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天元突破グレンラガンのno6clubのレビュー・感想・評価

天元突破グレンラガン(2007年製作のアニメ)
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庵野秀明がガイナックスを去り、残った精鋭アニメーターたちで作り上げた、ガイナックス最後の良心と呼ばれている伝説作品 天元突破グレンラガン…その後精鋭アニメーターたちもガイナを離脱…これまんまグレンラガン最終回じゃないか?

完全に個人解釈なのですが、この作品で言ってる「ドリル」って、「アニメーターにとっての鉛筆」なんじゃないかと気づいた瞬間あっと声を上げて驚きました。「毎日ドリルで穴を掘り続ける」→「毎日机に向かってひたすら絵を描いていく」 「村長は喜んで俺にステーキをご馳走してくれる」→「描けば描いた分お給料を貰える(少なくともこの頃のアニメーターはほぼ歩合制だったはず)」 「じゃあステーキのために穴を掘るのかって言われたらちょっと違う。穴を掘っていくと時々お宝を掘り当てるから」→「お金のためだけってわけじゃない。何百枚も何千枚も描いていくとそれが神作画になることもある」
的な感じでさーーーー!!!!私は思っちゃってよーーーーー!!!ドリルはお前の魂だってカミナが言ってたけど、アニメーターにとっての鉛筆も魂そのものだよね。

庵野秀明がガイナックスを去ったのと、8話でカミナがいなくなったの、かなり重なる。それまでその人に憧れて、一緒に仕事がしたくて、指標としていた人が去ってしまったときの不安喪失感は凄まじかったと思う。残された者たちはどう生きるかですよ。君たちはどう生きるかですよ。シモンたちはドリルで天も突き破っていったんですね。グレンラガン制作チームもひたすら描いて描いて描きまくって作品を完成させたんですね。

正直、私はロボもメカもまったく興味ないし良さがいまだに分からないんだけど、グレンラガンは好きなアニメーターさんが大勢集結してるし、先に映画プロメアを観ていたのでそのうちこちらも観ないとなあという気持ちで視聴していて、結構最初から最後までストーリーそのものはほぼ刺さらなかったんだけど(26話と最終話で良さが分かった)、とにかく作画が神すぎて見続けられたなと思った。まああの神メンツだからこうなるよなとは分かってたけど本当にすごい。16年前の作品とは思えない。錦織さんの世代時代に影響しないキャラデザで、今この令和に新作ですっつってリリースしてもまったく違和感ないのすごすぎる。26話の平松さん作画、大好きすぎる。偽カミナが頭下げてるときに出てくる本物カミナのシーン。平松さんカミナの顔、フリクリのハル子そっくり。

カミナ、「あいつは俺たちの心の中でいつまでも一緒にいるんだ」的なキャラクターの最頂点って感じする。ほんとにかっこいいよ。ここまでアツさと勢いで乗り切るアニメを他に知らないぜ。作中の「怖いに決まってるだろ。でもやるしかねえんだ。これしか能がねえんだ俺は。」というセリフ。映画プロメアの「俺たちは燃やさなければ生きていけない。」というセリフ。これどっちも今石監督と中島かずきの創作魂のことを言ってんだよな!?俺はそう受け取ったからな!!!
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