シバザキ

フォールアウトのシバザキのレビュー・感想・評価

フォールアウト(2024年製作のドラマ)
4.5
 ゲームはさわりだけやりました。こんな感じの倫理なしドラマがいちばん得意なのがアマプラというのもすごい話ですね。ゲームはあんま知らないけど世界観が好きそうだったので期待してたらそれを裏切らないクオリティでよかったです。
 主人公を3人に分けて描く語り口がスゴく上手くて、群像劇ドラマとしては『ストレンジャー・シングス』にまさるとも劣らない展開力だったと思います。だいたいこういう群像劇ものは最終話近くでそれぞれの物語が収束して全員集合するのが定番なんですけど、今作は2話で集合するからビビりました。最後に一気に集合するのではなく、集まったり離れたりを繰り返す振り子のような構成を8話でやるのは意外と新鮮でした。特にマキシマスの話がお気に入りで、この世紀末無法地帯でかなりリアル寄りの性格の悪さを持っている彼が輝いていた。
 一応荒廃した世界の話で最初はアナーキーだけどなんだかんだみんな正義に目覚めて…みたいなヌルい作品になるんじゃないかと不安がありましたが、これはそうはならずに最初から最後までずっと倫理が無くてその点もイイ。ウォルトン・ゴギンズはそういう顔をしているのでグールの配役は完璧だったと思います。
 普通にゲームに興味が出てきて、ちょうどセールをやっていたからまんまと購入してしまいました。資本主義に警鐘を鳴らす作品を大資本のAmazonが作り、その元となったゲームもまんまと買わされてしまうという、すっごく悔しいことをしてしまいましたが面白いんだから仕方ないよね。まず間違いなくシーズン2が作られるでしょうから今後も楽しみです。これでアマプラに『ザ・ボーイズ』に並ぶ倫理なしドラマが生まれてしまった。
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