【2013年秋アニメ作品{全13話}】
『ああ…WHITE ALBUMの季節だ…』
原作はAQUAPLUS(Leaf)の名作エロゲ。
三角関係の青春を描く恋愛劇。
前作(無印)の題材はアイドル物だったが、今作は軽音部ってかバンド物。
前作から約10年後の世界が舞台になってはいるが、ストーリー上の直接的な繋がりは一切なく作品として独立している。(前作からの人物名や楽曲の引用はある)
この時間がずっと続けばいい。
いや、醒めない夢であればどれだけよかったんだろう。
それとも、初めから全てが間違っていたのか。
思えば、あの三重奏が生まれた瞬間から、既に破滅へと歩き始めていたんだろう。
冬になり、雪が降る度に思い出す宿命のホワルバ2。
人間の色恋とはドロドロとした複雑怪奇なもので。
この生々しい三角関係を見せつけられて、切なさを覚えるのか不快感を覚えるのか。
捉え方が受け手によるのは言わずもがな。
自身で自覚し、容易に制御できる感情ではないのが恋という名の情念の恐ろしさ。
そして気付いた時にはもう遅い。
憧れに混在する恋心に無自覚のまま春希は歌詞を書き、かずさも曲を作る。
そして、この「届かない恋」という楽曲に込められた二人の想いを読み取り、押し殺し、唄う雪菜…。
これ以上に残酷な構図とメタファーってあるんだろうか?
物語の中盤以降はヒロインの勝敗を確定付けつつ、最終盤での焦点は勝ちヒロインではなく、敢えて負けヒロインの方に主語が移る。
これ以上は見てられない位に悲劇的な結末に映るが、見る者の心へ確実に傷痕を残す。
虚無感の中でこそ光り輝く、確かな負けヒロインの美学がここには在った。
何より、最後の「届かない恋」の破壊力たるや…。
ラストシーンから、これでもかと感情を揺さぶられる。
まさに胸を抉られる名曲と呼ぶに相応しい圧巻のラストナンバーだった。
やっぱり楽曲が本当に素晴らしいのよ。
切なさが全身に染み渡るようなホワルバの名曲の数々は決して色褪せないな。
勿論サントラは所持してるんだけど、「優しい嘘」と「幸せな記憶」は特にお気に入り。
未だに毎年冬になると必ずヘビロテする。
本作は原作の「introductory chapter」部分のみの映像化だが、いつかこの続きも映像化して欲しい。
ここからがホワルバ2の真髄なんよ。
毎年地味に待ってるんすよね。。
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[主題歌]
OP
上原れな「届かない恋 '13」
ED
上原れな「closing '13」「さよならのこと」
津田朱里「Twinkle Snow '13」
小木曽雪菜(米澤円)「届かない恋」Live at Campus Fes(TV anime ver.)
[劇中歌]
小木曽雪菜(米澤円)「WHITE ALBUM」「悪女」「SOUND OF DESTINY」「White Love」「POWDER SNOW」
上原れな「After All 〜綴る想い〜 '13」
上原れな、津田朱里「Free and Dream」
緒方理奈(水樹奈々)「ガラスの華」
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