とにかくギャグの連発で、日本語字幕担当のひとが気がつかない(または気がついているけどうまく訳せない)ほどの終始アナーキーな状態が続く。終盤が超絶凄まじい。
権威や戦争、それらすべてを粉々にするデタラメ>>続きを読む
濃いメイクに整ったモミアゲ。耳につけたピアスにど派手な衣装。そんなエドワード・G・ロビンソンが登場した瞬間に思わず笑ってしまった(※DVD画像参照)。最初はコメディが始まるのかと思ったぐらい。しかし映>>続きを読む
列車内という「狭い空間」を登場人物たちが、出たり入ったり「僅差」ですれ違う。マフィアの女房を命がけで守る刑事たちの「薄利」たるや。そう考えると“The narrow margin”の題名がじわじわくる>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『カモ』と同じたった60分(!)の犯罪映画。
『カモ』よりは楽しめたが、終盤は(『カモ』もそうだったけど)駆け足気味で終わってしまう。ヒロインの機転で事件は急展開するものの、彼女の立ち位置はすこし“お>>続きを読む
記憶を失くした男が真犯人を探すっていうはなし。フライシャーにしてはイマイチ。
原題の“The clay pigeon”ってたしかに「カモ」(だまされやすい人)っていう意味だが、「クレー射撃用の皿」って>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
たしかに今観るとアラン・ドロンとモーリス・ロネの関係は同性愛的なものが匂う。
しかし愛してるがゆえに、相手を殺し同化するっていうのはすごいなあ、と。その相手の恋人を手中に収めるまでが「同化」ってことも>>続きを読む
実話ベースの映画だが、事件の詳細を調べると色々と事実と違うのがわかる。だからって映画が不気味なのは変わらない。
ドラマを一歩引いた視点が冷たく、とにかく不穏。
スティーブ・カレルが練習場で、拳銃を片手>>続きを読む
すごく馬鹿馬鹿しいけど面白い。
アクションがはじまった途端に、マシュー・ヴォーンとかガイ・リッチーの映画みたいになるところも可笑しい。エンディングは賛否両論あるような気がするが(蛇足感がすごいってこと>>続きを読む
まさにウディ・アレン印の映画だが、前に見たウディ・アレン映画のよう。しかもつまらなかったヤツ。脚本も足で書いたみたいなかんじがする。
DVDの特典映像では、寝落ちしそうなのに真摯にインタビューに答える>>続きを読む
ケーリー・グラントは「滑稽な芝居をしてる」感があるけど、ジンジャー・ロジャースのキレっぷりは最高。カンヌで「パルムモンキー賞」があったらあげたくなる、猿のエスターも。
考えこんでいて、登場のタイミン>>続きを読む
『小悪魔はなぜモテる?』(酷い邦題だけど、傑作よ)もそうだったけど、エマ・ストーンは周りから浮いて、孤立し、なぜか「触媒」になる役割がしっくりくる。
ヴィオラ・デイヴィスとオクタヴィア・スペンサー他、>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
こーいう映画を作るのは意義があるし、作り手の熱意はーなんとなくではあるがー感じられる。同監督の『アザー・ガイズ』での皮肉とそのエンディングを見たかんじではという意味で。
だが本作は奇を衒った演出とやけ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「トイレのないマンション」と言われる原発で、世界で初めて「トイレ」(最終処分場)を持つ事ができた国(フィンランド)の「トイレ」と「トイレ」の未来を考えるドキュメンタリー。そしてこの映画を「未来人」にあ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
トムハはいつも同じ演技だけど、なぜかハマるという希有な役者。朴訥で、女の扱いに下手&奥手、そして押しに弱い。
なので、禁酒法時代の“マッドマックス”というかんじ。
もうちょっと悪役ガイ・ピアーズとの肉>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
リベラル風味の西部劇。ちょっと教育的。
グレゴリー・ペックが相変わらず「聖者」然としている。
彼が製作を兼ねているせいか、「おれがおれが」と逆にしゃしゃりでないんだけど、それが悪く機能しちゃってる。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
最後の望遠ショットを待たずとも、「ロバート・アルトマン」という名前と冒頭のナレーションを聞いただけでテーマがなんとなく想像がつく。
広大な西部(リアル)のなかの“ワイルド・ウエスト・ショー”という興>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ドラマを見せるというより、人生のあるシークエンスを繋げたかの様。エリオット・グルードとジョージ・シーガルがギャンブルに興じている時、コールガールの家に遊びに行っている時の時間の流れ。彼ら彼女らの生活を>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
(たしか)脚本家のシド・フィールドがこのホンをクソミソに言っていた記憶があるが、どっこいなかなか面白い。そりゃあ、いわゆるちゃんとした「三幕構成」とか完全無視みたいなヒッチャカメッチャカなやつだけど。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
冒頭の大雪原の中に埋まっている列車を遠景で捉えるショット(最初の2、3分ぐらい)までは何やらすごいSFが始まるぞと思ってたら、そのあとは(ほぼ全部)すごい退屈な時間だった。
しかしなんでこんな近未来デ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
アルトマンがお贈りする、すごーくイヤーなかんじのするホラー映画。いろんな象徴性があるけれど(ドローイングとか名前とか)それを置いといても不穏。この監督にしてはユーモアがない。なんだか(ベルイマンの)『>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ほとんど舞台劇のようだが、二階に、遊戯場に、地下にと移動しまくるので、それほど演劇っぽくはない。ちゃんとあれこれ工夫してある。ただ少し会話劇に飽きてしまったのと、マイケル・ケインの変装がバレバレなとこ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
集団リンチの顔顔顔!そして証人席での顔顔顔!
