あんへる

かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-のあんへるのレビュー・感想・評価

4.7
【2022年春アニメ作品{全13話}】

たぶん、ラブコメディの一つの到達点じゃなかろうか。
というか、エンタメ作品の真髄をみた気すらする。

「不幸でい続けることは怠慢だし、幸せになろうとしないことは卑怯だよ」

何処ぞの無表情で無愛想な式神童女の台詞を借りてしまったが、やはり“物語”の本質とはこうあってほしい、という願望を形にした作品だったと自分は感じるわけで。
要するに、不遇な現状に甘んじる生き方は怠慢であり卑怯だ。
“物語”を生きる以上、可能な限り幸せを追い求めるべきである。
少なくともこの作品の登場人物達は、そこを根本で弁えてると思った。だからこんなにも惹き込まれる。

不幸なくらいで許されると思うな。
ハッピーエンドを目指すべきだ。

―――僕はキメ顔でそう言った。(CV.早見沙織)


で、実際あらゆるクオリティがバケモンじみてた。
ずっと面白いし、ニヤニヤしたり腹抱えて爆笑したり泣きそうになったり心臓ギュってなったり、あれ?ワシの情緒おかしくなったんかな?とかちょいちょい思った。てかコロス気デスカぁ?

もはや見所とか見応えとか、そういう次元の話ではなく、言うなれば1クール毎話が神回であり、すべてのカットがオールハイライト。
ラブコメの見せ方としてもドラマの見せ方としても、制作陣の仕事の細やかさがそこかしこからビンビンに感じる作りになってるのが何より堪らない。
ライティング一つとっても、そのシーンのムードを損なわず且つアニメならではのディテールへの拘りがエグい。
特に演出面の気合いの入れ方というかリソースの割き方は、ちょっと狂気すら覚えるレベルといいますか。いや、言ってもこれ一応ラブコメなんですよね…。w

勿論、1期2期と蓄積あっての本作の立ち位置ではある。ただ、やはり優れている。これ以上は言い表し様がない。
諸々のパロディネタとか、今期の石上の男としての株の上げ具合とか、無駄にハイクオリティなラップバトルとか、ツンデレ先輩の可愛い所とか、古賀葵の役者としての凄さとか、マーチンって意外とこしあん派なんだねとか(違う、そうじゃない)、まあ褒めちぎろうとすれば幾らでも褒めちぎれるんだけど、これ以上ダラダラと書くのは自分としても読む方としてもしんどいと思うんで止めます。
取り敢えず、アニメとして素晴らしい完成度の作品でした。これだけ言っときます。
というか、基本言いたい事はそれだけなんで。

ただ一応既に続編の制作も決まってるっぽいんだけど、正直、話の流れというか展開としてはここらがピークなんじゃないの?って個人的には思ってしまう。実際それくらい完璧に近い締め方だったと思ってるし。
まあこの作品に限って冗長気味になり作品の価値を損なうなんてことにはならないとは思うが。
いや、ラストの早坂の台詞でタイトル回収とかめっちゃ綺麗にオトすじゃんとか思ったやーん。

あと、やっぱり今回もED映像が凝ってて良いよね。
今回はスターシップトゥルーパーズのパロディだった。ちなみに1期のEDから繋がってるっぽい流れもグッときた。
どーでもいい話だけど、ここで個人的にマブラヴオルタの桜花作戦っぽいイメージを勝手にEDに重ねて毎話地味に泣きそうになってたのは内緒。

あーーこの余韻に浸ってたいから、しばらくはヘタなラブコメものなんて観たくもないねー・・・・・(フラグが立った音がした)


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[主題歌]

OP
 鈴木雅之 feat. すぅ「GIRI GIRI」

ED
 鈴木愛理「ハートはお手上げ」
 白銀御行(古川慎)藤原千花(小原好美)「My Nonfiction」


[挿入歌]

 國土佳音「あなたの♡にヘッドショット!」

 早坂愛(花守ゆみり)「悲しくて lulululu」

 告RADIO Loves 花守ゆみり「春色リップ」

 halca「センチメンタルクライシス」

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