Vermontcurryさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

Vermontcurry

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ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

4.5

冒頭のド派手な街宣車と結婚式で飄々と自身の犯罪歴を語る奥崎謙三に笑ってしまったが
決してそんな面白おかしい映画ではなかった。
凄惨なニューギニア戦線とその地獄を抱え続ける帰還者の苦悩は想像を絶する。
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

傑作だった。
信仰について訓える聖書の1エピソードを聞かされているような妙な感覚。
江戸幕府のキリスト教排斥はやりすぎという一方でイエズス会のアジア布教も傲慢な点があったのは事実で
きちんとそれらを多
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しあわせの隠れ場所(2009年製作の映画)

4.0

たまにある登場人物全員良い人映画。
教科書通りのような作りだがストレートに面白かった。
邦題の意味はよくわからない。

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い(2015年製作の映画)

4.5

2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻においての中継映像でよく目にするキエフの独立広場。
その8年前に同広場を拠点とし数か月で革命へと繋がった反政権デモのドキュメンタリー。
日本人の感覚からし
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氷がすべてを隔てても(2022年製作の映画)

3.5

行って帰って終わりかと思えばそこからがまさかの本番だった。
雪原や氷床でのサバイバルはどうしても単調になりがちだが
極寒の地で正常心を保てなくなる様はさながら『シャイニング』のようで
その展開や演出が
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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

5.0

これはその日のうちに何度も反復できる配信で視聴できて本当によかった。
「サブプライムローン」「MBS」「CDS」「CDO」「合成CDO」などといった
一般生活では聞き馴染みのない専門用語が最低限の説明
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マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

2.0

この作品を監督が主演兼任で撮影したというのが一番凄い。
並のナルシストではこの映画は撮れないだろう(経緯は持ち込みではなく委任らしいが)。
家族愛との間で揺れる不倫を描いた映画は数あれど
それを赤裸々
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永遠の0(2013年製作の映画)

3.0

単に戦争や特攻美化と揶揄されることも多い本作だがそれは違うと断言できる。
後半にかけて伏線を回収していくのは映画的で素直に面白かった。
ただ三浦春馬演じる孫の感情吐露は所々過剰に映るし
涙を煽る大仰な
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

4.0

カラーで蘇るカサブランカ中心街と砂漠のコントラストが眩しく
不謹慎ながら夜間のロンドン空襲の映像が綺麗で印象的。
中盤まではこれどういう映画なんだとよくわからなかったが
終わってみたら起承転結がしっか
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オーディブル: 鼓動を響かせて(2021年製作の映画)

3.5

高校生とは思えないほど皆強くそこらへんにいる大人よりもよっぽど大人だ。
『サウンド・オブ・メタル』や『コーダ』にもあった聾者にとっての振動の重要性は
こういった作品に触れないと聴者の自分は理解できなか
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キネマの神様(2021年製作の映画)

2.5

映画会社100周年記念の回顧作としてはまあ良いんじゃないか。
過度に再現されている昭和の台詞回しやオーバーリアクションだが
現代パートにまでそれを持ち込まれると演技の臭さが鼻に付き自分には全く合わず。
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.0

特に中盤以降は惹き込まれたなぁ。
なぜ映画とボクシングはこれほどにも相性が良いのか。
10~20代に心血を注ぐも実を結ばなかった夢が
後の人生において触れたくない過去になるのかそれとも良い思い出になる
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.0

エンドロールめっちゃ格好いいな。
リスクの大きい生き方で成功したがこれがもし上手くいかなかったらという懸念は
同じウィル・スミス主演の『幸せのちから』でもチラついた事。
原題や父親の偏屈な描かれ方で決
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ホーム・チーム(2022年製作の映画)

4.0

伝記物かと思いきやまさかのスポ根コメディ。
実在の人物がモデルで割と最近の話をここまで脚色するのは珍しいのでは。
七面倒臭いメッセージ性は抜きでスポーツを楽しむ事やベンチ要因へのフォローなどツボはしっ
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この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)

3.0

トム・ハンクスもいよいよお爺ちゃんになったな。
程よくメリハリや緊張感があり2時間ぼんやりと観るのにはぴったりだった。
ストーリーはとてもシンプルで道中の荒野で起こる数々のイベントはB級感もある。
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

『囚われたベストセラー』って観終わって初めてわかるが派手にネタバレしてる副題だな。
ミステリー部分は常に予想を一歩超えてきて概ね満足。
刑務所に入っていたのは翻訳家ではなくオーナーだったと判明する中盤
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7番房の奇跡(2013年製作の映画)

3.5

思っていたよりもライトでシンプルに面白かった。
韓国映画は重厚でドロドロしたものばかり観ていたから新鮮な気分。
ただ泣くまではいかなかったかな。
そもそもの設定や終盤のサプライズがフィクションとはいえ
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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

未解決事件を割と忠実に再現しているためか結末はぼんやり。
長年に渡る一進一退の調査が中心のストーリーに疲れも感じたが
最後リーに対面したグレイスミスの表情で全てを許せた気がする。
殺人場面の緊張感はフ
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.0

