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大戦隊ゴーグルファイブのうにたべたいのレビュー・感想・評価

大戦隊ゴーグルファイブ(1982年製作のドラマ)
3.2
目覚めよ若き獅子たちよ!大戦隊ゴーグルファイブ!!

シリーズもだいぶ定着してきた6作目のスーパー戦隊シリーズ。
東映版スパイダーマンから続いたMCGとの契約が切れた後の一作目となった本作は、現在の戦隊シリーズのフォーマット改めて則っているスタイルとなっています。
"~戦隊"という呼称、5人チームの構成に、合体ロボットへの搭乗などがあり、ひねらない王道なスーパー戦隊です。

主役のゴーグルファイブは全員元は民間人で、秘密裏にリストアップされた人材からコンピュータが弾き出した5人の若者で構成されています。
敵は暗黒科学帝国デスダークで、総統タブーという謎の支配者によって結成された、恐怖の科学者軍団です。
それに対し、ゴーグルファイルは、未来科学研究所の本郷博士によって開発されたゴーグルブレスの力によりゴーグルファイブに変身して悪と戦います。
つまり元々が善と悪の科学者同士の戦いが描かれており、初期にはイガアナ博士、ザゾリヤ博士という2人の博士が敵幹部として登場します。
デスダークは世界中の動植物の遺伝子を保持していて、そこから合成怪獣モズーを生み出し、世界征服に向けて作戦を開始するのですが、テコ入れが入ったのか、敵幹部の2博士は中盤に新幹部のデスマルク大元帥により処刑されます。
科学者の戦い設定は序盤から活かされている感じはなく、また、ゴーグルファイブ自体も、実は滅亡した文明をモチーフにしていますが、その設定が活きることは無いように思いました。
タイトルも、例えば、"科学戦隊"とか、"超獣戦隊"とか、その戦隊の特徴が入るところを、ゴーグルファイブだけ"大戦隊"と、何の戦隊なのかタイトルからよくわからないんですね。
私的には、ゴーグルファイブは全般的に特徴が薄い戦隊ヒーローだと思います。

中盤までは特に一話完結のストーリーがゆるゆる続き、各メンバーの特徴も薄く、正直なところ面白かったとはいえなかったです。
ただ、中盤くらいからブラックのイケメンシーンが増え出します。
そのあたりからブルーとイエローが一緒にトンデモメカで空を飛行する回があり、レッドがリーダーらしく単独特攻する場面が増えて来るなど、メンバーの個性が光る回が増えてきます。
そして忘れてはいけないのがゴーグルピンクこと桃園ミキの活躍ですね。
華奢で可憐なミキの活躍は、当時、ブラウン管の前の大きなお友だちの目を釘付けにしました。
作品後半になり、ピンクメイン回が流れたあたりから、ある程度、見れる作品になってきたと思います。

それであっても、そもそも設定が薄くドラマが弱いので、回が進んでもストーリーに進展はあまりないです。
古い子供向け特撮なので、一話一話を惰性で見るにはよかったのかなと思いますが、一気見するとややつらさと感じました。
名のりもやたら長く、変身バンク、必殺技のバンク、敵を倒した後の敵ロボット襲来のバンクに味方側のロボット搭乗バンク等々すべて合わせると、バンクだけで結構な尺になってるのも要因な気がします。
新体操をモチーフにしている変わった戦闘スタイルと、多彩な技は良かったが、ドラマ性がもう少し欲しかったと思いました。