ある日、宇宙から犯罪組織である不思議界フーマが地球にやってきて侵略活動を開始した。
バード星のコム長官は新人宇宙刑事のシャイダーとアニーをフーマから地球を守るために派遣することにした‼︎‼︎

若き日の円谷浩と森永奈緒美主演の新人宇宙刑事の戦いを描いた宇宙刑事シリーズ第三弾。
今作は前作のシャリバンと比較するとより子供向け要素が強くなっている印象で特に愛嬌のある不思議界フーマの怪人たちや子供が登場するエピソードの多さなど低年齢を意識していそうな作風だったのは良かったと思う。
また前作までは主演がバリバリのアクションのできる俳優さんだったが、今作の主演である円谷浩はアクション未経験の新人俳優だったためそれを補うがごとくアニー役の森永奈緒美が激しいアクションを披露してくれたのが印象的だった。
ただ後半になっていくにつれて円谷浩もしっかりとしたアクションを見せてくれたのは良く彼自身の成長物語でもあるのだと感じた。
全体的にはしっかりと親子で楽しめる安定の出来の作品であった。
それにしても円谷浩は30代の時に病気で亡くなってしまったのが非常に残念で、ご存命ならおそらくシャイダーをまた演じていてくれただろうに、、、、

既観

東映特撮メタルヒーローシリーズ三作目。
宇宙刑事三部作の最後の作品となる宇宙刑事、その名もシャイダー！

シャイダーに変身するのは、宇宙刑事候補生の一人、地球人の「沢村大」です。
不思議界フーマにより、銀河の星星が危機に瀕していることを受けて、人手不足から宇宙刑事候補生の次々と各惑星に送られてゆきます。
沢村大も訓練生の一人でしたが、フーマが地球に狙いを定めたことを知ったコム長官は、急遽、沢村大に宇宙刑事シャイダーというコードネームを与えて、地球担当を命じます。
前二作と違い、沢村大は宇宙刑事としては独り立ち直後で、本作では、沢村大(=シャイダー)の成長ドラマも描かれます。
守ろうぜ、美しい地球を！宇宙刑事シャイダー！！

シャイダーのスペックは、前作シャリバンと同等に設定されています。
バビロス号から放出されるプラズマ・ブルーエネルギーにより、シャイダーがコンバットスーツを"焼結"するまでに要する時間はたったの1ミリ秒。
一方、フーマの不思議獣は、不思議時空の中で4倍のパワーを発揮してシャイダーに襲いかかります。
焼結変身からプラズマブルーフラッシュまでの流れは、バンクも多く、ギャバンやシャリバンと同じような感じです。
強いて言えば、蒸着、赤射とは違って、焼結は承認プロセスはなく、「では、プロセスをもう一度見てみよう」というお決まりのバンクはシャイダーにはありません。
一方、スターウォーズが流行ったときの名残である微妙に挟まる宇宙戦は本作でも建材で、相変わらず毎話フーマの戦闘母艦が破壊され続けます。
前作でも同様に母艦が破壊されていましたが、それでもフーマの勢力に衰えは見えず、底知れなすぎて恐ろしいですね。

ギャバン、シャリバンは本編に登場せず、物語の終盤において、他の惑星でフーマと戦っている旨の説明があるのみです。
新米宇宙刑事のシャイダーが、こんな毎話毎話、宇宙母艦を破壊されても平気なほどの力を持つフーマから宇宙を守るために一人で相手するというのは厳しすぎる。
そういうわけで、フーマに滅ぼされた惑星出身のアニーがパートナーとして一緒に行動します。
ギャバン役の大葉健二やシャリバン役の渡洋史は、元々スーツアクターもしていたこともありアクションに慣れがありましたが、シャイダー役の円谷浩氏はそうではないため、過去2作に比較するとアクションシーンに違いが出てしまいます。
アニー役としてJACの森永奈緒美が起用されたのは、そのためと言われており、特に序盤ではアニーのアクションシーンが目を引きます。
本作では、前2作と違って、サポート役のアニーが前面に出て生身で格闘しており、シャイダーの人気を押し上げた重要なキャラクターだと思います。
また、全編通してアニーはミニスカート姿で戦うので、その点でも大きな人気を得た作品ですね。

終盤、フーマが銀河の各惑星で暴れ回り、多くの星が壊滅し、ギャバンもシャリバンも苦戦するのですが、シャイダーがその状況を打破する展開はなかなか良かった。
しかし、終盤まで進展が遅く、面白いかというと微妙だと思います。
終盤は駆け足の感じがあり、大帝王クビライとの戦いもいまいちで、カタルシスに欠けるように感じました。

とはいえ、フーマの精神攻撃は恐ろしく、颯爽と現れて撃破するシャイダーの活躍は毎話楽しめました。
最終話で3人揃った変身が見れます。このファンサービスはうれしい！