のうかさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

のうか

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ノウイング(2009年製作の映画)

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決定論と結果論、高位存在、ノアの方舟あたりをモチーフとした良質なSF作品。謎を解いたことでたどり着く人類絶滅のピンチにどう立ち向かうか、という物語に見せかけた古典SFです。エンタメの王道をハズしている>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

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県民性(特に一都三県)コメディ。埼玉県民の自虐性を笑いに昇華した作品です。昨今の情勢を踏まえつつも原作準拠のケレン味はさすがの魔夜峰央先生ならでは。耽美な世界観のおかげでヒミツのケンミンショーとは一線>>続きを読む

テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

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ざっくり言えば狂人の話なんですが、本作はテリー・ギリアム監督の創作に対しての狂気が垣間見える私小説的な作品だったように思います。セルバンテスの『ドン・キホーテ』は自らを騎士だと思い込む狂人であり、本作>>続きを読む

メン・イン・ブラック(1997年製作の映画)

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SFコメディの金字塔的作品だと個人的に思っている作品。缶コーヒーのCMもあって、日本国内での知名度は異様に高いような気がします。トミー・リー・ジョーンズの渋さをお楽しみください。
オカルト的に脚色され
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TAXi(1998年製作の映画)

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バディものカーアクション。コメディ要素がそこそこ強めに出てきて驚きました。要素はかなりシンプルで、交通法などどうでもいいヤンチャなドライバーとうだつの上がらないマザコン気質の警官がタッグを組んで犯罪組>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

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クライムサスペンスとカーアクション映画と思いきや、音楽への愛にあふれている作品。音という映像の強みを最大限に活かした選曲センス、そしてリミックスという主人公の趣味、さらには劇伴と合わせたリズミカルな銃>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

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男同士のアツい友情を描いたお話。バカをやり合う古くからの悪友、能力では拮抗する強いライバル、亡き父の同僚だった理解のある教官、ロマンス要素のためだけに雑に添えられたヒロインと、完璧なまでの青春モノのキ>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

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実に三谷幸喜さんらしい安定感と安心感のあるコメディ。政治のような現在進行形の難しいテーマを現実に寄せすぎず、かつ現実の諸問題を茶化して自らのフィールドに引き込む絶妙なバランス感覚はお見事でした。生まれ>>続きを読む

大統領の料理人(2012年製作の映画)

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ミッテラン大統領に仕えた料理人の伝記映画。絢爛豪華な来賓向けフレンチを担当する主厨房とは対極にある私的客向け厨房が舞台。主人公の担当する昼食は肩ひじ張らない気取らないものということなのですが、フランス>>続きを読む

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

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破天荒なコメディミュージカル。クリシェの連続ゆえに全編を通してありきたりなんですが、それはこの作品が一時代を創った金字塔で、さんざん引用されたり教科書として下敷きにされてきたということなんでしょう。一>>続きを読む

累 かさね(2018年製作の映画)

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美醜のお話。原作にあったような顔を奪う側×奪われる側の嫉妬の感情のみを掬い取ったような作品になっておりました。導入や基本設定こそ同じですが、テーマ性はメッセージ性は違うと考えたほうがよさそうです。累の>>続きを読む

ジーサンズ はじめての強盗(2016年製作の映画)

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老い先短いおじいちゃん3人組のクライムコメディ。犯行の動機が孫ともっと会いたいだとか年金未払いだとか、お年寄り特有だったりするあたりに社会的な問題も感じたりします。おじいちゃん特有の完璧なアリバイ(特>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

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食い止めてくれないと逃げ出してしまう、自意識の葛藤。おひとり様という生きかたは居心地がよいけれど、相反する感情もある。それは同僚のような恋愛であったり、親友のような結婚であったりでの変わっていく人々を>>続きを読む

スクランブル(2017年製作の映画)

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カーアクション版オーシャンズという感じのクライム作品。騙しの手口を楽しめる作品なのはもちろんのこと、南仏マルセイユの情景が美しい。クライマックスで走り回っていた場所は屈指の映えスポットだったように思い>>続きを読む

引っ越し大名!(2019年製作の映画)

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ゆるいお引越し時代劇。時代考証ガチガチというわけでなく、砕けた口調であったり、和製ミュージカルのような演出が入ったり、気軽に観られるコメディ映画でした。実際に七度も領地替えになってる大名がいたといたと>>続きを読む

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

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性善説とギリシャ神話ベースの世界観を信じる神殺しのスーパーウーマンが、世界大戦を引き起こしたとされる邪神と戦うお話。等身大の人間として苦悩も葛藤もする点は原作準拠しつつ神話的なシナリオ運びであったよう>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

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クソつよつよウーマンの誕生秘話であり、アベンジャーズエピソードゼロでした。「女だから無理だ」を何度も何度も負けん気で跳ね除けてきた過去からして女も強く生きていい的なメッセージはもちろん込められていると>>続きを読む

おんなのこきらい(2014年製作の映画)

