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その患者、シリアルキラーのGreenTのレビュー・感想・評価

その患者、シリアルキラー(2022年製作のドラマ)
2.5
アラン・ストラウス(スティーヴ・カレル)は精神科医で、ちょっとキモい患者、サム(ドーナル・グリーソン)が実はシリアル・キラーで、人を殺したいという衝動を抑えられないという悩みがあることを知らずカウンセリングしていたのですが、ある日この患者に誘拐・監禁されてしまうって話です。

面白いのはこの精神科医がユダヤ人なことで、監禁されてヒマじゃないですか?自分の家族のことを考え、息子とギクシャクしているとか、いろいろ考える時間があるわけですよ。その中での家族の悩みっていうのが、ユダヤ人独特なんですよね。

アランは「カジュアルなユダヤ教」なんだけど、息子のエズラはオーソドックス・ジューの女性と結婚して、ゴリゴリのユダヤ教になってしまったらしいんだけど、それを「自分の息子がサイエントロジーに入ったのと同じだ!」って、オーソドックス・ジューのことをカルト教団みたいに言う。

同じユダヤ教でも宗派が違って家族間の軋轢になるんだ~。

このシリーズは10話完結なんだけど、なんでシリーズにしたんだろ?2時間の映画で十分だと思う。だって、1話が30分くらいしかないんだもん。なんでこんな短くしたんだろ?なのでトータル5時間くらいでしょ?内容がすごい薄められている感じがする。2時間の映画でスパっと描いた方が緊張感が持続して良かったかも。

設定は面白いと思ったのですが、描き方が面白くないと思った。私は、精神科医が慇懃無礼な上から目線でセラピーしていたら誘拐されて「お前の精神分析なんて当たってなかっただろ~!」とかってシリアルキラーにやり返されるって感じを想像していたんだけど、「お抱えのセラピスト」にされるってだけだった。

スティーヴ・カレルは昔からいいんだか悪いんだか良くわからない役者さん。この役も上手いんだけど、刺さらない。

ドーナル・グリーソンは、お父さんがあんな強面なのに『エクス・マキナ』や『フランク』での草食系男子ぶりが面白い役者さんだなあと思っていたのですが、今回髪をダークにしたせいか、年を取ったからなのか、エズラ・ミラーに見えてしょうがなかった。役どころが「ソシオパス」だからこれは名演技なのだろうが、こちらも特に刺さらず。

んで結果的にセラピーは成功だったと思うし、アランも監禁されサムの家庭環境を知ることによって自分の家族に対して理解が深まって良かったんだけど・・・・

この後はネタバレになります!




なんだけど、悲劇的な終わりになるのよね。でもこのお陰でアランは自分の欠点にも気付き、息子への愛を再確認し、そして難しい患者を治した!命を懸けてってことで。
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