めしいらず

天使の耳~交通警察の夜のめしいらずのレビュー・感想・評価

天使の耳~交通警察の夜(2023年製作のドラマ)
2.8
信号無視、車窓からのポイ捨て、煽り運転、路上駐車、横断歩道のない場所の横断。自己中心的で無自覚な軽犯罪行為が、人の命を左右する重大な事故に結びつくことがある。どこか交通標語を物語仕立てにしたような印象もなくはないけれど、東野圭吾らしく巧みにミステリに昇華されていたと思う。事故の起きた正確な時間を巡って捜査が二転三転する最初の挿話の、アリバイ崩しものを思わせるスリリングな展開がとてもよく練られていて面白かった。被害者への共感が時に相手との距離感を忘れさせ事故への正確な判断を鈍らせる。玉虫色の結末のあり方も好み。このお話以外のミステリ的興味はあっさりめだったかも知れない。
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