のっけから軽く描かれ、気軽に楽しめそうな雰囲気を漂わせている。しかしこういったタイプの作品は、推理モノとしては大味になりがち——
その点が気がかりだったが。しかし話が進むにつれて、しだいに不安は消えた。馬鹿馬鹿しいようで、よくできている。なかなかの秀作だと思う。
とても気に入ったのは、まずそれぞれのキャラクターに魅力がある点である。つぎに、彼らを１話ごとにスポットを当てていくのだが、それぞれにテイストが違うのだ。ある回はミュージカル風だったり、つぎはサスペンス風、またべつの回では回想シーンがすべて2Dアニメで構成されていたりと趣向が凝らされている。
なによりうれしかったのは、推理がよく練られていただけではなく、その上でドラマを破壊していなかったこと。これによって〝ミステリーとしても、ドラマとしても、コメディーとしてもおもしろい〟三拍子揃ったシリーズになっていると思う。
ところで物語は全８話で完結するが、シーズン２への更新がすでに決まっているのだという。そっくりこのまま続けるとしたら、蛇足のように思えるが・・・ 少々気がかりではあるものの、観る側の意表をつくような隠し球を期待したい。
［ドイツ語吹替音声＋日本語字幕］2022/04/19-27 Apple TV+