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「女の子はかわいい」けど「かわいいだけじゃダメ」だから「なら世界を変えるしかない。この話はもう終わり」というオープニングテーマで結論が出されている作品。自分を殺してまで、他者に(特に男性に)「かわいい>>続きを読む

プロメア(2019年製作の映画)

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中島かずき氏の真骨頂たるまさに燃える熱血漢のお話。TRRIGER作品はグレンラガン、キルラキルと観てきましたけど、本作もその例にならった特異な映像・色彩表現でした。分類としてはセカイ系なのでしょうが他>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

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偏屈なおじいさんと隣人の少年の友情のお話。白人至上・男尊女卑と絵に描いたようなアメリカの古い価値観や、人生の最後に生きた証を残そうとする行動原理はまさしく等身大の老人と呼べるキャラクター造形であったよ>>続きを読む

フューチャーワールド(2018年製作の映画)

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マッドマックスとかウォーターワールドみたいなポスアポ世紀末モノのお作法をきちんと踏襲している本作。物資不足だったり、売春街が栄えていたり、無法者がのさばってたり、ドラッグジャンキーの街があったり、と終>>続きを読む

クール・ランニング(1993年製作の映画)

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ボブスレーに挑むジャマイカ選手団のエピソードを元にしたお話。今からすると王道も王道の展開で、さほど間延びしないようエピソードが詰め込まれていたように思います。あと30分くらいプラスしたら、あまりフィー>>続きを読む

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

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同居人はうだつの上がらないブルーカラー男。昔不倫してた金持ち男。イマカレ。これら3人の身勝手な男たちに翻弄されてきた主人公の日常が、少しずつ狂い始めるミステリでした。
さて。不倫男にばかり惹かれてしま
>>続きを読む

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

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社会性に問題はあるが天才肌のJK小説家が巻き起こす波乱を描いた作品。全編に渡って鮎喰響の不器用さは描かれるものの、不器用になるに至った経緯だとか理由が説明されないので、同情しにくい暴力女に仕上がってい>>続きを読む

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

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何を書いても大ネタをバラすことになるので多くは語れませんが、単なる出オチではない作品です。無力感と寂しさに苛まれている主人公が出会った、さながら十徳ナイフ(スイスアーミーナイフ)のような水死体とのふれ>>続きを読む

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

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エニグマ暗号解読に挑むチューリングの伝記作品。コンピュータサイエンスを齧っている人間なら知っていて当然な偉人アラン・チューリングの活躍を描くというよりは、普通がよしとされる時代において「普通じゃないこ>>続きを読む

エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)

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発明家と実業家による直流・交流戦争を描いた電気の伝記作品。主役であるはずのエジソンが明らかに悪人として描かれているので「エジソンは偉い人」くらいの認識だと驚くかもしれません。でも実際やってるんですよね>>続きを読む

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)

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元になった実話は知りませんが、現代人にもわかりやすいドラマで脚色がなされたコメディ時代劇。困窮のおらが町のために私財を投げ打つ寄付行為がテーマで、それを偽善だと笑う人、実際に売名行為であった人、あるい>>続きを読む

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

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シリーズの伝統である大胆で破天荒かつ緻密な盗みはそのままに、女子会的なわちゃわちゃした雰囲気も詰まった作品でした。全員同じ目標に向かっていること、あと線引きがはっきりしているのでチーム間の人間関係のゴ>>続きを読む

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009年製作の映画)

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独身最後の夜をバチェラーパーティーというそうな。「過去に何があったか気になる」記憶喪失モノの構造を利用した、どんどん想像を裏切っていくコメディ作品。ラストのスライドショーまで含めて完成です。みんな持ち>>続きを読む

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

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ラテン音楽のノリのよさと、NYのヒップホップ・ラップのキレ味。これだけでも充分楽しいのに、豊かな色彩による絵づくりや画面いっぱいにうるさいくらい踊るダンサーたち。途中、フリースタイルめいた掛け合いもあ>>続きを読む

教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)

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邦題の妄想殺人とコメディでいろいろ期待してしまったけれど、まったく違う方向に転がっていくお話。完全に独善的で身勝手な主人公なのだけど、罰せられてほしいなんて思わなかったあたりは人物的な魅力だったり演出>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

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コドモにとって歳の近いお兄さん・お姉さんというのは、オトナだけど周囲のうるさく言うオトナとは違う「最近までコドモだったから気持ちがわかる、理解者」。だからこそ素直に心を開けて距離も近づくのだけど、他人>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

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「NPCがプログラムされた生き方から外れる」ってテーマは大好きだし、NPCならそう思うよねって展開を欠かせない、カユいとこに手が届く作品でした。面白かったー!
でも、最後の最後、開発者の出した結論はち
>>続きを読む

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

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息をつかせないけれど、「ワッ!」と驚かすような演出は控えめ。ジャパニーズホラー的。音効で怖がらせポイントを教えてくれるのがホラー苦手な人としてはありがたい。作品がリアル寄りなので解剖シーンがかなりグロ>>続きを読む