序盤、異様で魅惑的なビジュアルの世界で、奇妙で謎だらけな敵と戦う不思議な展開で、いったいどんなお話なのかなと思って観はじめました。それが少年漫画で定番的な、特殊能力を駆使した頭脳バトルものに落ち着いていくのが意外でした。気とか波紋とか念とか呼吸みたいなあれです。
でもその能力の源になっているタオにうまくテーマ的なものを絡めているのが面白かったです。強さと弱さをどちらも受け入れる中庸が大事で、弱さは決して克服して消し去るようなものではないということでしょうか。弱さを肯定する、自己責任論から共感と利他への変わる社会を象徴しているようです。
でもなんといっても島のビジュアルを眺めているだで楽しいアニメです。美しさとグロさの間の絶妙なバランスを保っていて、作中でも宗教のミックスだと語られるように、一見華やかで彩り豊かに見えつつも、混沌とした要素の寄せ集めが人為的な作り物感による気持ち悪さを絶妙に醸し出していました。人間が花化する描写とか、天仙様が男女入れ替わるところとか、気持ち悪いけどなぜか見入ってしまいました。