それらを顔を見れば否が応でもあの傑作『M』の「人民裁判」を思い出す。
最後は、スピーチしてキス、というかんじになり「あらまあ」となるっちゃなるが、良きアメ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
前口上でも言っている通り「古びた」話(モーパッサンの短編)で、物語だけ追いかけると「19世紀のフランスの風俗ってこーなのね」ぐらいしか思わない。
第三者(語り部)が尾行、覗き見しているとしかいえない>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ラングは主人公を「悪の世界」に行かそうとせず、ラストは本人に復讐させない演出をとっている。主人公のアーサー・ケネディではなく、メル・ファーラーの放った弾丸が(復讐の)ターゲットの身体に被弾する。だから>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
Wikiを読むと、「道徳的にいかん」と言う理由(ヘイズ・コード)で原作を改変したらしい。だから余儀なくこの「夢オチ」にしたのか?そうはオイラには思えない。
とにかく物語には「二重性」がつきまとう。犯罪>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ニコラス・レイの処女作にして傑作。
キャシー・オドネルがとにかく素晴らしい。地味で冷ややかな目つきをしている質素な女が、幸福感とともに妙に艶っぽくなる。
バスの中で子供をあやすボウイ(ファーリー・グレ>>続きを読む
デッドエンドなところに住んでいる(住んでいた)ひとたちが、デッドエンドな人生をどう生きるか、というストーリー。
夜のスラムの雰囲気がいい。美術装置が素晴らしすぎる。
シルヴィア・シドニーは家庭的なミ>>続きを読む
台詞の反復、その通りのことがラストで起こる感動。
スリ(リチャード・ウィドマーク)と情報屋モー(セルマ・リッター!)の関係性に泣く。
まさに「石油を掘ったら油田が出た」感のある、ノワールでありスパイ>>続きを読む
原作ファンからお怒りをかってるみたいだが、原作を読んでないわたしには「普通に」おもろかったぞい。
このレビューはネタバレを含みます
吹雪が木々を揺らし、木彫りのキリスト像をなめてクレーンアップすると遠景に大雪原を走ってくる駅馬車が見えてくる。
ハイハットのリズムとともにモリコーネのスコアが鳴り、ブラックスプロイテーション風のタイト>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ギャグニーと最初にキスしたあとのオリヴィア・デ・ハヴィランドの顔がたまらない。そのあと4回ほどキスシーンがあるがみんなかわいいもの。唯一違うのがギャグニーとリタ・ヘイワースのシルエットのものだけ。キス>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
すごい変な西部劇。男の出番なし。
早撃ちの恋人も蚊帳の外。ショーダウンも女同士。
たまらん。
しかしジョーン・クロフォードってどうにも私の中では「ハンガーおばさん」のイメージが強くて、いつもノレない>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『裸のキッス』でも『ショック集団』でもそうだったが、本作でも感情の鋭角な急カーブが見れる。『拾った女』でも見れたが、簡単に甘いキスシーンがフェイドアウトされることなんてない。それがすごく緊張する。焚き>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
質屋の金網ごしのロッド・スタイガーの顔がすべての映画。
「地獄」をフラッシュバックするのがサブリミナル的。主人公の気持ちと同期して一緒に目眩をおこす。
脳裏から消えることのない過去の地獄よりも、生き>>続きを読む
ダサいステージ衣装にダサい歌を歌うキース・キャラダインを見て「ニール・セダカか!」と思い、馬に半裸でのるヒロインを見て、「ゴディバ夫人やな」と呟いた。しかし最後にはやっぱフラー、締めてくれる。
でも正>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
もう序盤から「あーどうせミイラ取りがミイラになっちゃうような話だろなあー」と思って見ていたので、物語の衝撃度は少なかった。ただどうやって主人公が「あっちの世界」に行くんだろう、その一点だけが気になった>>続きを読む