tak

ツルネ -つながりの一射-のtakのレビュー・感想・評価

ツルネ -つながりの一射-(2023年製作のアニメ)
4.0
高校弓道部の青春アニメ第2シーズン。チームとしての結束、それぞれが抱える思いや悩みが絡み合っていく過程が、ライバル校のメンバーをも巻き込んでストーリーが幾重にも重なっていく。個人競技と思われがちな弓道だが、一人がみんなをリードする様子やチームのために自分ができることを探す様子が描かれて、個人の立ち直りが中心に描かれた第1シーズン以上に引き込まれる要素が強い。

緊張感が画面から伝わってくる試合シーン。的に当たる🎯と、こっちまで「よーし!」と叫びたくなる。彼らが矢を放つまでにどんよりした気持ちに襲われると、足元に澱んだものがたちこめたり、それぞれが意識を集中するポイント(?)に波紋のような描写が添えられる。心情をビジュアルに変換するうまさ。緑の葉🌿が舞い落ちる描写は、青春の表現なんだろう。とても爽やかに映る。これが薔薇🌹の花びらだったら「パタリロ !」になるよな、とつまらない想像をする私💧(失礼しました)。

第2シーズンで印象的なのは、登場人物それぞれのキャラクターが掘り下げられている事だろう。風舞高校の5人だけでない。桐先高校の貴公子愁くんの生い立ち、リッチな家庭に育った彼が弓道を通じて周囲とどう関わってきたのかが描かれる。特に人懐っこい遼平との交流で、彼を取り囲んでいた壁が取り払われていくのが印象的だ。第1シーズンで嫌われ役だったドッペル兄弟もはやけを経験して人間的な成長を見せる。そして湊や静弥、愁とは中学の先輩でもある辻峰高校の二階堂の存在が、ドラマをかき回してくる。何のために弓を引くのか、射場に立つのか。その意味を考えさせるきっかけとなる大きな存在だ。

脇役キャラも素敵な存在。風舞女子部員のいかにも京アニらしいキャラクターも相変わらずいい。男子たちを冷やかに見ているようで、理解者でもある。今期では桐先のアイドルヲタ佐瀬先輩が好き。「のりりんにこの射を捧げる!」に爆笑🤣。いやいや、好きって万事に置いて強烈な推進力になるのです。辻峰で二階堂を見守る不破、豪快な大田黒もいい存在感を示す。

OP曲はラックライフの「℃」。仲間とのつながりから感じるぬくもりが、前向きな力になっていくことを高らかに歌う。サビの四分打ちドラム🥁に、思わずヘドバンしてしまう長女と私w。なんか四分打ち好きなんよねー。変ですか?
tak

tak