しみじみと味わえる、とてもいい作品。親子の情愛とか、村人との心の交流とか、犬とか、一歩間違えれば押しつけがましいウザさになるような要素が、ひたすら心地よく響いてくる。過酷なのに美しい風景の中で、淡々と>>続きを読む
死んだ妻が掃除機に憑依して帰ってきたというホラーコメディ的に始まるが、次第にどこへ話が向かうのか全く予想不能になる。
130分の作品だが、全く退屈しなかった。映像作品ならではの場面が目白押し。色々考>>続きを読む
恐怖映画のように宣伝されているが全く違う。センシティブな人なら多少の気色悪さは感じるかもしれないが、全然怖くはない。こういう感覚は古くて広い孤立した館ならどこの国でもあることだ。日本にもある。
この>>続きを読む
すごい作品だった。
主人公がいつも笑顔なのが気持ち悪い。こんな気持ちの悪い笑顔を見たことがない。彼はどんどん壊れていくのだが、とはいえ最初からかなり変。例えば年金大臣の肖像画のエピソードとか。で、と>>続きを読む
現在がモノクロで収容所時代がカラーというのが怖い。彼にとって収容所で勤務した日々は輝く青春だったのだろう。
始めのほうで出てくる骨格標本が、収容所でむごたらしく殺した親子と、つながっていく。実はメン>>続きを読む
京都唐長の唐紙文様を中心に、世界の文様を描いていく。これを観て何かを学ぶとか考えるとかいうものではなく、文様の美しさにどっぷりと浸(つか)らせてくれるという作品だろう。全編地味な色合いだが美しい。眠く>>続きを読む
団結を呼びかけるアジテーションの場面もあるのだが、村人たちが助け合って生きる日々の姿を丹念に描いているから、教条主義的な呼びかけではなく心を打つ言葉として響く。
アンデスの山と羊のモノクロ映像はとて>>続きを読む
アン・ジュングンを主人公にしてエンタメ要素たっぷりな映画が撮れるとは思いもしなかった。しかしなかなか良かった。
朝鮮独立への思いは全編にみなぎっているし、日本人は悪いは悪いが鬼畜ではなく人として描か>>続きを読む
福祉などかけらもなかった、第1次大戦直後の貧しいデンマーク。
終始ずっと心がキーンと痛む物語が続く。メインのストーリーが衝撃的なだけではなく、脇の人びと一人一人の存在も深く描かれている。(この夫のよ>>続きを読む
初めは人の見わけもつかず話がよくわからず、雰囲気を味わう作品だと思いながら見ていた。しかし途中から登場人物の見分けがつくようになり立ち位置も分かるようになってくると、がぜん面白くなった。
雰囲気は最>>続きを読む
人形アニメと実写の融合作品なのだが、見ているうちにどれが人形でどれが人間でも構わないというような感じに溶けていく。
話の内容は「あらすじ」に書かれている以上のことは徹頭徹尾理解できない。普通はよくわ>>続きを読む
ひとことで言えばシスターフッドの物語。
登場人物と景観は紛れもなくインドだし、現代インドの抱える問題も出てくるのだが、合作映画ということもありインド映画というよりヨーロッパ・テイスト。
映像は美し>>続きを読む
ナチスの有名なプロパガンダ映画。稀有な才能と悪が結びついた頂点。
構成とモンタージュは素晴らしい。集まった群衆の一人一人の表情が捉えられ、流れていく。みな笑顔だ。合宿した青年たちの朝の様子も本当に楽>>続きを読む
ますますボラーニョそっくりだと思ってみていたら、突如ラブクラフトを思わせる展開。と思ったら全然そっち方向ではなくて……自分の人生を歩もうとする女性の物語というか。フェミニズムではあるが、言語的・理論的>>続きを読む
主人公の定まらない物語であることとか、長いということも含めて、ボラーニョの超長編小説『2666』に雰囲気がよく似ている。それにフェミニズム視点がプラスされているという感じ。
カルメンの物語は印象的だ>>続きを読む
カシミールでのテロと報復攻撃があった数日後というタイミングだったので、神戸元町映画館は満席。
映画は淡々とした描写で説明的なところはない。現地に生きる人々の思いは伝わったが、日本の観客が完全に理解>>続きを読む
早期治療をしていればよかったのだろうが、30年以上前の発病時の精神医療では長期入院となった可能性もあるから、何とも言い難い。
母親はあの年代で女性研究者として家族も持ちながら生きる中でもっと研究した>>続きを読む
ヨルダン川西岸地区にある小さな村で、パレスチナ人の家がイスラエルにより一軒ずつ破壊されていく。その様子が、「アラブの大義」とか「世界の平和」とか大きな主語で語られることなく、「ぼくの村」という小さな>>続きを読む
