映画初心者

モダンラブ・東京の映画初心者のレビュー・感想・評価

モダンラブ・東京(2022年製作のドラマ)
4.5
第7話のみ鑑賞。第7話だけのスコアとなります、ご了承ください。「けいおん」「リズと青い鳥」の山田尚子監督が担当。非常に素晴らしい作品でした。彼女の作品の中でも指折りの出来。

音楽を通して呼び起こされる記憶、男女の淡い出会いと現在を描く。彼女の演出力がとにかく光り輝いている作品でした。30分の作品でこれだけの演出力を見せられると圧倒されるしかないです。

山田尚子的な描写と言えば、色収差などのレンズ感のある画面、手・足・髪の毛を用いた感情表現、ゆるい絵によるコミカルな表現にあると思います。本作ではこの山田尚子的な描写が30分の尺の中でこれでもかと使われていました。

音楽を通して記憶が蘇るシーン、男女の初めての出会い等々、うわぁこの描写良いと思わせてくれる。特に、音楽を使った演出が本作際立っていますね。唐突なBGMの停止、BGMのボリュームが大きくなり静寂のカットに遷移、ある曲を2回かけた後にピアノによるイントロでヒロインと同様にハッとさせるなどなど。

少しだけ美術が残念なカットもありましたが、作画に関しては小島さんが参加するなどアベレージとして決して低くなかった。山田尚子コンテの精密な要求に対してしっかり応えていると思いました。個人的には京アニの芝居作画は強調しすぎてうるさく感じていたので、これぐらいの密度感が自分にちょうど良かったです。

現状、山田尚子監督作品では、TVシリーズは「けいおん」、映画は「リズと青い鳥」、短編は「モダンラブ第7話」が代表作品だと思います。
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