1話だけでも観る価値ありです。リアルすぎるブラック企業での鬱展開からゾンビで崩壊した自由な世界へ飛び出す爽快感はすごいです。白黒を多用した鬱世界から、カラフルな血で彩られたゾンビの世界へいっきに変化するビジュアルも最高です。
無力感、恐怖、服従といったブラックな社会に洗脳されるメカニズムや、深層心理への刻まれ方などの描き方がリアルすぎて少々重たいシーンもありますが、その分カタルシスも大きいです。
一方ヒロインは自分を客観的にコントロールする意識高い系で、これまたリアルです。
終盤の敵勢力は、社会から疎外され社会に対し復讐しようとする人達ですが、悪人でありながら憎み切れないです。映画のタクシードライバーやジョーカーのように、そこに至るまでの経緯が丁寧に描かれます。その心理は少なくとも理解はできるものなので、むしろ同情すらしてしまいました。業を抱えながらゾンビ化していく彼らの姿は、鬼滅の刃で鬼になる流れを回想しながら死んでいく敵に似たものを感じました。