tosyamさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

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さがす(2022年製作の映画)

4.9

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さえないけれど少女にとってのスーパーマンである父親が開巻早々いなくなる。少女には異常者偽善者ばかりの過酷な現実がつきつけられ父親との共依存の子供時代からの脱却がせまられる。その間にも巨大な闇の魔王は次>>続きを読む

六月の蛇(2002年製作の映画)

4.6

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これは塚本版の生きる。雪が雨に置き換わっているが。変態でもカメラを突き詰めれば人助けが出来る事を教える。お互い引きこもりで潔癖症の仮面夫婦がいかにもな金持ちで。生きるの役人のような。官僚主義に染まりま>>続きを読む

さくや 妖怪伝(2000年製作の映画)

4.1

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時代劇設定の子供むけ妖怪映画とみるのではなく和ゴシックのスチームパンク映画としてみた。どうにかそれとしてみれるクオリティーだった。手鑑はデジタルディスプレイであり刀剣はライトセーバー。富士山は原子力発>>続きを読む

鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)(1957年製作の映画)

4.1

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ベルリン天使の詩じゃないけれど。タカラヅカな全身白タイツ姿もあいまってスーパージャイアンツ。天使なイメージで魅力的ではないだろうか。事実作中でもそういわれている。初登場ミッションが飛行中の旅客機の尾翼>>続きを読む

こおろぎ(2006年製作の映画)

4.1

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あのカトリーヌドヌーヴとデヴィッドボウイのハンガーみたいな吸血鬼映画。天草四郎の五島のように伊豆にも隠れキリシタンがらみの吸血鬼伝説があったことをにおわせるあたりたるや新東宝女吸血鬼や呪いの館血を吸う>>続きを読む

狼の紋章(1973年製作の映画)

4.1

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東映版は舞台が歌舞伎町めいた暗黒街に限定こちら東宝版は学園。こうした閉鎖空間設定をストーリー面から暗黒街もの学園ものととらえるのではなくあくまでも荒唐無稽に魑魅魍魎が乱舞するリングとしてみる眼をゆるめ>>続きを読む

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

4.3

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なかなかに胸糞な内容だが。演技演出のてつきが娯楽ミステリーやsfサスペンス。んな昔ながらな定型っぽいのでそんなにきもちわるくなくみれる。タイトルどおり限定された閉鎖空間で。個性的なキャラが躍動するアク>>続きを読む

幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形(1970年製作の映画)

4.6

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サイコとおなじ作劇テクニックをつかい。おなじミステリー映画素人探偵効果をあげているだけでも立派なのに。それだけにおさまらず。サイコとおなじホラーショック効果。キャリーラストばりの胸糞メタ異化効果をも達>>続きを読む

沈まない三つの家(2013年製作の映画)

4.1

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序盤のミステリーじたてのホームドラマ調には今村昌平や野村芳太郎など松竹イズムの現代版をつよくかんじる。終盤にかんじたのは。あつい昭和の熱血スポ根漫画でよくあった苦戦する主人公に死んだライバルや恋人のタ>>続きを読む

みかへりの塔(1941年製作の映画)

4.3

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引きこもり映画の金字塔。自身の気持ち悪さをうけいれのりこえるという。が。なまやさしいものではない。この鍛錬修練これだけの規模の施設と映画の連作があってもまだたりなかった。現実の施設さえ要しカツそれも一>>続きを読む

蜂の巣の子供たち(1948年製作の映画)

4.7

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河の中洲で河をわたってやってきた襤褸の集団に野球の試合をもうしこまれる。気持ち悪い存在。これこそ分断というやつだ。で実際この少年たちは映画という世界でメシをくっている。メタでリアルにブキミでカタギとは>>続きを読む

野獣死すべし(1980年製作の映画)

4.4

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鉄橋を二人が渡る時のバックの噴煙はもしかしたら野生の証明みたくひとつの村を二人で全滅させたんじゃないかと思っています。

