寄生獣 －ザ・グレイ－のヴレアのネタバレレビュー・内容・結末

「寄生獣」は大好きな漫画で何度も読み返していますが、本作は原作そのままではなく、寄生獣の設定だけ引き継いで完全なオリジナルストーリーが展開されていた。
ひょっとして原作の世界線そのままに韓国ではこんな事が起こっていました的な話なのかなと思ったけど、時代設定が現代なのでそれも違うらしい。原作は昔の話で、本作はスマホとか出てくるし。
かと思ったらまさかの泉新一も出てきて？？？ってなった。
ファンサービスかもしれないけど、もう理解が追いつかないのでやめて欲しい。笑

さて、そんな本作だが何これめちゃくちゃ面白い！原作に忠実な日本の劇場版2部作より面白いんじゃない？
とにかく普通の人々がある日突然何かに寄生されて変わってしまうという恐ろしさ、それをとことんリアルに描いているのでとにかく引き込まれた。
日常が一転して非日常に変わっていくその瞬間の描き方が秀逸だと思った。
また、演出面においても緩急の付け方が連ドラのお手本みたいなもので、毎回見せ場や山場があり、先の読めない展開でグイグイ引き込んで来るし、毎回次回が気になるような所で終わるという心憎い演出。脚本が素晴らし過ぎるな。
アクションも満載だし、カメラワークとかも凝ってて良かった。寄生獣のCGもリアルで気持ち悪くて、ストレンジャーシングスみたい。

もっとも良かったのは原作から設定だけ借りた別物という訳ではなく、全体を通してみたテーマ性というものがちゃんと原作に沿ったものだったという事。寄生獣が我々は何故生まれてきたのかと自問する所や、寄生獣と共存関係にある主人公が戦う目的など、考えさせる深いテーマ性をしっかり落とし込んでいてとても感心させられた。