あんへる

イリヤの空、UFOの夏のあんへるのレビュー・感想・評価

イリヤの空、UFOの夏(2005年製作のアニメ)
3.1
【2005年OVA作品{全6話}】

原作は2000年代を代表する名作ラノベ。

個人的に「セカイ系」という言葉はあまり好きではないんだが、本作を語る上では切っても切り離せない要素の一つではあると思う。
そもそも定義が曖昧な言葉ではあるので一概には言い難い部分はあるが、良くも悪くも本作はセカイ系のテンプレ的作風と言えるのではなかろうか。

雑に言ってしまえば、ボーイミーツガールから始まる壮大なSF要素を絡めたひと夏のラブロマンスという、今となってはだいぶ使い古された物語ではある。
確かに一昔前はラノベのトレンドではあったが、悲しいかな、新海作品のようなアニメが一般的に認知され切った現代では単に古臭い作品としか見えなくなってしまっている。

イリヤの謎が徐々に明かされていき、悲劇的な結末へと向かう後半のプロットなんかは個人的に好みではあるが、所々唐突な部分が多く今一つストーリーに入り込めない。
物語の締め方としては、程よい余韻と切なさを残した美しいラストだったと思う一方で、映像作品としてイマイチ効果的な山場を作れていないところなんかは物足りなさを覚える。

同時期の他のラノベ&セカイ系ジャンルの有名作などと比較しても、正直時代と共に色褪せてしまっている感は否めないかな。
ブギーポップのような鮮烈なコンセプトや、ハルヒのような緻密な世界観・設定の構築、こうやって考えるとイリヤには他作品が容易に真似できないようなオリジナリティーが決定的に欠落しているように思えてしまう。

上手い事現代的なニュアンスを加味しつつ、もし京アニかPA辺りで再アニメ化してくれたら十分ハネるような気もするが、まぁいろいろと現実的じゃないですよねーw

なろう系作品の台頭以降は、ラノベアニメの主流は専ら異世界モノだしな…
まあ異世界モノとか俺TUEEE系も良いんだけど、個人的にこの頃のラノベ界隈の多くの作品には勢いと可能性を感じた。
ラノベ独自の文学ジャンルを確立していたというか…

おっと、また関係無い事を語り出しそうなんでそろそろオサラバしやーす。←


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[主題歌]

OP
 今井ちひろ「Forever Blue」

ED
 今井ちひろ「ひまわり」

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