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戦え!マイティジャックのうにたべたいのレビュー・感想・評価

戦え!マイティジャック(1968年製作のドラマ)
4.0
2クール予定で制作が進んでいたマイティジャックは、奮闘虚しく13話で打ち切りが決定してしまう。
だが、制作会社の円谷プロは、既に2クール分の予算を使ってしまっていた。
このままでは大損害が出てしまうと危惧したフジテレビは、子供向けに方向転換し、『戦え!マイティジャック』を新たに始めます。

タイトルこそ"マイティジャック"となっていますが、設定やストーリーなどは前作とガラリと変わっています。
例えば、前作では基本的にフォーマルなスーツ姿で活動していましたが、特撮ドラマらしく揃いのユニフォームでの活動シーンが多いですね。
他に、そもそも必要性があるのか疑問だったマイティ号が大活躍、巨大戦艦らしく敵ロボットや怪獣と撃ち合うシーンもあります。
尺も30分とテンポがよく、個人的には暗くて分かりづらい前作に比較すると、格段におもしろくなったと思いました。

キャストは一部続投ですが基本的には一新されています。
民間組織だったマイティジャックの設定も、国際機関「アップル」の下部組織に変更となります。
最終的には「Q」との因縁の対決に決着がつく幕引きとはなるのですが、敵組織も本作では「Q」以外に複数登場します。
また、2クール目からは前作"マイティジャック"では考えられない、宇宙人の襲来や巨大怪獣が登場する「なんでもぞくぞくシリーズ」へさらに路線変更しました。
この怪獣たちが、予定してなかった怪獣を準備しないといけないという予算の都合のためか、ウルトラマンやセブンの怪獣を流用しているんです。
これが逆に特撮ファンのペダンティズムに火をつけてくるんですよね!
12,3話では森次晃嗣演じる弾超七がゲスト的に登場し、セブンのパロディ的な言動を見せるというファンサービスのような展開があり、非常に盛り上がりました。

それ以外にも、友好的な宇宙人を攻撃しようとする人々から守ろうとするモノロン星人など、名作回が多数あります。
ギャグも多く、最後もメッセージ性があるよい終わり方で、前作は成功したとは言いづらい作品ですが、本作はまとまっていたと思います。
ほとんど別作品なので、前作の『マイティジャック』を未視聴でも問題ないと思います。
OPもウルトラシリーズを彷彿させるな、撹拌された絵の具のような映像が巻き戻ったような演出が使われており、特撮ファン、特にウルトラシリーズファンにおすすめの一作です。