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産婦人科医アダムの赤裸々日記のGreenTのレビュー・感想・評価

3.0
ベン・ウィショーって、『パフューム ある人殺しの物語』ですっごいいいなあって思ってたんだけど、結構残念な感じになってきちゃったなあ~と思っていたら、こんなドラマやってました。

アダム(ベン・ウィショー)は、若き産婦人科医。NHSという税金で賄われている病院に勤めているのだが、労働環境は最悪。新米産婦人科医のシュルーティや、ベテラン産婆トレイシーなどと、劣悪な環境の中でなんとか働いている。

も~これ見ると、やっぱり医者って可哀想だよなあって思った。十何時間も働かされているのに、常に患者に愛想よく、そして精巧さを求められる。シュルーティなんてまだ30歳くらい?すごい若いのに白人の妊婦さんに「パキに子供を取り上げてもらいたくない!」なんて言われちゃう。

すんごいコテコテのブリティッシュ・イングリッシュで聞き取れないし字幕追っつかないしで、なかなかコミカルで笑えるらしいのだが、着いていくのに必死だった。しかしヴィジュアルで労働環境の悪さはわかる(笑)。

アダムはゲイっていうのも大きなサブプロットで、2年間同棲したヘンリーだっけ?にプロポーズするんだけど断られたり、お母さんがゲイと知っていながら女の子との結婚を勧めたりなど、ゲイならではの悩みとかも、ドライに語られていて面白い。

で、シュルーティのキャラが新鮮だったなあ。パキスタンからの移民の娘で、別に差別されているわけじゃないけど、白人が何気なく言った言葉にステレオタイプを感じたりとか、差別されているわけじゃないんだけどマイノリティだと日々感じるようなちょっとしたこととかが共感できる。

このシュルーティは、若いのでこんなブラックな仕事本当に自分がやりたい仕事なのか?とか悩みながらやってる感じも良い。

アダムは、すっごい報われない環境で仕事していて、ちょっとメンタルやられている感じもするし、なんつの、エモになりすぎ?まあ医者って生死にもかかわるし、すごいプレッシャーなのはわかるけど、いちいち感情的になってたらやってられないでしょ?ある程度は割り切るしかないのに、感情的になりすぎて逆に変な行動をしたりして、意外と共感できないキャラ。

でもこのシリーズ、すごい評価高いんだよ。iMDb で8.4/10だもん。私は面白かったけどそこまでじゃなかったけど。でも医者側目線の話、すごく同情しました。私たち患者側も、病院で待たされたりひどい先生に当たったりしても、医療システムがあって、診てもらえるだけでもありがたいことなんだって思わなきゃなあって思ったよ。だって私だったらこんな仕事したくないって思うもん。してくれる人がいるだけでありがたいなあと。
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