久々に観返すもやはり名作。
脚本と編集のテンポの良さで2時間があっという間だった。
IQと20違うと会話が成立しないと言われている様をイラ立つほど上手く描いた冒頭と
同類の天才と出会い会話が見事に嚙み
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

3.5

普通の家族が世界を救うヒーローになる
世界最先端技術を使ってめちゃくちゃ本気出して作った劇場版クレヨンしんちゃんのような映画。
大人でも笑えるギャグもそこそこ有り。
子供がいたら家族みんなで観たいタイ
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私の帰る場所(2021年製作の映画)

2.5

新しく知ることはあまり無かったというのが正直なところ。
街全体のタイムラプス遠景・ホームレスの生活・一般人の生活を連続して映し出す編集について
同じ街に住むが生活環境はまるで違う人々の対比表現という意
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私の親友、アンネ・フランク(2021年製作の映画)

3.5

そういえば『アンネの日記』も知人の悪口や異性への興味といった
どこにでもいる思春期の女の子らしい内容で大半を占められていたのを思い出す。
収容所解放後に発見された大量の身元不明の犠牲者にも
それぞれの
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ドロップ(2008年製作の映画)

1.0

1mmも格好良いとも羨ましいとも思えない。
卒業式だけあんな形でへらへらと参加したり家族に手を出したりしても
最終的に回りの人間が拍手で自分を歓迎してくれるのが理想の世界なんだろうか。
こんなタイプの
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ベナジルに捧げる3つの歌(2021年製作の映画)

3.5

扱っている内容に相応しい表現かどうかは疑わしいが
ドキュメンタリーとは思えないほど美しく計算され尽くした構図の連続で息を呑む。
描かれなかった2021年のアメリカ軍アフガニスタン撤退と瞬く間のタリバン
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

4.0

かなりの満足感。
長尺だがテンポが良くキリスト教に詳しくない自分でも理解しやすい内容。
狭い世界で相関図が後半に向けて絡み合っていく個人的に好みな展開。
懺悔・赦しや運命といったテーマを大統領のベトナ
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.0

面白かった。
アメコミの絵をそのまま動かすというコンセプトが高い技術力により大成功。
ノー・ウェイ・ホームよりこっちが面白いと言う人も多いのも納得。

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

離婚寸前で心は離れてしまっているのに
互いの癖や食の好みなどは誰よりも熟知しているという奇妙な感覚。
精神的に1番辛い時間は過ぎどこかドライに身辺整理する短期間の独特な時間を描いた映画。
調停が不利な
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.0

中盤までは間延びするほど丁寧に
終盤ではザクザクと切り取ったような描写が
まるで役所広司の精神状態にリンクしているかのような気味の悪さ。
直接的なグロもあるにはあるがそれよりも全編に渡りとにかく不気味
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ペイ・フォワード 可能の王国(2000年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ペイ・フォワードのスタートと現在地点の距離が縮まっていく面白い構成。
どう繋がるのかと予想がつかず目が離せない。
最後の展開は疑問。
そりゃ人はいつ死ぬのかはわからないし生前に上手くいくとも限らないが
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.0

強烈。
起承転結だけではなく親の傲慢無知さといった情報や
子に思想が受け継がれる悲劇のメッセージ性まで短い時間でしっかりと表現。
20分でここまでやられると映画って2時間もいらなくねと極端な考えすら浮
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.0

ミュージカルと知った上で観てこれを言うのもなんだが
ここまで全編に渡って歌に乗せて進むほど成分が濃いのは苦手。
詐欺夫婦の娘が歌上手かったし良い役だった。

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.0

期待していたほどではなかったというか。
量産される有象無象の低予算ゾンビ映画のようなもんではないにしても普通な印象。
今だ走れドア閉めろのパターン多すぎじゃないか。
かまいたち山内みたいなおっさんのヒ
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葛城事件(2016年製作の映画)

2.5

実際の殺人事件をモデルにした映画もいささか食傷気味。
ひたすら胸糞を追求するのなら事件の顛末が記されたWikipediaでいいんじゃねえかという気持ちは否めない。
獄中結婚の相手は扱うならもっと掘り下
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映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.0

シルクハットのお前がプペルじゃなかったんかい。
西野の好感度やマーケティングの胡散臭さは抜きにして
絵本原作の子供向けアニメとして見たら悪くはない。
作画は綺麗だし芸能人で固められた声優も意外と自然。
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

2.5

国籍と言語の壁の存在を強く感じた。
これネイティブじゃないとダメなやつだ。
ウッドベースに合わせて口論してる所とか多分すごくお洒落なことやってるけどいまいち伝わってこないのが悔しい。

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

2.0

学問に生きる女性の育児ノイローゼと
多忙に埋もれた才能を認めてくれる高名な学者との情事の末の逃避行はもはや黄金パターンなのか。
その記憶がフラッシュバックしやり直せない過去を悔いる現代パートが本作の肝
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