浅野公喜

地獄が呼んでいるの浅野公喜のレビュー・感想・評価

地獄が呼んでいる(2021年製作のドラマ)
3.6
死の宣告を受けるとゴリラみたいなモンスター×3が現れ、リンチされ殺されるサスペンスホラー。全6話で構成され、1~3話で前編、4話~6話で後編的な作り。

若干「デスノート」や「イキガミ」を思い出しますが、死の宣告や謎のモンスター達の謎に迫るかと思いきやそうではなく、宣告を受けた人間やその家族そして宗教団体をメインに描き、モンスターよりも「神の意思」という大義名分あるいは歪んだ正義感を振りかざす人間達の怖さを強調したストーリーとなっており、神の為なら老人であろうが鉄パイプや拳で無慈悲に殴る若者達が強烈です。

後半、特に5話辺りは勢いが落ちた感覚も否めませんが(作品の中でアクセント的役割を担うヤマンバメイクのネット配信者の不在も関係してるかも)、最終話である6話の終盤では団体の怖さを描きつつ平凡な人間達が結束することで赤ん坊らを守ろうとする動きも用意され、人間の愚かさと強さ両方描いていたのが好印象でした。

神が罪を裁く設定なら、宣告を受けた人間の過去の罪を細かく映像化する等より切り込んだり、時に人を脅かす宗教団体やリンチを加える集団一人一人にも次々と宣告がなされ、連続でド派手に死んでいく様も期待していたのですが、そういった描写が薄いor余り無かったのが不満な点でしょうか。ともかく、エンディングを観る限りシーズン2も有りそうなので今後に期待。
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