綾

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌の綾のレビュー・感想・評価

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(2022年製作のドラマ)
5.0
今年観た/読んだすべての物語の中でいちばん好きでした…… ありがとうと大好きの気持ちでいっぱい。

「私の人生はおかしくて風変わりだけど、価値があって美しいです」

ヨンウ役のパク・ウンビンさんが授賞式でこの台詞を引用されているのを偶然見かけてから、ずっと気になってた。想像以上に素敵なドラマだったな。初めて聴いたとき電車の中なのに涙ぐんでしまった台詞は、本編で聴くと堪らなかった。ぼろぼろ泣いた。

1話からもう大好きになってしまったのだけど、〈とはいえ自閉症のある人すべてがヨンウのように社会的に尊重される種類の才能を持ち合わせているわけではないよなあ…… 〉という思いを真正面から受け止めてくれた(?)3話で完全に虜になった。

いつか何かで読んだ、障害のある子を持つ親はわが子に障害があるのに「天才」ではない/特別な才能が見られないことにプレッシャーを感じてしまう場合がある、という話を思い出した。


ドラマを観ていると、「普通」に生きられるかそうでないかという指標とは別に、「天才」か「凡人」かという指標もあるように思えて、たとえばヨンウは前者の指標では「弱者」の側に立つのかもしれないけれど、後者の指標では「強者」になり得る。だからクォン・ミヌ弁護士の存在がとっても大事なんだな、と何度も思った。

作品全体の優しい雰囲気とクォン・ミヌ弁護士のこの存在感は、大好きだった「僕らは奇跡でできている」を思い出したな。本作が好きだった方はきっと「僕らは奇跡で〜」も響くと思う。


ユーモア、ファンタジー(リアリティー)、展開の意外性、どれも絶妙な塩梅だった……

あとイ・ジュノは理想の王子様すぎる。個人的にミスター・ダーシー、アシタカに並ぶ「こんな完璧な人おらんやろ!!!」でした……
(だけどヨンウにはこれくらい誠実で優しい人じゃないと釣り合わないね…!!)

イルカの解放デモデートが最高に好き。「春の日差し」に泣いた。毎話泣いたしどの回も素晴らしかったけれど、個人的に3話と9話は映画一本分くらいの満足感。

あらためて授賞式でのウンビンさんのスピーチを見て、「私がどのように演じるかによって傷つく人がいるかもしれないということが怖かった」というお話に、その誠実さが作品をこんなにも素敵にしたのだなあとしみじみ。

シーズン2があると知らなかったら、寂しくて最終回を観られなかったと思う。絶対みんな揃って帰ってきてくださいね!!!!!の気持ち。

最終話エンドロール、これまで登場したすべての人の幸せを願った。

最愛ドラマのひとつになりました。本当に、本当にありがとう。
綾