うにたべたい

超電子バイオマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

超電子バイオマン(1984年製作のドラマ)
4.3
ゴレンジャーから数えた場合、スーパー戦隊シリーズ8作目となる作品。
現在まで続くシリーズを考えると8作目はまだまだ序盤に感じるのですが、とはいえ当時としては、8年続いている長いシリーズとなりました。
前作ダイナマンで今後も続く看板作品と一つとして認められたこともあり、デンジマンあたりから作られてきたフォーマットで続けるにはマンネリを感じ始めてきたころです。
そういうわけで、バイオマンでは多くの新機軸が取り入れられており、スーパー戦隊シリーズの転機となった作品となります。

かつて高度に栄えたバイオ星という星があった。
そこに住む生物は超科学によって生み出された"バイオ粒子"によって活性化していたが、そのバイオ粒子を巡る戦争によって、バイオ星は滅んでしまう。
バイオ星平和連合は、地球に住む人々に自分と同じ道を歩んでほしくないという思いから、地球へバイオロボとサポートロボットのピーボを送った。
そこから500年過ぎ、狂気の科学者・ドクターマンは、メカ人間たちによる新帝国ギアを率いて世界征服を開始した。
地球の危機を感じたピーボは、500年前に地球に来たときにバイオ粒子を浴びた5人の子孫を招集しする。
運命に導かれた5人の若者は『バイオマン』となり、地球の平和を守るため新帝国ギアに立ち向かう。
戦うために選ばれた戦士(ソルジャー)・バイオマン!

バイオマンで試みがされた中の一つに、5人戦隊の内、女性を2人にしたというのがあり、本作では活発なイエローとお嬢様なピンクが設定されています。
それによって、女性チームで対応するストーリーが作られており、大きなポイントと思いました。
前年のダイナピンク・立花レイ、さらにその前年のゴーグルピンク・桃園ミキの人気を考えると、女性戦隊が二人になることによる大きなお友達の盛り上がりはすごかったろうなと思います。
ただ、触れずにおくわけにはいかない点として、序盤でイエローフォーが戦死し、交代となります。
どうやら初代イエローフォーが疾走してしまったらしく、現在も連絡が取れないとか、そのために第10話でイエローがやられる回では素顔を見せることなくスーツ姿で爆死、スーツ姿のまま埋葬されるという違和感ありまくりの一話になっています。
なお、二代目イエローフォーのジュンは、活発な少女らしいキャラで、お嬢様なピンクとのペアがよく映えました。
個人的には、初代イエローよりもこの二人の方がお気に入りです。

他にも、バイオマンはタイトルに"戦隊"がつかない、巨大ロボが毎話異なり等身大の怪人はレギュラーキャラのみ、などの特徴がありますが、何よりも、ドラマ性が高くなっているのが大きなポイントかと思います。
序盤にて、敵のボスであるドクターマンの息子を模して作られたロボット・プリンスが登場、ドクターマンかかつて人間であったことが明かされます。
元々人間だったドクターマンが、自らを改造した経緯や、息子の存在、謎の科学者・柴田博士とのドラマが繰り広げられます。
敵幹部であるメイスン、ファラ、モンスター、その部下となるジューノイドたちも個性的で、飽きのこない展開となってます。
さらに終盤では、バイオ星を滅ぼした反バイオ同盟の殺人ロボット"バイオハンター シルバ"が登場、こいつがまたかっこいいんですよ。
「バイオ粒子反応あり、破壊!破壊!」というセリフと共に、銃を向けて撃ちまくるんですが、登場時のBGMもまたかっこいい!

テンポが良く、見ていて退屈を感じない良作でした。
マンネリ打破という点でも成功し、本作によって戦隊の方向性は多彩になったといえると思います。