泥の河(1981年製作の映画)

4.5

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オカリナ演奏による哀愁のメロディー。オバケ鯉とともにあらわれともにきえた不思議な少年。撮影年代と設定年代のズレからしょうじる奇妙に時間のねじれた近未来sf感。まさにウルトラqの世界がスクリーンに。これ>>続きを読む

東京湾炎上(1975年製作の映画)

4.2

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想像したくないが。自動運転タンカーがテロリスト組織にハックされ911のような自爆テロが遠隔でおこなわれたとしたら。いま現実におこなわれている欧州での製鉄所や原発での攻防などがおもわせられる内容。ただ決>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

4.5

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とにかく万引き家族のように舞台の街がどれだけ底辺スラムなのかがえがけているか。それを基準にみることにした。公の福祉や扶助がとどかないほどおくまったマイノリティばかりがすむ過酷な世界。民俗学的な奇習さえ>>続きを読む

ゴジラ2000 ミレニアム(1999年製作の映画)

4.1

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松本清張原作の父娘dvがテーマの胸糞感かとおもうくらいくらくおもくるしいかんじのはじまりかたといい。ゴジラキングオブモンスターズにまけないクトゥルフ設定がかんじられるおわりかたといい。個人的にはとても>>続きを読む

スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)

4.0

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1984年から1999年そして2001年9月11日。日本はバブルにうかれていたがジョブズは終末をいきていた。そのなかで彼の思想ははぐくまれた。今のように閉塞でみうごきできないとき彼の思想はありがたい。>>続きを読む

M(1951年製作の映画)

4.0

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はてしなくひろがる地下駐車場。ロードサイドのオープンカフェ。にげこむのもゾンビの舞台のようなアウトレットショッピングモール。そのファスト文化な郊外な空虚な広大さがたまらなく早すぎたアメリカンニューシネ>>続きを読む

M(1931年製作の映画)

4.5

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ウイルスに感染された大人は脳をむしばまれ誘拐殺人を美少女にしかけ戦争をおこし美少年を戦場へとおくりだす。おそろしい感染症である。ナチズム軍国主義ファシズムは感染症だったのだ。まさに現状そのものの映画。>>続きを読む

ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)

4.1

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沢口靖子の魂が小高恵美とビオランテに分割転生。高嶋政伸ひきいる防衛隊と共闘し悪のゴジラと毎回バトル。それって変則的設定だがウルトラマンシリーズのそれそのもの。vsシリーズどころかミレニアルシリーズにも>>続きを読む

スミス都へ行く(1939年製作の映画)

5.0

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市民ケーンがフィルムノワールなら本作もフィルムノワール。それくらい職人芸的映像側面から評価しなおすべき玄人うけ作品。キャプラにもそろそろヒッチコックのような映像派作家的再評価を。まぁ夢とかの黒澤作品も>>続きを読む

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

4.0

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キングクリムゾンのラストアルバムredはもしかしたらこの映画でえがかれたことをテーマにしたのでは。それくらいこの映画のサントラはもちろん。映画そのものの空気感までにかよっている。ロバートフリップは日本>>続きを読む

マルサの女2(1988年製作の映画)

4.4

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実は本作。前作とはかけはなれてて。日本沈没。人間革命。ノストラダムスの大予言。につらなる東宝特撮社会派路線の異形の大政治宗教映画。公開当時はどうしても伊丹映画としてしか認識できなかった。それはしかたな>>続きを読む

まごころ(1939年製作の映画)

4.0

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主人公は妄想美少女。だがその人物造形がじつに先進的で。今でも充分すぎる位。親友は昔ながらの昭和の少女漫画風人物造形。たとえば誰にでもすぐヒップアタックをしたりなんかする。そんな主人公が。ある大人の事情>>続きを読む

郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

逃れようとしても逃れられない二人。全てが川の畔で起こる。何処までも続くガランとした水辺。孤島にさえ見える。此処は愛の不毛地帯なのか。アントニオーニの情事にも及ぶ不条理さは同じヴィスコンティの異邦人を超>>続きを読む

昆虫大戦争(1968年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

これはsfではない。コロナで荒れた世界だから戦争が起きた訳じゃなかったんだ。冷戦体制の復活や小型核の氾濫や放射能の拡散モラル低下など何かを予感したのか。辺境のウイルスが本能的に反応して人間界に溢れだし>>続きを読む

(1954年製作の映画)

4.8

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どうも東宝の特撮怪獣映画にはイタリアのネオリアリズモが影響しているのではないかとおもえてしかたない。たしかに表面的いや裏面的にかどっちなのかはわからないけれども。東宝は東宝で。その特撮のチカラによる戦>>続きを読む

科捜研の女 -劇場版-(2021年製作の映画)

4.2

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全体的にしぶめの京都をおしだしたロケ地のうつくしさが印象的。クライマックス超マニアック。一転しホラー全開。そう怪奇大作戦。保存液をあびてマリコの眼が充血。これは呪いの壺。洗脳されおびきだされふらつく廊>>続きを読む

人数の町(2020年製作の映画)

3.9

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その昔。男女の健全な交際のためにghqが各郊外にたてた農村からの貧乏な集団就職民むけの青年の家なる施設があった。なんか本作とにてないか。ふかくてハードな現実打破の希望を与えてくれる傑作ディストピアを期>>続きを読む

荒野の用心棒(1964年製作の映画)

4.0

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早撃ち過ぎて音が混じり一発に聞こえ数人が一斉に倒れる。その事から斬鉄剣さながら。シュールな必殺技めく。小型散弾銃。人間用ラットスネークショット。まるで近未来sf兵器。その発展か。棺桶型機関砲。声ルパン>>続きを読む

天国と地獄(1963年製作の映画)

5.0

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黒澤明監督の東宝特撮怪獣映画。捜査本部なんか防衛隊作戦本部にしかみえない。それどころか子供が躍動するところはウルトラマンをおもわせるし。敵の造形はウルトラセブンの侵略者のイメージ。それもメトロン星人の>>続きを読む

劇場版 BUCK-TICK -バクチク現象-(2013年製作の映画)

4.5

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ナレーションもない。スタジオの外でのオフショットもない。まずセッションシーンがない。アレンジ時はもちろん。リハーサル風景さえも。とにかくビートルズのホワイトアルバムのようにメンバー全員が顔をあわせる必>>続きを読む

ドイツ零年(1948年製作の映画)

4.3

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地獄に堕ちた勇者ども。に負けないパンク過ぎるbl映画。ナチ残党の兄は引きこもりと化し弟は遅れて来たヒトラーユーゲントの美少年としてネオナチの元担任教師にホモられる。まるで愛の嵐の児童虐待版ような救いの>>続きを読む

がっこうぐらし!(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

郊外化論とゾンビ映画は相性がよい。巨大ショッピングモールやマンモス高校は郊外を象徴している。有事は郊外のほうがおこりやすい。しかし911はそれを完全にうらぎった。ぎゃくにいえばいかにwtcがひじょうに>>続きを読む

人間(1962年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

コンピラサマ民俗信仰の船長が主人公の海洋ソリッドシチュエーション宗教映画。まさにノアの方舟。人間が動物になる。瀬戸内弁をつかっているが太平洋をおもわせる舞台設定。漂流実話群像劇だが本当に運がわるすぎた>>続きを読む

レザーフェイス―悪魔のいけにえ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカはその音楽土壌も広く深くレコードになっていない音楽の方が多い位。とっくに死んだはずのブルースマンがゾンビのように生きていたり。それは南部の片田舎に籠もってカセット作品ばかり録音している肥満の宅>>続きを読む