tosyamさんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

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怒りの街(1950年製作の映画)

4.2

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怪奇大作戦の所長がガス人間的な犯罪者をえんずる東宝変身人間シリーズとして鑑賞。戦後的光と軽さの中でつい暴走してしまう者。さらに苦悩と闇をつのらせる者。彼ら戦前的人物が戦前的情念をその内面の底深く渦巻か>>続きを読む

鉄砲玉の美学(1973年製作の映画)

4.8

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つかいすて武器人間としての鉄砲玉感がすごい。組織上層部はショッカーか声だけ。低予算ロケの地方小都市の闇おおめのホラー演出のなんともいえないあじわい。頭脳警察の無機的な音楽とatg胸糞が絶妙なブレンドを>>続きを読む

ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ(2018年製作の映画)

4.3

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重厚な都市論となっている。占領したとしてもその土地に天然資源がなければどうなるか。都市においては芸術品など文化がものをいう。ヨーロッパという資源なき。文化の土地。という特性。それはひるがえって東京に土>>続きを読む

超擬態人間(2018年製作の映画)

4.0

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擬態ということなので昆虫系改造人間。ナナフシがベース。ということはリアルなアダルトむけ仮面ライダーか。怪人ナマハゲ男におそわれ山の中のショッカー基地にさらわれた親子。ショッカー格安結婚式作戦にはまった>>続きを読む

コール・オブ・クトゥルー(2005年製作の映画)

4.2

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クトゥルフ暗黒神話のおもしろさって戦前という薄明の時代に成立したものだからこそなんじゃないだろうか。意識はいまやすでにこのあと世界は未曾有の二度にわたる大戦にまきこまれ終末をむかえねばならぬのだいやむ>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

4.3

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朝おきたら見知らぬ部屋にいた。次の場面。男に担がれて車から降ろされ部屋の前まで。次の場面。男と女が車で高速を飛ばしている。次の場面。コンパ会場からカップルでぬけだしキスしようとしたら殴られ気を失った。>>続きを読む

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.0

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屋上って映画にかかせない場ゆえネットみたいなアンビエントで希薄ゆえの都会人のオアシスなのかも。霊園みたいでもある。冒頭の少女期の話だけとメールだけの登場で不気味な主人公の姉は。故人で霊界からのメッセー>>続きを読む

赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

4.3

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ガレスジョーンズにはジャーナリストというより。どこか先日みた怒りの葡萄のトムジョードのような。扇動者。義賊を。かんじた。社会派映画などというより。コロナ不況ポストコロナ恐慌を個人的に一人の男としてどう>>続きを読む

怒りの葡萄(1940年製作の映画)

4.7

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母親が敗走の教祖を匿い脱走させる。まさにマリアとキリスト。コミュニズム映画どころかゴッドファーザー三部作さえ超え宗教映画の域。これは消えた説教師を捜索するジョンフォードの地獄の黙示録か。

小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.3

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とにかく中村鴈治郎は大怪獣で。復活したりワープしたりと最強。いつものローアングルでその巨大感もマックス。笑。いつもの東宝怪獣映画では女性軍のピンチのときにはさっそうとあらわれる宝田明だが。今回は不在で>>続きを読む

宇宙大戦争(1959年製作の映画)

4.1

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前半。マタンゴの東京医学センターといい本作の東京科学センターといい。まるで小津映画の片言台詞のようなものいい。そのあまりにもなそっけなさがこれでもかと日常をねじまげる。あと池部良と千田是也のぬるっとし>>続きを読む

秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.8

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戦争のptsdのせいで映画のせかいにひきこもった小津。たしかに無数の傑作がうまれた。でもそれは母の愛にささえられてのものだった。ニコラスローグの地球に落ちてきた男のエンディングのようになきになけた。ど>>続きを読む

東京の宿(1935年製作の映画)

4.5

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こっちのほうが先なんで。逆なんだけども。もうウルトラq感がつよすぎて前半すべて特撮ドラマにしかみえない。ロケ手法なゴダール的異化作用はもうもうれつで第四惑星の悪夢のよう。海浜の工場が点在するだだっぴろ>>続きを読む

その夜の妻(1930年製作の映画)

4.4

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フィルムノワールの可能性の地平線を意図せずおしすすめている。サイレントだから成立しえた一連の前衛映画につらなる実験映画といってよい。のちの道教的無常感への方向性にむかう実験の過程でしょうじた異形の突然>>続きを読む

非常線の女(1933年製作の映画)

4.2

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ボニーとクライド的な根っからアウトロームービーの翻案ととらずどちらかといえば知的なものお洒落なものととらえ。たとえば。あらかじめ強奪先に社員として潜入。会社要人をてなずけ内情をつぶさにしらべあげ。最終>>続きを読む

お早よう ニューデジタルリマスター(1959年製作の映画)

4.5

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引きこもり映画の名作。出版社がつぶれたので初老の姉のもとにころがりこんでいるイケメンだけどいまいちコミュ障で恋愛下手な中年男。姉の女友達の妹がささやかな翻訳仕事をもってきてくれて彼の引きこもりからのて>>続きを読む

惑星大戦争(1977年製作の映画)

4.0

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いつ宇宙マンダとしてキングギドラがでてくるかとソワソワしっぱなし。そのおかげで後半は緊張がきれることなく吊り橋効果なのか随分とたのしめた。でもこれは癖をもった特撮オタクにだけの通用で一般ピープルは敵の>>続きを読む

