はんそく負け

科学戦隊ダイナマンのはんそく負けのレビュー・感想・評価

科学戦隊ダイナマン(1983年製作のドラマ)
4.0
1〜10話は思いのほか科学戦隊らしい話があったり、かつ王女キメラの参戦等シナリオ上の起伏もあって楽しい。11〜30話はオーソドックスな戦隊ものに戻る。正直微妙な回も多い。ただこの辺は星川メイン回が良い。星川=春田純一の身体能力を活かした手の込んだショットを僅か1秒にも満たない時間でしか使わない贅沢さ。画面の見応えは十分。
そして31〜51話。こっからが本番。もうダイナマンそっちのけでジャシンカ帝国の政治劇に釘付けになる。メカシンカ誕生→女将軍ゼノビア参戦→ダークナイト登場と怒涛の畳み掛け。悪の組織にドラマがあって、しっかりダイナマンも負けて…というのが如何に重要か、改めて思い知る。
ベストは42話「挑戦 ダークナイト」。登板こそ少ないが、本作では堀演出が一番面白かった。ダークな雰囲気を出すのが上手で、この回冒頭における帝王アトンの寝殿は非常に美しい。他31話ではキメラの脚をエロティックに捉えてみたり、41話では暴走族を扱ったりと、どこか大人びているというか、挑戦的な演出をしている。この後速攻でメイン監督に抜擢されるのも納得の力量を見せている。