお竜騒動と人情モノ、渡世人の義理とヤクザの美学、何でも入ってて最高に泣ける
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緋牡丹博徒(1968年製作の映画)

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藤純子の為ならいくらでも死ねる男しか出て来ないイイ映画。藤純子きれい。

よく考えたら山下耕作の映画観るの初めてだ。『総長賭博』の頃だし一番いい時期かな。今作はどちらかと言うと鈴木則文の作品って気もす
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沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年製作の映画)

5.0

錦之助の人を斬った後の表情は、ブルース・リーが人を蹴り殺した後の表情と同じ。怒りと悲しみと恍惚が綯交ぜになったあの顔。

一幕目だけ別の話というか、任侠の世界とは如何なるものかっていうプロローグみたい
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骨までしゃぶる(1966年製作の映画)

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廓コメディだけどシリアスな部分も剥き出し。暗黒喜劇。

田舎の貧乏百姓の娘だった桜町弘子がわけも分からず廓に売られる。田舎もん丸出しのおぼこい娘が現実を知るにつれ、擦れた女郎になって行く過程がめちゃく
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明治侠客伝 三代目襲名(1965年製作の映画)

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任侠映画の完璧な形やってる。鶴田浩二を初めてカッコイイと思った。

にしても加藤泰のシネスコ使い凄いなぁ。画面右の3分の1だけで芝居やって残りは敢えて余白にしたり、画面半分を奥と手前で二層に分けて別の
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

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過去を変えると未来も全て変わる設定のシリーズを作り手が多元宇宙化するって一体どういう冗談よ。

そもそもだけど『ターミネーター』は一作目だけしか要らないから。2まで正史とか3以降は認める/認めないとか
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

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やっぱ脚本のゲイリー・ドーベルマンがダメだな。『死霊館』のスピンオフと併せて。前編は共同になってたけど今回は単独だし。長過ぎるし。

子供編も大して面白くなかったけど、まだ胸キュン要素とか好きな部分あ
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殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

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永遠に観てられるショートエピソード集という点でタラの『ワンハリ』と大体同じ。「お前らもう結婚しちゃえよ」なカップル3連構成。

原作の4コマ漫画は映画の後にざっと見た。『殺さない彼と死なない彼女』『き
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終電車(1980年製作の映画)

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メロドラマ=視線の映画というお手本。幸福な話で良かったと妙に思わせる。

ドイツ占領下のパリを舞台にユダヤ人演出家の夫を匿う妻と舞台出演者の俳優との恋が描かれる。描かれる、と言っても直接的な恋の描写は
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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

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こんな打ち上げはイヤだ、どんな打ち上げ?の回答過ぎる。バッド入ったやつが多数派だとシラフのやつが一番酷い目遭うの真理。

企画から完成まで4ヶ月くらいの早ワザ。撮影15日、ほぼ脚本なしの即興らしいけど
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戦国群盗伝(1959年製作の映画)

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山中貞雄が脚本書いた1937年のオリジナルをリメイク。潤色は黒澤明。鶴田浩二と三船敏郎が主演。の割には微妙だった。

潤色とあるくらいで黒澤明のアレンジはそれ程強くないっぽい。なんでも黒澤は1937年
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人情紙風船(1937年製作の映画)

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初見だったけど、これまた凄かったな。二十八歳でこの境地か。ホントに天才だったんだな。

紙風船みたいに軽くて脆い人情って事なのね。長屋に住む老浪人の首吊り自殺から始まるけど、その死は直接見せない。死を
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河内山宗俊(1936年製作の映画)

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初めて観た山中貞雄これだったけど、初見時も再見時も感想同じ。面白いなー。以上。

山中貞雄の映画ってお話が90年代映画っぽいよね。『百萬兩の壺』もそうだけど。モノの行き来と勘違いと粋な会話とドライなバ
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丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

5.0

久しぶりに観たら世界一面白かった。これ撮った時の山中貞雄、まだ二十五歳なのびっくり。

ホントは『丹下左膳』三部作の最終作だったのを監督交代に伴い山中が好きに作って「余話」扱い。男・女・子供の関係性は
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アップグレード(2018年製作の映画)

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80年代のカロルコとかオライオンの映画みたい。最後の最後にリー・ワネルの映画だなぁって感じ出して来る。

近未来の設定だけどデザインとかがあんま頑張ってなくて逆に良かった。なんか雑に技術だけ進歩しちゃ
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George Washington(2000年製作の映画)

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たしかデヴィッド・ロウリーがこれ好きって言ってたんだけど、要するに「俺もテレンス・マリック好きっすよ先輩」って事だったのかな。

大層なタイトルわざわざつけて4万ドルくらいで作ったらしいデヴィッド・ゴ
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空の青さを知る人よ(2019年製作の映画)

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超平和バスターズの作品初めて観た。前2作観てないからあれだけど、多分あんま合わない。

岡田麿里の脚本がそもそも苦手なのかもしれない。それ言っちゃ野暮だよみたいな台詞多くて。「良い話」に収束するやり方
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