シバザキ

幽☆遊☆白書のシバザキのレビュー・感想・評価

幽☆遊☆白書(2023年製作のドラマ)
3.9
 アクションは割といいし、全5話と短めの尺でまとまっていて好印象。日本の作品特有のダメなとこもあるっちゃあるが、ネトフリの潤沢な予算を使って魅せるとこはちゃんと頑張っていたので期待よりは満足度が高い。

 傑作であるハイローシリーズのアクション監督が起用されていることもあり、戦闘シーンは非常にスピーディかつタクティカルで面白かった。1話に1つ以上はちゃんと見せ場アクションを用意していたし、妖怪の人知を超えた体の動きが表現されていてそれだけでも見た価値がありました。第1話の背面這いつくばり移動とは「TENETのアレやりたかったんだな~」とほほえましくなっちゃう。あと第1話の比較的リアルな交通事故のシーンはすごい印象的。

 原作の13巻くらいまでを一気に5話までまとめたらしく、原作未読の自分でもすごく巻いて話進んでるなと感じた。でも不自然というわけではないし、コンパクトに見れてよかったと思います。キャラも好きになれたやつは魅力的だし、特に桑原と左京と戸愚呂兄のハマりっぷりがすごい。このドラマはこいつらみたいに異様なまでに役にフィットしている奴とそうでない奴との落差が激しい。

 原作が古めの漫画ということもあるが、戦闘していないシーンではウソみたいなセリフを吐く奴が多いのでそこは辟易してしまった。特に蛍子とぼたんはヤバい。原作を忠実に再現したらいいってもんじゃないだろ。百歩譲ってぼたんはあまりにもウソ過ぎて逆に面白さが発生していたけど、蛍子が画面に登場するたびに「あと数分はつまんないパートが続くな」と覚悟せねばならないほどヤバかったと思う。綾野剛の戸愚呂弟もつまんないおふざけを見せられているようでキツカッタデス。

 あとすごい盛り上がりそうな展開をなんか知らんけどやらない場面が目立つ。第一話からして胸糞悪いいじめっ子を殺すこともせず、垂金をむごたらしく殺すこともせず、罪のない人が被害にある場面はやけに描写するしなんなんだ。霊丸はするくせに邪王炎殺黒龍波は言わんのかい。桑原の霊刀も全然生かしきれてないし、その点は非常に残念と言わざるを得ない。戸愚呂弟戦も100%になってからの方が戦闘がつまんないってヤバいだろ。そもそも綾野剛の戸愚呂ってデカい着ぐるみ来たやつが頑張って動いているようにしか見えねーんだよ。

 なんか文句が多くなっちゃいましたが、誰もが想像する漫画実写邦画のちょうど1.5倍くらいの面白さは担保されていると思うので興味があったら見てみたらいいと思います。蛍子が出てるシーンのキツさとぼたんのしゃべり方にさえ慣れればそこそこ楽しめると思います。
 キツネ志尊淳の見た目がおもしろい。
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