えぬ

ワン・ザ・ウーマンのえぬのレビュー・感想・評価

ワン・ザ・ウーマン(2021年製作のドラマ)
3.5
こういう設定ならコミカルで楽しい展開多めを期待したのだけど、なんか、いつもの対財閥復讐に終始した、それも中身があまり充実してないライト目なストーリーであっさり終わった。つまらなすぎて離脱するというほどでもないけど、続きが気になって次々見たくなる感じもない。

熱血司祭はギャグに乗れずに序盤で脱落してしまったものの、映画のエクストリームジョブでのイハニの暴れ振りも楽しかったし、イハニのこういうぶっ飛んだコミカルキャラはかなり好きなはずなんだけど…。

横暴で人の命すら何とも思わず、検察や政治家ととつるんで違法行為しまくり・やりたい放題な財閥への復讐劇で、かつ下からの戦いという韓ドラのパターンに自分自身がもうかなり飽きちゃってるのが良くないのかな…。戦いを挑むと言っても、法律の範囲内でできることは限られてるし、ではアウトロー的な戦いはといえばその手のドラマも既にいっぱいあるし、かといって財閥も人間の能力を超えたことは不可なので、ネタ的にもうやり尽くしちゃった感しかないパターンでドラマ作るなら、こういう破天荒なキャラを思い切って、もっと派手に大暴れさせて笑わせてくれた方が面白くなったような?…まあそういうドラマも既にいっぱいある気がするのだけど。

イハニとイサンユンとのタッグということもあって見る前は期待していたし、事実、第1話あたりはワクワクしながら見てたけど、途中からだんだんと中だるみ&失速で話に飽きてしまい、惰性でなんとか最後まで見終えた感じ。

見る前は、ここでの評価がこんなに低いのはナゼ?と思ったけど、それも納得。見終わった後の、面白かった!という満足感があまりなかったので。

SBSのドラマは今の地上波局ではまだ力を入れている方だとは思う。他の地上波はハナから見る気にもなれない・興味すらゼロなドラマだらけになってしまった中でも、SBSでは「これは面白そう・見てみたい」と思えるものはまだ少しはある。でも実際に全話見ると、昔の地上波ドラマのダメなところ(中盤から失速→ラストがグダグダorあっけなくてイマイチ)をどうも踏襲しがちで、完成度が上がり切らないまま妥協して終えてもこういうものだからいいのだ…的な甘い意識から抜けきれてないのが透けて見えちゃうのが…。キムサブみたいな数少ない例外を除き、せっかく面白そうな設定&キャスティングを揃えても、わりとこのパターンでガッカリさせられるので。

イサンユンはいつもながらに相手がトンデモ気味でもがっちり受け止めてくれるかっこいいエリート好青年は魅力だったし、久々にイウォングンの育ちの良い穏やかで優しい年下男性役が見られて良かった(ここで0.5点アップしといた)。イハニはアクションもキャラづくりも頑張ってたけど、最初の楽しいぶっ飛んだ言動が次第にナリを潜め、どんどん大人しくなって面白みが減じていくし…で、脚本でもっと楽しく振り回して欲しかった。それどころか、有能で切れ者という感じのないダラけた言動も少なくなく、もどかしくすらあった。あと、復讐劇よりも、財閥家族内でももっといろいろあった方が楽しくなったような?ここも中途半端でガッカリ。何より、本人も(もう一人も)序盤ですぐに自分が財閥嫁ではないと気づいちゃうのは、もったいないような?

復讐劇の内容ですら中盤にダメダメ(脇の甘さで敵にしてやられて、問題解決を先送りして話を引き延ばす)を繰り返していたので、それが自分にとって飽き飽きしているネタであることとも相まって、ますますダラけて見えてしまった。大事なカードである証人をうっかり失って(このうっかり具合がイラつくんだよな)、ここから一念発起して勢いよく動き出していって欲しいタイミングで、惰性的にロマンス展開になだれ込んじゃったりで「え、ここでこの展開持ってくるか?」と違和感&もどかしさで、せっかくのロマンスが楽しめなかったり…。最後もさしたる働きがあったわけでもなく、タイミングよくラッキーが降ってきた的な展開で、あっけなく予定調和的・さんざ見飽きたパターンで終わるので、見終わった時の感想が「はあ、やっと終わった…」みたいな疲労感交じりになってしまう。

16話もいらなかったパターンかな?

イハニのキャラが話の面白さの核という感じがするので(もっと言うとそれ以上の魅力が感じられない)、イハニが苦手だと、このドラマはちょっとしんどいかも。イハニは艶やかに気取ったイイ女を演じるよりもこういう変わり種な楽しいキャラの方が苦手意識がないのは何故なんだろう?パスタの女シェフのキャラの時は鼻についてしまったのに、不思議なものだなあ…と。
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