小津と語る Talking With OZU(1993年製作の映画)

4.0

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ヴェンダースが羨ましい。小津の赤いヤカンのフィギュアが欲しい。

東京暮色(1957年製作の映画)

4.5

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ジャンル映画としての不良少女映画。だが。それよりなによりレイモンドカーヴァーや村上春樹もしくはミッドサマーのアリアスターなどのミニマリズムの傑作。ミニマリズムはたしかにときにその冷徹さゆえ。胸糞とさえ>>続きを読む

早春(1956年製作の映画)

4.1

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屈折しまくったニワカの見方なので熱心な小津ファンの気分をがいすかも。すごい近未来ディストピア感。まるでエヴァな第三新東京市。やばすぎる。四畳半での会話がカメラ目線の応酬でまるでリモート画面。やばい。近>>続きを読む

暁の追跡(1950年製作の映画)

4.2

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急になにかをおもいだし無意識にググっていた。新東宝。交番。と。それは暁の追跡だった。なんとこの暁の追跡も池部良だったのだ。なぜおどろいたかって。それは小津の早春を半分みてて池部良ハードボイルドだななん>>続きを読む

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)

4.5

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メタリカ。ワン。14歳。日曜洋画劇場。

仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

4.4

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死体をみて嘔吐したりぶったぎられた手首のアップがあったり冒頭からもはやホラーである。仁義の墓場というタイトルがあるが本作はさながら仁義の亡霊。巨大化しすぎた怪物のような組織の影にただただみながおそれお>>続きを読む

オーシャンと十一人の仲間(1960年製作の映画)

4.4

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特撮がじつにあいらしい。

世界大戦争(1961年製作の映画)

4.6

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朝鮮半島での停戦も束の間。北極海上、戦闘機どうしの小型空対空ミサイルが、交戦中に非核設定から核設定に切り替わる時の特撮表現が実に禍々しく不吉。

愛・旅立ち(1985年製作の映画)

4.1

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中森明菜ほどのそこしれぬゴシック。な音楽性のアーティストポテンシャルを。初女優としたてるにはこのくらい重量級監督脚本家でなくてはつとまらない。そしてそれにふさわしい作品にしあがってるし演技も完璧にこな>>続きを読む

追悼のざわめき(1988年製作の映画)

4.5

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野坂昭如の短編の骨餓身峠死人葛をよんだときの印象にちかい。アメリカ文学に南部ゴシックといわれるジャンルがあるが。あれをまんまコテコテつながりのスラム街カマガサキに移植したようなかんじ。マネキンが胎児や>>続きを読む

豚鶏心中(1981年製作の映画)

4.5

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ジャンル映画としての胸糞映画なるものがさいきんはやっているけれども。胸糞的なものとは洋画のそれ邦画のそれとわずじつは昭和的なるものにほかならない。洋画に昭和的なるものがあるのかととわれればあるとこたえ>>続きを読む

たこ焼きの詩(2015年製作の映画)

4.0

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小学校の道徳の時間にみせられたnhk教育テレビの社会見学ドラマそれも出演者全員どこに生息してたのってくらいおもいっきし昭和をおもいださせてくれるあのへんなタイム感の演技でもうとにかく自分タイムトリップ>>続きを読む

呪いの館 血を吸う眼(1971年製作の映画)

4.2

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基本セレブな湖畔の高原映画なのでハイソ姉妹もとにかく生活臭がまったくしない。そこに人外な怪異がまぎれこんでくるとガゼン出演者隔離療養者然としすべて性倒錯めいてみえ神経症めいてみえ退廃感が半端じゃなくな>>続きを読む

インスタント沼(2009年製作の映画)

3.9

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ストーリーを寸断するかのごときねばっこさで挿入されるギャグ演技がまるで胸糞映画のこれでもかな暴力演技セックス演技のようで初回の試聴は半分でギブアップ。半年放置でおもいだしたので再ダウンロードでシオリの>>続きを読む

HOMESTAY(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ステイホーム。ホームステイ。孤独死があった部屋へとくわしい死因をあきらかにするため意図的に入居する。おなじように死因不明の肉体に憑依しその肉体の解剖学的でない社会的死因を。その死体になりすましさぐる。>>続きを読む

神の道化師、フランチェスコ(1950年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

家族や社会からみはなされた認知症の老人や感染症患者はたまた出家した売春婦などつぎつぎあらわれ。かれらをやさしくむかえいれながら差別なく動物をあいするようにあいする。永遠の少年たち。まるでみえない寄宿舎>>続きを読む

ルームロンダリング(2018年製作の映画)

4.2

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ルームロンダリングガール。唯一の武器そして必殺技は風水。現代によみがえった血統末裔の少女陰陽師。弱点アル中だがしかたない。それでかろうじて精神の平行をたもっているのだから。ウィルスと放射能だらけの汚濁>>続きを読む

日の果て(1954年製作の映画)

4.3

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円谷特撮ファンにはこたえられない超豪華キャスト。電送人間ウルトラマンレオ怪奇大作戦。よってたかって地獄の黙示録じみた終末感に満ちた密室劇を展開してくれる。思弁にならずアクション寄りでライトな展開で上映>>続きを読む

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

さすがにヨコミゾ式な因習ぶかい村をメインにしたナントカ村シリーズの迷走ぶりからしてでつくしたかんがある田舎ホラーなのだろうか。高度成長時代ならわすれられた土地として都オチっぽくおとずれるミジメさもてつ>>続きを読む