シバザキ

SHOGUN 将軍のシバザキのレビュー・感想・評価

SHOGUN 将軍(2024年製作のドラマ)
4.0
 海外資本で真田広之が主演&監修なのでそこそこ期待してみて観ました。ゲースロ制作陣によるドラマなので戦国版ゲースロみたいなテイストで始まり、やはり予算の高さがうかがえる高級なルックが非常に好みでした。

 いちおう日本人だけの話ではなく、海外から日本に流れ着いた按針ことブラックソーンの視点も織り交ぜて進んでいきますがそのバランスが絶妙で良かった。お互いがお互いのことを野蛮人と思い続けたまま最後まで突き抜けていくスタイルは割と新鮮。人種を超えた友情とかに帰結しそうな物語ではありますが、事あるごとにハラキリ従ったりやばすぎる女性蔑視的生活スタイルに按針がずっと「コイツらまじでヤベーな」と思い続けている表情がいい。

 日本と海外の異文化交流的描写もいい。最初は日本文化のすべてに対しイカれていやがると思っている按針が、日本生活が長くなっていくにつれそれになんとか馴染んでいこうとする様が面白い。家に無理やり押し入ろうとする奴らに対し、拒絶を表す日本語を「いいえ」しか知らない按針が銃を突きつけながら迫真の「イイエ!!!!!!!!!!!!!!!!」と絶叫する第3話の名シーンがある。ちゃんと日本生活が長引くに連れ按針の日本語がうまくなっていくのもこだわりを感じられます。

 莫大な予算に裏打ちされた、モブですら非常に線の細い見ごたえのある鎧を着ているルックは大好きなんですが、欲を言えばその美術クオリティを保ったままの大規模アクションシーンが見たかった。こっちはずっと「このあととんでもない大戦が始まるぜ」と思いながら見ていたのに、最後までそんなことはなかった。正直最終話を見終わった感想は「これで終わり⁉️」である。ゲースロだってそうだったし、海外ドラマの第1シーズンなんてそんなもんかという思いはありつつも、こっちは大金かけた戦国大合戦が見たいんですよ!

 ちゃんとヒットしているらしく、この調子で続編が作られるといいなと思いつつも1シーズンで主要人物の殆どが殺されているのではないかという懸念はある。気軽に首がポンポン飛ぶハードな戦国モノは見ごたえがあったので、真田広之にはこれからも頑張ってほしいですね。
 
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