山奥の寒村に住む人々の暮らしを描いているが、要はダム建設のプロパガンダ。しかし村人の生活描写は魅力的。こういう作品は淡々と描きがちだが、本作は『ウジュムリ』同様力強い。この二作品が散逸せず発見されてよ>>続きを読む
一時間弱のサイレント作品だが、なかなかに面白い。ジョージアというと寒い山岳地帯のイメージが強いが、マラリアが蔓延する湿地帯もあったとは驚きだ。古いサイレント映画にあるクローズアップを多用したモンター>>続きを読む
初めは全然面白くなく退屈だったが、だんだん流れに乗れてくると面白くなってきた。明らかにソ連社会のお役所(民間も含めて)仕事ぶりを風刺している。当時のソ連・東欧の人びとや、その時代を肌で知っていた人々は>>続きを読む
すごくよかった。ジョージア近代史がバックにあるとはいえ、ロシア革命があってグルジアがソ連になったくらいの予備知識さえあれば理解できる。
複雑になりうる物語をほとんど説明なしにわかりやすっく語った脚>>続きを読む
途中何度も眠ってしまった。面白くなかったわけだが、シュールレアリズムの醍醐味は夢と現実の区別がつかないところにあるとしたら、観ながら眠るのもいいかも。
実際、現実に映画を観たのかどうかよくわからなく>>続きを読む
状態の良いフィルムは残っていないとのことで、カラーが完全に抜けてマゼンタっぽい単色。島の風景の美しさはあまり伝わらなかったが、ドラマを観るに支障はなかった。
少年たちが島から逃亡する場面にはスリ>>続きを読む
エルンスト、レジェ、マン・レイ、デュシャンと言った美術界の巨匠たちが原案に名を連ねる伝説のシュルレアリスム作品ということで観に行ったが、オムニバス一作品ごとに寝落ちしてしまった。「入場券で買える夢」を>>続きを読む
感想は「でかい」。アトリエは体育館何個分というような巨大な倉庫で、中は自転車で移動している。火炎放射器並みのバーナーで燃やしたり、重機で作業したり。しまいにはいくつもの建物がある広大な土地全体がアトリ>>続きを読む
低予算でも、短い上映時間でも、ありえないような偶然の設定でも、すごく面白い映画は作れるという見本。楽しめた。
アウシュビッツ収容所の隣で暮らす所長一家の物語。塀越しに銃声が聞こえ煙が見えるが、何とも思っていない。ヘス本人はともかく、妻は収容所に何の関心もない。積極的にホロコーストを支持するわけでもなく、見て見>>続きを読む
福島と沖縄の遅発性PTSD患者と、それに向き合う医師と看護師の記録。
真面目に問題提起がなされているが、ドキュメンタリーとしては予定調和的な展開なのが欠点。診察にカメラが入る限界もあるのだろうが、診>>続きを読む
8分間の、ストーリーもない作品だが、暗く音も少ない「ヴィタリナ」を見た後に続いてみたので、溶岩の輝きと歌でいい意味の気分転換ができた。
旧宗主国のポルトガルにやってきても貧しく何の希望もない。故郷には明るい陽光があり、貧しいとはいえポルトガルにいるよりはましな、人間らしい暮らしが送れそうだ。それでも人々はポルトガルへやってくる。そし>>続きを読む
アイスランドの過酷な自然のなかを、牧師が苦労して辺境へと向かう物語だと思っていた。確かに前半はそんな感じで、自然が過酷ながら美しい。
しかしたどり着いた入植地ではピアノもあるような文化的な生活をして>>続きを読む
過酷な社会で温かく生きる人々をほのぼのと描いた物語かと思ったら、そんなものではなかった。
戦前にはウクライナに匹敵するような飢餓に(政策的に)襲われ、戦中戦後はソ連全土からさまざまな民族・宗教の>>続きを読む
有名な作品だが、あまり面白くなかった。「ここが笑いどころなんだろうな」と思える場面はいくつもあったが、いかんせん時代が違い過ぎて笑えない。核兵器の危機は今もあるが、ソ連はないし水爆も使われそうにない。>>続きを読む
ダンス・音楽、アクション、ロマンス、社会問題、あらゆる映画的要素がてんこ盛り。全部をお皿にぶちまける南インド料理ミールズと同じ、これぞタミール映画。インド映画はどれもそうだが、パワフルで観ると元気に>>続きを読む
始めのうちは話がさっぱり分からず眠かった。しかし映像は終始緊張感を漂わせ(この緊張感はどこから来るのだろう。モンタージュなど存在しないのに)、話も分からなさを含みながらもわかってきて、緊張感はどんどん>>続きを読む