鎌谷ミキ

前科者 -新米保護司・阿川佳代-の鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

4.8
【映画だけじゃ勿体無い、ドラマの醍醐味】

なかなか見れてなかった本作を、毎日の楽しみにしながら観ました。『前科者』映画とは違うタイプの前科者たちに同情する…

まずは映画にも出てくるる石橋静河さん。こんな過去があったんだ!2話で一人のエピソードが描かれていくんだけど、どんどん前科者にスポットが当たる演出は見事だと思った。彼女は運が悪かったんだな…前科者とだけで怖がったり話を聞こうとしないのはよくないというのが丁寧に描かれてる。

大東駿介さんのエピソードへ。これは難しい、性犯罪予備軍の殺人刑前科者。思わず泣いてしまった…彼が不憫すぎて。この中で一番暗くて重い話かもしれない。

ラスト、古川琴音さんのエピソード。自業自得イメージが強い覚せい剤取締法違反の執行猶予期間。でも、話を見ていくと彼女が被害者だということがわかる。そういうパターンも存在するんだろうな…ちょっと怖さを感じました。身近に薬物が存在することに。

終始落ち着いた心持ちで保護司をしているカスミンなんですが、感情が荒ぶると前科者に訴えかけます。そこがスゴくよかった。みんな人間だから、完璧じゃないっていうのも伝わってくるし、保護司はボランティアでやってるんだから、仕事の合間でしか対象者を見てあげれないもどかしさまで伝わってきて…

被害者ではなく、加害者に寄り添うという保護司の活躍、是非シリーズ化してほしい。映画、見直したら新たな発見がありそう。1週間楽しませてくれてよかったです。こちらは『前科者』漫画原作もあるので、見応え抜群です。
鎌谷ミキ

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