基本は主人公の薬や医学の知識を使った謎解きミステリーなのですが、そこにこれでもかといろんな要素が詰め込まれてます。
まず主人公の猫猫の人物描写が、かなりはずした要素の重ね合わせで複雑です。美青年を前にして恋愛に興味なし（今の所）、それが薬に対する欲求に置き換わっています。少女なのに性格はおっさん、でも実は着飾れば美人。そして生い立ちは複雑。もし自分が中2だったらこういう設定大好きで、かなりハマってただろうな、と想像してしまいました。
よく考えたら、これって転生ものと同じ構図じゃないかなと思いました。例えば、製薬会社で働く中年男性が、可愛い少女のとして昔の中国に転生したら、という設定だとしても違和感なさそう。そいういう意味で、女性にも男性にも刺さる設定なのかもしれません。
舞台が後宮ということもあり、ポリコレ的な内容になるのかな、と見る前に心配していました。でも変な主張のような要素は一切なかったので安心しました。主人公も普通に可愛くてモテてるし。男性の視線を避けるために不細工な化粧をするというところに若干その要素がありそうですが、結局は化粧して着飾って目立つシーンを入れている時点でルッキズムを否定してはいません。
